雨宮天、でんぱ組.inc、ツユ、RHYMESTER、絢香……6月21日リリースの新譜5作をレビュー

RHYMESTER『Open The Window』

　岡村靖幸とのコラボ曲「マクガフィン」、スチャダラパーをフィーチャーした「Forever Young」、SOIL&"PIMP"SESSIONSとの共演による「初恋の悪魔 -Dance With The Devil-」などを含む6年ぶりのオリジナルアルバム。『Open The Window』というタイトルが示すように、新しい窓を開けるように挑戦を続けてきたRHYMESTER。鮮烈なギタープレイと“スーパースターであれ”と鼓舞するリリックが響き合う「My Runway feat. Rei」、ソウルフルな旋律とともに“窓を開け、つながり、理想の世界を目指そう”とメッセージする「Open The Window feat. JQ from Nulbarich」などの新曲にも、彼らの真摯なトライアルの軌跡が刻まれている。激しく変化を続ける社会と対峙しながら、音楽的な広がりと深化を実現させた2023年を象徴するヒップホップアルバムだと思う。（森）

絢香『Funtale』

　歌い手、創り手としての成長や変化を求め、ニュージーランドで制作された絢香の7thアルバム。華やかな解放感に溢れたトラック、“憂鬱を蹴飛ばし、明日へ飛び立とう”というメッセージを響かせる「To The Moon」、温かく、穏やかな愛の在り方を描出したバラード「Home」、クラシカルな弦の音色とともに、大切な人との別れを抒情的に綴った「さよならMr.」、大らかなメロディと前向きな世界観が聴く者をエンパワーメントしてくれる「あなたの世界が」など、絢香の“らしさ”と“新しさ”がバランスよく共存した楽曲が並ぶ。MVに倉科カナが出演したシングル曲「未来へ」、映画『天間荘の三姉妹』主題歌「Beautiful World」（玉置浩二feat.絢香）も収録。（森）