FANTASTICS、新たな色を表現する“勝負の夏ソング” 亀田誠治&佐藤可士和とのコラボで高まる挑戦への意欲

 今年、“FANTASTICSとFANの皆さんと一緒に大きな夢へ向かって旅するプロジェクト”、その名も『FAN FAN PROJECT』が始動したダンス&ボーカルグループ、 FANTASTICS from EXILE TRIBE(以下、FANTASTICS)。8月7日にホールツアー『FANTASTICS LIVE TOUR 2022 “FAN FAN HOP”』を終幕した彼らが、この夏、サウンドプロデュースに音楽プロデューサー 亀田誠治、アートディレクションにクリエイティブディレクター 佐藤可士和を迎えた“FAN FAN三部作”をスタートさせた。その第1弾は、同ツアーのテーマソングとして亀田誠治が書き下ろした、スタイリッシュなサマーチューン「Summer Bike」。8月24日にリリースされた同曲の魅力や近況について、ボーカルの八木勇征、パフォーマーの澤本夏輝と堀夏喜に語ってもらった。(斉藤碧)

【オリジナル動画】FANTASTICS、最近胸が高鳴ったこと!

【最速の誕プレに驚き!?】FANTASTICS 八木勇征&澤本夏輝&堀夏喜、最近胸が高鳴ったこと!

「今が勝負というのはメンバー全員が感じていること」(八木)

 ーーまずは上半期の活動から振り返らせてください。俳優としての活動が年々増えている堀さんは、6人で臨んだ舞台『BACK TO THE MEMORIES PART2』を終えて、どんな手応えを感じていますか?

堀夏喜(以下、堀):まず、あの公演数を頑張ってみんなで乗り切ったということが、今後への自信に繋がりましたね。共演の俳優の方々はマチネ(昼公演)・ソワレ(夜公演)を当たり前のようにやられていますし、僕らも今となっては昼・夜公演で連日やっていますけど、以前はそういう形で公演を行うことがありえなかったので、その大変さが身に染みました。

ーー以前放送されたドラマ『マネキン・ナイト・フィーバー』(日本テレビ系)でも、水野美紀さんからアドリブ攻めされたとおっしゃっていましたが(※1)、舞台上でアドリブ演技をするのは、それとも違う感覚なんでしょうね。

堀:そうですね、もっと大変でした(笑)。通常のアーティストのライブでは、やらないことですからね。でも、イレギュラーなことがたくさんあったことで、技術的にも気持ち的にもすごく鍛えられたなって思います。

八木勇征

ーー上半期はフェイクドキュメンタリー『The Usual Night いつもの夜』(ABCテレビ)も話題になりましたね。澤本さんに関しては、毎回の料理シーンがファンの方の目の保養になっていたようですが(笑)、第2話で、世界さんと佐藤大樹さんに「自分の年齢を考えた時、FANTASTICSの現状に焦る」と相談している姿もとても印象的でした。

澤本夏輝(以下、澤本):あの3人のシーン、じつは結構カットされたんですよ(笑)。

八木勇征(以下、八木):実際はもっと話してたもんね。

澤本:そうそう……という裏話もありつつ、あそこで話していたことはリアルすぎるくらいリアルで。大まかなストーリーとキャラクター設定は決まっているんですが、それ以外は全てアドリブなので。個人的には年齢的な焦りもありますし、今年と来年がFANTASTICSにとって勝負の年というのも、実際に感じながら活動しています。

ーーその気持ちは、八木さんも共有していますか。

八木:今が勝負っていうのは、メンバー全員が感じていることですね。だからこそ、僕らは今年『FAN FAN PROJECT』というプロジェクトを立ち上げて、“FAN FAN三部作”という形でシングルをリリースしていくことを発表したんです。そこには音楽プロデューサーの亀田誠治さんや、シングル『STOP FOR NOTHING』の時もアートワークを担当してくださった佐藤可士和さんなど、ビッグネームの方々にお力添えしていただいていて。何をもって勝負に勝ったと言えるのかは人それぞれ違うと思うんですけど、僕はこの夏、1人でも多くの方にFANTASTICSのことを知ってもらって、ここから次のステップに向かって、一緒に進んでいけたらいいなと思っています。

「爽やかなのに、しっかり胸を打ってくる素晴らしさ」(堀)

ーーでは、そんな勝負作について伺っていきます。今おっしゃったように、今作「Summer Bike」から3作に渡って亀田誠治さんがサウンドプロデュースされますが、八木さんから見た亀田さんはどんな方ですか?

八木:お会いするまでの亀田さんは、東京事変のベーシストというイメージが強くて。日本を代表する音楽プロデューサーだから、厳格な方なんじゃないかと思っていたんです。でも、いざお会いしたら、ものすごく気さくな方で。「なんでも良いから、困ったことがあったら相談して」って言ってくださいました。個人的には、デモをいただいた時に、亀田さんご自身も「初めての曲調に挑戦している」とおっしゃっていたことが、すごく嬉しかったですね。これまでたくさんの功績を残してきた方がまた新しい挑戦をするところに、FANTASTICSとしてご一緒できてよかったなって思いましたし、亀田さんも「一緒に最高の曲を作ろうよ」って言ってくださったので、僕も(中島)颯太も「この最高の曲を、もっと良いものにしてみせます!」という意気込みでレコーディングに取り組むことができました。

ーー歌録りの際に意識していたのは、どんなことでしょうか?

