今市隆二、日常の尊さと愛を届ける 原点回帰のサウンドで目指した「残る曲」を作ること

今市隆二が目指した「残る曲」を作ること

 今市隆二(三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE)のニューアルバム『GOOD OLD FUTURE』(11月2日発売)は、90年代R&Bへの愛情に満ち溢れた作品だ。ボーカル面では、タメやファルセットなどのテクニックにも感服させられる。一方で、アルバムタイトルは「古き良き未来」を意味する造語。現在開催されている全国ツアー『RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2022 “RILY’S NIGHT”』で、自身の目標として愛を届けたいと語っていた今市は、本作でも日常の中で周囲の人々を大切にすることの重要性を描いている。90年代のサウンドと、コロナ禍と戦争という2022年ならではのテーマが込められているアルバムの制作過程について今市に聞いた。(宗像明将)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

【オリジナル動画】今市隆二、大切にしている「GOOD OLDなもの」

【休日に行った場所とは?】今市隆二が大切にしている「GOOD OLDなもの」

「“本当に好きなものをやる”のが今回のポイント」

ーー9月13日の『RYUJI IMAICHI CONCEPT LIVE 2022 “RILY’S NIGHT”』の東京ガーデンシアター公演にうかがいました。最高のソウルショウでしたね。全国ツアーの手応えはいかがですか?

今市隆二(以下、今市):すごく手応えを感じてますし、自分自身も充実した時間を過ごせています。今回のツアーは、自分から全国に会いに行くっていうテーマで、ファンのみなさんに直接会ってしっかりコミュニケーションを取れている感じがします。コロナ禍で、直接会うこともコミュニケーションを取ることも大事だなって感じたので、それをライブとともにできることはすごく幸せだし、ファンのみなさんも同じ気持ちになってくれてると思うので、とても充実してます。

ーートークコーナーで、抽選に当たったファンのみなさんと直接話してみていかがでしたか?

今市:良かったですね。あの企画も自分から提案したんですけど、正直どうなるかわからなかったんです。今までそういうライブの作り方をしてなかったので。初日までどうなるかな、と思っていたんですが、周りの評判も良かったし、ファンのみなさんが喜んでくれるのが一番なので、すごくやって良かったなと思います。アリーナやドームじゃできないですからね。

ーーそしてニューアルバム『GOOD OLD FUTURE』は、まずジャケットがR&Bのレコードのようですが、これは今市さんのリクエストでしょうか?

今市:そうです。今回はジャケットからも音楽やR&Bを感じるようにしたくて。自分の中で「90年代R&Bっていうと何かな?」と思ったときに、レザーだったんですよ。90年代のファッションがかっこいい人って、レザーを使っている印象が強かったし、「最近、俺レザー全然着てないな」と思って。そしたらかっこいい衣装をしっかり用意してもらえた感じですね。文字の字体にもこだわって、「音楽を感じるな」とすごく満足しています。

ーー今回「90年代」がテーマとしてありますが、2021年の『CHAOS CITY』は80年代がテーマでした。時が進んだきっかけは何だったのでしょうか?

今市:今の音楽シーンは流れがどんどん移り変わっていくし、サブスクがメインになって良い意味で音楽を誰でも手に取りやすい。めちゃくちゃ便利になった分、日本でCDが売れなくなったり、音楽の価値も変わってきましたよね。いろんな流れがあって、過渡期のタイミングのなかで、一旦ここで自分が本当に好きなもの、バックボーンにあるものに立ち返ってやるべきタイミングだと思ったので、今回は90年代R&Bにフォーカスを当てました。今までいろんな曲を作ってきましたけど、やっぱりどこかトレンドや流れを意識していて。それも悪くないんですけど、「本当に好きなものをやる」というのが今回のポイントで、良いタイミングで原点回帰できたなと思っています。

ーー『GOOD OLD FUTURE』とは「古き良き未来」を表す造語だそうですが、「Good Future Skit」では、現在の不安定な社会を生きる人々へ「あなたにより良い未来が訪れますように」というメッセージが語られます。そうしたメッセージをアルバムに込めるには、90年代サウンドが最適だという判断があったのでしょうか?

