CrazyBoy、“コア”を大切にした楽曲制作の中で得た確信 ライブを意識した『NEOTOKYO V EP』を語る

CrazyBoy、制作の中で得た確信

 三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEのELLYが、ソロのラッパーとして活動する際の名義がCrazyBoy。彼が2022年1月にリリースした配信アルバム 『HIP LIFE:POP LIFE』の収録曲「Damn Girl feat. Jackson Wang」のMVは、YouTubeで470万回以上再生される大ヒットになっている。しかも、シンガポール、アルゼンチン、フィジーのiTunesで総合1位を記録し、グローバルな評価を獲得した。そのCrazyBoyが、新たなEPである『NEOTOKYO V EP』をリリース。8月に大阪のオリックス劇場と東京ガーデンシアターで開催される4年ぶりのライブ『NEOTOKYO presents~SUMMER ISLAND 2022~』に向けたキックオフとなる作品だ。EPの収録内容はもちろん、海外での反響について、そしライブへの意気込みについても聞いた。(宗像明将)

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「Damn Girl feat. Jackson Wang」の反響で得た手応え

ーー今回の『NEOTOKYO V EP』は、新曲とリミックスを収録していています。4年ぶりに「NEOTOKYO」シリーズの冠がつきましたが、『NEOTOKYO presents~SUMMER ISLAND 2022~』へのキックオフとして制作されたのでしょうか?

CrazyBoy:そうですね、まさにライブのキックオフのためのデジタルEPになってます。

ーー今回は新曲2曲とリミックス2曲を収録していますね。

CrazyBoy:そのときのバイブスだったり、旬のアーティストだったりで、曲ができるタイミングはいろいろあるんですけど、今回4曲ができあがってきたのでいいタイミングかなって。

ーー制作作業は普段からずっとやっているのでしょうか?

CrazyBoy:ぼんやりイメージがあるときに作り始める感じですね。「この時期にこういうのをやりたい」とか、「こういうトラックでこういうふうにやれば、ライブでいい感じかな」とか、常に考えてます。

ーー三代目 J SOUL BROTHERSでの活動も忙しいなか、CrazyBoyとしてソロ名義の作品を制作するにあたり、どうペース配分をしていますか?

CrazyBoy:グループはやっぱり7人のバランスもあるし、それぞれ年齢もあるし、やりたいことも出てくるので。そういうなかで作家として、ソロアーティストとして、定期的にこうやってリリースできてるっていうのはありがたいことですね。ソロに関しては、音楽を作っていくことに賞味期限はないし、何歳になっても続けていけることですし。この作業は自分の未来にとってはすごく大事なことなので。

ーー1月にリリースされた『HIP LIFE:POP LIFE』の収録曲「Damn Girl feat. Jackson Wang」のMVは、YouTubeで470万回以上再生されるヒットとなりました。海外からのコメントも多いですが、どう受け止めましたか?

CrazyBoy:再生回数はもちろん、iTunesでのチャートインがすごく価値があるなと思って。日本では宇多田ヒカルさんに次いで2位だったんですけれど、ヒップホップチャートでは1位で。(フィーチャリングで参加した)ジャクソンの影響が大きいし、海外で購入してもらってチャートインして、無料ではないもので聴いてもらえるっていうのはありがたかったです。何より、やっぱりジャクソンと一緒に曲ができて、僕自身も成長できたのが良かったですね。

CrazyBoy - Damn Girl feat. Jackson Wang (Official Music Video)

ーーiTunesでの購入という点では、シンガポール、アルゼンチン、フィジーで総合1位というのはすごいですね。

CrazyBoy:僕やジャクソンのファンが買ってくださったのもあるんでしょうけど、そこまでたくさん宣伝してもらったわけじゃないですし、テレビで紹介してもらったわけでもないんです。僕の好きなものはコアだと思っていて、そういうものをジャクソンとのコラボレーションで広げてもらって。ジャクソンのパワーも大きいし、彼が「ぜひやる」って言ってくれて、スキルも含めて、僕がやってきたものが評価されたのが、嬉しかったですね。

ーーそうした反響が、今回のEPに影響を与えた部分はあるでしょうか?

CrazyBoy:アルバムは、全体としては本当に音楽的にコアの部分にこだわって作ったので、メジャー感があるような曲って少なかったと思うんです。でも、好きな人は好き、ってわかりました。そういうことを経験すると、メジャー感がある受け入れやすい曲の中に、どういうエッセンスを入れて世の中に出していこうかなという発想にもなってきますね。コアをメジャーに持っていくためには、相当大変なものがあると思うんですけど。メジャーのいいところとコアのいいところを合わせて、僕が生み出していこうと思ってますし、三代目JSBのメジャー感と僕の考えるコア感をミックスしていくような形を表現していこうかなと思ってます。

ーー4月には『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)にお母様と出演されていましたし、それを見てから聴いた人は「ELLYってCrazyBoyという名義でソロ活動してるのか」と驚いたかもしれませんね。

CrazyBoy:「ELLYってこうだよね」っていうものはある程度できてきて、男性のみなさんに応援してもらえるのも、なんか僕っぽいなって。同性から認められるのは大変なことですけど、そういう枠でも進み続けて、最近はソロは「あと10年ぐらいはいけるかな」とか感じています。「売れたい」っていうのも自然とついてくるものだと思うんですけど、コアがメジャーになっていく過程を思い出すものもありますし、「これで間違いないな」って思います。

ーー確信を得たんですね。EPの1曲目である「Chi-Ki-Chi-Ki-Haa」では、NAKKIDさんとT.Kuraさんによるトライバルなビートに耳を奪われました。意識したのはどんなサウンドでしょうか?

CrazyBoy:『HIP LIFE:POP LIFE』のときは、ヒップホップやR&Bのストリート感で、すごくギュッとしたものを作ったので、そこから弾ける感じをちょっと入れたいなと思って。絶対にダンスが入るようなもの、耳に残るようなものを作りたいっていうのは、アルバムを作った後にT.Kuraさんにお伝えしてて。15年くらい前のNew Boyzっていうラッパーのサウンド感にも似てるところがあるんですけど、僕にもドンピシャで刺さるようなトラップビートで、かつタイトルもキャッチーにして、中身も楽しんでもらえるメロディとラップにしました。

CrazyBoy 『Chi-Ki-Chi-Ki-Haa』 (Official Music Video)

ーーCrazyBoyさんのラップも、ビートに合わせて意図的に泥臭くしている感触がありますね。

CrazyBoy:そうですね。でも、ここで一番変えたのは、オートチューンを使ってないことです。その前までは流行りのオートチューンを使ってたんですけど、それを抜いて自分の声を届けようと思って。歌にも全然オートチューンがかかってなくて、サビやフック前で歌ってるところも、前回のアルバムがあったからこそ自然と歌えたかなと。あえて生っぽい声を出してみました。久しぶりに機械が入ってない声をダイレクトに入れています。

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