『ワイルド・スピード』歴代サントラは世界の音楽トレンドの転換を示す 時代の最先端をリードするレゲトン&HIPHOP

 最先端の音楽トレンドを押し出すだけではなく、過去の楽曲も話題になる『ワイルド・スピード』だが、シリーズ初期からこのように音楽やカルチャーと密接な関係を持ち続けている。2003年の『ワイルド・スピードX2』から、当時最も熱いラッパーとして世界的に人気を博していたリュダクリスがテズ・パーカー役で出演しており、彼の楽曲「Act A  Fool」は『ワイルド・スピードX2』のテーマ曲としても知られている。当時のサウスを代表するラッパーだけではなく、アジア人ラッパーとして初のメジャーデビューを果たし、凄腕バトルMCとしてテレビなどでも大きく話題になったMCジンもサウンドトラック参加だけではなく、ジミー役として出演していた。

 2013年の『ワイルド・スピード EURO MISSION』と2015年の『ワイルド・スピード SKY MISSION』ではヒップホップ以外にもデヴィッド・ゲッタ、DJスネイク、フロー・ライダーなどのダンスミュージック関連のアーティストも参加し、2017年の『ワイルド・スピード ICE BREAK』ではヤング・サグ、リル・ウージー・ヴァート、ミーゴス、コダック・ブラックなど、2010年代後半を代表するトラップ系のラッパーが多く参加している。

 このように常に新鋭のアーティストや、世界のトレンドの最先端で活動するアーティストたちを起用してきた『ワイルド・スピード』シリーズ。サントラを年代順に聴くことにより、世界の音楽トレンドの転換を実感することができるだろう。昨年、Apple Musicの最も再生された楽曲ランキングでは、トップ100のうち21曲が非英語圏の言語で歌唱されていた。そのような意味でも今作『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』で多くのスペイン語圏のアーティストたちがフィーチャーされていることも、彼らが時代の最先端を進んでいることがわかるだろう。

※1:https://www.the-numbers.com/movies/franchise/Fast-and-the-Furious#tab=summary
※2:https://www.nme.com/news/music/here-is-apple-musics-list-of-the-top-songs-of-2022-3357948

■リリース情報
『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』サウンドトラック
発売中

<収録曲>
01.「ANGEL PT. 1」 KODAK BLACK & NLE CHOPPA (FEAT. JIMIN FROM BTS, JVKE, & MUNI LONG)
02.「WON’T BACK DOWN」 YOUNGBOY NEVER BROKE AGAIN, DERMOT KENNEDY & BAILEY ZIMMERMAN
03.「NOTHING ELSE MATTERS」 JESSIE MURPH
04.「MY CITY」 24KGOLDN, KANE BROWN & G HERBO
05.「TE CURA」 MARIA BECERRA
06.「COUNTIN’ ON YOU」 LIL TJAY, FRIDAYY & KHI INFINITE
07.「SPINNIN’」 LIL DURK (FEAT. EST GEE)
08.「TORETTO」 J BALVIN
09.「FURIOUS」 BIA
10.「SIGUE LA FIESTA」 JUTIN QUILES, DALEX & SANTA FE KLAN
11.「VAI SENTANDO」 SKRILLEX (FEAT. LUDMILLA, KING DOUDOU & DUKI)
12.「9 IN MY HAND (FAST X REMIX)」 KORDHELL & KEY GLOCK
13.「GASOLINA (SAFARI RIOT REMIX)」 DADDY YANKEE (FEAT. MYKE TOWERS)
14.「BANDO (FAST X REMIX)」 ANNA (FEAT. MADMAN & GEMITAIZ)
15.「CRAZY (SAFARI RIOT REMIX)」 DOECHII

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