今市:それは特に意識してなくて、自分がやりたい音楽の原点にプラスして、今回のコンセプトライブ『RILY’S NIGHT』で感じた、デビューから12年の経験で自分が伝えたいメッセージをアルバムとして届けたいなと思いました。スキットがあるほうがよりメッセージを届けやすいし、R&Bのアルバムっぽいですから。インタールードで電話の音が鳴ったりとかもやりたかったんですけど、今回はスキットの形になりましたね。

コンディション維持のために心がけていること

ーーでは、新曲について聞かせてください。「Don’t Give Up」では、ゴードン・チェンバースが制作に参加していて驚きました。

今市:ご存知でしたか?

ーーアッシャーやビヨンセのソングライターですよね。さらにLDH作品ではおなじみのT.Kuraさんとmichicoさんも制作に参加していますが、どういう制作スタイルだったんでしょうか?

今市:Kuraさんとゴードン・チェンバースがもともと知り合いで1曲作ってある状態だったんですけど、Kuraさんも良きタイミングで出したかったんでしょうね。今の時代的にも、R&Bをこれだけがっつりやる人がなかなかいないと思うので。その時点でクオリティの高い曲ではあったんですけど、今回michicoさんにも入っていただきました。Kuraさんとmichicoさんは、三代目JSBがデビューするときからお世話になってるGIANT SWINGというトラックメイカーでもあるんですけど、ソロでは一緒にやったことがなくて。今回の素晴らしい曲にmichicoさんに入っていただきたくてお願いしました。ツアーのメッセージを届けたいということで、いろいろ打ち合わせをさせてもらって、テーマを伝えて。最高な歌詞ですよね。やっぱりmichicoさんはすごいし、自分も奮い立たせてもらってる感じです。

ーーファルセットもさすがの美しさですが、喉のコンディション維持のために意識されていることはあるのでしょうか?

今市:従来と変わらないですね。もちろん最低限のケアをやったりとか、最近は漢方を飲んだりとか、あとはランニングをして心と体を解放させるとか、そういう程度です。

ーーライブのMCでも「今日も走ってきました」と話していましたね。今市さんがライブ会場周辺を走っていたらまわりに見つかりますよね?

今市:見つかっても「後でライブ行きます!」と言ってくださって(笑)。ランニング良いですよ、めちゃくちゃオススメです。

ーー「ROMEO + JULIET」には80年代シティポップの感触もありますが、これまでの路線を意識したものでしょうか?

今市:たしか2、3年前ぐらいに、でき上がっていた曲で。YVES&ADAMSのスタジオに行って何曲か作って、他の曲はトレンドや流れを意識したんですけど、この曲を作るときは「一回好きなやつやろうよ」って。2人ともR&B好きなので、それぞれのバックボーンとか、好きなアーティストとかの名前を出したりして作り上げた感じですかね。だから自分の中でもすごく90年代を象徴するビート感だなと思ってるんです。最初はエレキギターは入っていなかったんですけど、それが入ったことによって、カチカチした音になった感じがシティポップなのかもしれないですね。

ーーなるほど。「CASTLE OF SAND」のようなスローな楽曲は、今市さんのボーカルの真骨頂を聴く思いでした。かつ、ラップのパートもありますね。意識したのはどんなところでしょうか?

今市:まずハチロク(8分の6拍)ビートのR&Bにラップがあるのが自分でも面白いなって思って。しかもトーンが低めなんで、それも面白いなと。ラップをやる箇所に関しても本当にしゃべっているかのようなトーンというか、メロディとか音程があるんだかないんだか、みたいな微妙なトーンで入れたのを覚えてますね。

ーー8分の6拍で歌うことは難しくなかったでしょうか?

今市:「ONE DAY」以来、久しぶりで。やっぱり自分の好きなビートでもあるし、アドリブもすごく高度なことを要求されて、フェイクも難しかったんですけど、ボーカリストとしてすごく楽しかったですね。以前だとEDMがそうでしたけど、今は時代的にもいろいろなサウンドを聴かせる曲が世界的に増えていて、ちょっと歌モノが減った印象があるので、そのなかで久しぶりにアドリブに時間をかけるのがすごく楽しかったですね。

RYUJI IMAICHI – “CASTLE OF SAND” Music Video

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