BTSメンバーたちも順次入隊へ、兵役による休止期間も人気勢力図に変化なし? 活動やグループの在り方がファンダムに及ぼす影響

 以前は人気グループであっても兵役が折り返しという印象は大きかったが、近年は全員が兵役済みであるSUPER JUNIORや2PMのようなK-POP第二世代グループの活躍は珍しくなくなっている。ボーイズグループはうつろいやすい大衆人気よりも固定の「ファンダム」に支えられている傾向が強いため、グループ活動が再開されれば再び応援するというファンも多いのではないだろうか。SUPER JUNIORなどは除隊後にラテン圏で活動をしてさらにファン層を拡大した実績もある。海外活動に関しても、アメリカの人気ボーイズグループ・Backstreet Boysが2019年に5年半ぶりにリリースしたアルバム『DNA』で18年ぶりに米ビルボードアルバムチャートで1位をとったことは、やはりグループでの活動があればある程度のファンは戻ってくるというある種の証でもあるだろう(※6)。

 また、事務所との再契約や結婚、独立といったライフスタイルの大きな変化やグループとしての変換点は28歳〜30歳という兵役期限前後の時期に起こりやすく、兵役後もグループ活動を続けることが一般的になっている現在では、兵役そのものよりもそれらのことがグループ活動に及ぼす影響が大きくなっているかもしれない。近年のK-POPシーン全体の流れを見ても、「兵役による休止期間」によって人気の勢力図が変わるということはほとんどなかった。ボーイズグループの寿命全体が長くなっている現状では、「兵役そのもの」以上にその期間やそれ以降の活動の仕方やグループの在り方が、ファンダムに及ぼす影響は大きくなっているのではないだろうか。

 今まではグループ活動を最優先し、同世代のK-POPグループと比べてもソロ活動は少ない方だったBTSだが、「兵役準備期間」とも言えるような今の時期になって個人での活動が増えてきている。入隊準備を控えているJINも、商業的なソロシングルとしてははじめての「The Astronaut」を10月28日にリリースすると発表されている。グループ全体での新しい活動はしばらく期間が空くかもしれないが、それぞれの新しい活動をその時々で大切に味わうという時期がBTSにもファンダムにも来ているということだろう。

※1、4:https://www.law.go.kr/LSW/lsSc.do?section=&menuId=1&sudMenuId=15&tabMenuId=81&eventGubun=060101&query=%EB%B3%91%EC%97%AD%EB%B2%95#undefined
※2、3:https://m.ajunews.com//20201222095453586
https://m.ytn.co.kr/news_view.php?key=202012081024377873&s_mcd=0103#return
※5:https://www.ibtimes.com/billboard-introduces-new-rules-its-charts-bts-army-reacts-3374627
※6:https://www.billboard-japan.com/d_news/detail/72263

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