八木:「Summer Bike」は全体的にグルーヴィに、言葉一つひとつが聴いてくれた人の耳に残るような歌い方を心がけました。細かいところで言うと、〈このまま空まで〉というサビ頭のファルセットが聴きどころですね。その後に続く〈走れたらいいな 飛べたならいいな〉という想いを伝えるためにあるのがこの歌い出しの表現だと思うので、他のフレーズとの違いをハッキリ出せるように意識して歌いました。今回は歌割りも特徴的で、サビ頭はボーカル2人でユニゾンして、その後を僕が1人で歌って、次の〈そのまま君まで〉をまた2人で歌って、その後を颯太が1人で歌って……っていう構成になっていて。ここは颯太とバトンを繋ぐような感覚で歌いました。それ以外にも、たくさん試行錯誤しながらレコーディングしたので、じっくり聴いてもらえたら嬉しいです。

ーー前作と比べると、「Escape」が大人っぽい仕上がりだったのに対して、こちらは少しやんちゃというか、サマーチューンに似合うフレッシュな声色ですよね。

八木:「Escape」はドラマのために書き下ろされた曲だったので、そのイメージに合わせて声色を重めにして歌ったんです。でも今回は疾走感のある曲だから、軽やかな印象にしたくて。重くならず、かといって軽くなりすぎないように、声の重心を変えながらいろんなパターンを録っていきました。で、「これくらいのバランス感覚だな」っていう歌い方が見えたら、その方向性でさらにテイクを重ねて、自分なりに納得のいくものが収録できました。

【Music Video】Summer Bike / FANTASTICS from EXILE TRIBE

ーーちなみにレコーディング中、“亀ダンス”はご覧になりましたか?

一同:なんですか、それ???

ーー以前、GLAYのみなさんが「亀田さんはレコーディングで良い演奏を聴くと“亀ダンス”を踊るんだよ」とおっしゃっていて。

澤本:えー、見たいですね。勇征、見た?

八木:(少し考えたふりをして)たしかにミックスの立ち合いで、完成間近の音源を一緒に聴いてる時、座りながらちょっとボックス踏んでたかもしれない。足がちょっと動いてた気がするなぁ……。

堀:ホントか~(笑)?

八木:すみません、冗談です(笑)。レコーディングはご一緒していないので僕らはまだお目にかかれていません。

澤本:でも、三部作だから、この先見られるかもよ?

八木:そうだね。あと2回あるからチェックしとく(笑)。レコーディングでご一緒した際は亀田さんに踊ってもらえるように頑張ります。

澤本夏輝

ーー歌詞は「Escape」に引き続き、小竹正人さんが担当されていますが、堀さんは「Summer Bike」のどのフレーズがお気に入りですか?

堀:個人的には、颯太が歌っているDメロの〈途切れた笑顔は 生まれ変わり 戻ってくるさ〉という歌詞が、今の時代や僕らの心境とマッチしていて、すごく心に響きましたね。僕らもコロナ禍で一度ライブができなくなったけど、今はツアーを開催できるようになったし、「きっとまた笑顔で会えるよ」っていう前向きなメッセージソングになっていて。これだけ爽やかで夏をテーマとしたポップな楽曲であるにも関わらず、しっかり胸を打ってくるところに、楽曲制作に関わってくださったみなさんの素晴らしさを実感しました。

ーー「Summer Bike」は『FANTASTICS LIVE TOUR 2022 “FAN FAN HOP”』のテーマソングとして、ツアーはもちろん、『BATTLE OF TOKYO 〜TIME 4 Jr.EXILE〜』4daysでも披露されました。実際にお客さんを前にしてパフォーマンスした感想はいかがですか?

堀:ツアーでは1曲目に披露したんですけど、登場シーンはファンのみんなが一番ワクワクしてくれている瞬間だと思うので、僕はこの曲を一番集中してパフォーマンスしていましたね。「Summer Bike」を聴いていると、この曲と共にステージに出た時の会場の熱量がまた戻ってくる感覚があって。ツアーを終えた後も、引き続き今年の夏を彩る1曲になるんだろうなと感じています。

堀夏喜

ーーライブ、新曲制作、そして俳優活動と、今年は一段と刺激的な夏になりそうですね。今回さまざまなクリエイターの方とご一緒したことで、クリエイティブ欲に火が点いたり、新たに興味が広がったと感じる瞬間はありましたか?

堀:僕は日頃からFANTASTICSの衣装デザインやスタイリングに関わらせていただいていることもあって、最近は可士和さんの影響を感じることが多いです。今回、可士和さんはCDジャケットだけでなく、ツアーのロゴも考えてくださっているのですが、ステージ自体もロゴと同じカラーリングですし、全てが可士和さんのデザインから始まっているんですよ。だから、今回のステージ衣装を考える時もそこから得るものが大きかったですね。

澤本:僕らは2021年に発売したシングル『STOP FOR NOTHING』で初めて可士和さんとご一緒したんですけど、その時に国立新美術館で開催された「佐藤可士和展」にも行かせていただいて。僕もそこから、デザインやアートへの興味が増しました。今回のジャケットデザインもそうなんですが、可士和さんって一見すごくシンプルに見えるデザインでも、何㎜っていうレベルまでこだわって作っていらっしゃるとお聞きしました。そのこだわりを目の当たりにしてから、可士和さんが手掛けられたロゴも、街中でつい見ちゃうなぁ……。最近では、コンビニで商品を手にした時にも「パッケージのデザイン変わったな」って気づくようになって、「すごく影響されてる!」って思いました(笑)。

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