「デビューアルバムを振り返って、ハングリー精神を思い出した」（白濱）

――では続いて、亜嵐さんが作詞作曲した「NOW or NEVER」について。こちらはGENERATIONS初のスカパンク調の楽曲で、〈番狂わせろ!!〉など、自分を奮い立たせるような攻めの歌詞が印象的です。

白濱：コロナ禍に入ったばかりの頃と比べると、去年はいろいろな活動ができた年ではあったんですけど、悔しいと思うことがすごくあって。この歌詞は、僕がこの10年で感じた想いだけでなく、僕らの怒りや歯がゆさを言葉にしたところが大きいんですよね。ただ、逆境に立たされた時こそGENERATIONSは強いと思うので「NOW or NEVER」というタイトル通り、“今やるか？　一生やらないか？”と自分たちに突きつけるような歌詞にしました。でも、それを真面目に歌っちゃうと、聴いててしんどくなるので、あえてポップでBPMの速いスカパンクに乗せてみました。

――しかも、この歌詞には、1stアルバム『GENERATIONS』に収録されている楽曲の言葉を抜粋して散りばめているそうで。遊び心たっぷりですね。

白濱：例えばAメロの〈まだまだ 見えないエンディング〉は、デビュー曲「BRAVE IT OUT」の〈マダマダ〉を拾ったんですが、絶対そこから始めたいなと思っていて。ボーナストラックの「BURNING UP -GENERATIONS Version-」からも言葉を拾いましたね。

中務：めっちゃ拾うやん（笑）。

白濱：アルバムに収録されてる全曲から抜粋したからね。今一度デビューアルバムを振り返ったことで、当時の勢いやハングリー精神を思い出すきっかけにもなりましたし、10周年でこういう曲が作れてよかったなと思っています。

――ボーカルディレクションも亜嵐さんが担当したんですか？　それともボーカルにお任せ？

数原：亜嵐くんと相談しながらレコーディングしましたね。「あまり綺麗すぎる仕上がりにしたくないから、綺麗に歌わないで」って言われたので、ちょっとおバカなキャラを作って歌ってみたら、うまいことハマりました。ただ、ひとこと言いたい。最後の〈Try to Fly, Go to the Top〉の追い込みは、マジでいい加減にしてくれ！

一同：（笑）。

白濱：あそこは相当キツいよね。生演奏だとギタリストの指もえらいことになるし（笑）。

数原：ライブの時、どうするつもりなの！　って思いながら歌いましたよ（笑）。でも、完成した音源を聴いて、ライブのいいポイントになる楽曲だと確信したので、みんなと一緒に盛り上がれるのを楽しみにしています。

――ちなみに、この曲のレコーディングには、スカパンクバンド・KEMURIの皆さんも参加していますが、今後共演などは考えていますか？

白濱：ぜひご一緒したいですね！　僕らのライブはいつも、ギター、ベース、キーボード、ドラムの4ピースバンドに演奏してもらってるんですけど、そこにトロンボーンとかが入ったら迫力がすごそうですよね。今までやったことのない編成ではありますけど、今回のアルバムだと「ワンダーラスト」でもホーンセクションを使ってるし、可能性は高いんじゃないかなと思います。

――「NOW or NEVER」もMVが収録されますが、裕太さん、見どころは？

中務：僕が変な走り方をしてるシーンですね。それがサブリミナル効果のように流れてくるので、このMVを観た人は夢に僕が出てくると思います。

白濱：あの走り方の裕太くんが、夢の中で追いかけてくるんだ（笑）？

――ホラーじゃないですか（笑）。

中務：いや、怖いMVではないです（笑）。結構ラフな感じで、秘密基地でみんなでMVを撮る打ち合わせをしてるっていうストーリーですね。龍友くんも持参のバイクで登場してて。

数原：持参のバイクって（笑）。愛車ね？

中務：それが言いたかった！　龍友くんの愛車のバイクの後ろに亜嵐くんが乗っていたり、メンさん（関口メンディー）が監督役をやっていたりして。10年経っても変わらない賑やかな雰囲気の中で、みんなのいろんな顔が見られるMVになっています。

――そして、アルバムの最後を飾る「X ～未来への手紙～」は龍友さんが作詞しています。こちらはどんな想いを込めて制作しましたか？

数原：こういうタイミングで曲を作るとなると、10周年の集大成的な曲になることが多いと思うんですけど、「X ～未来への手紙～」はそうじゃなくて。さっき亜嵐くんも言ったように、華々しく10周年を迎えた裏にはいろいろな葛藤があったので、この先もそういう経験をしていくだろうなと、“10年後、この曲を聴いている僕ら”に向けた曲を書きました。

――歌詞に句読点がついているのは、あえて？

数原：そこはこだわりましたね。「、」とか「。」って、普通歌詞を書く時は消すことが多いじゃないですか。でも、10年後の7人はどう思うかわからないけど、今の気持ちをありのまま残したかったから「今のGENERATIONSはこうだよ」っていう手紙にしようと思って、あえて句読点を残しました。レコーディングも、この曲が10年後の自分にとって救いになったらいいなと思いながら、自分たちに言い聞かせるようなイメージで歌いましたね。

――〈夢を歌う誰かのヒーローであれ。〉という歌詞も素敵ですよね。

数原：僕らがアーティストとして存在する意味を考えた時に、その言葉に尽きるなって思ったんですよね。しかも、僕らは「Love, Dream, Happiness」というテーマを掲げるLDHのアーティストですから。時には愛を歌うこともありますし、いつかは誰かの幸せを願うような曲も歌えたらいいなと思っています。でも、今の僕らは夢を追う誰かのヒーローでありたいし、自分たちも全力で夢を追うべき時だから、こういう歌詞が一番似合うなと思いました。