Lead、ファンとの歩みの中で見つけた「導標」 デビュー20周年迎えた現在地を語る

Lead、デビュー20周年迎えた現在地

Leadの3人の思い出のライブは?

――今回のベストアルバムには、シングル表題曲以外の人気曲をストリーミングで集計した『Leaders Choice』や、BEST LIVE SELLECTIONのDVDというお楽しみもありますね。『Leaders Choice』ランキングについての感想は?

谷内:僕ら的にはめちゃくちゃ意外でしたね。特に「君は何かができる」(※1980年代に放送されていたアニメ『キャプテン』オープニングテーマのカバー)はライブでは一度も披露したことがなくて「聴いてくれている人、いるのかな?」みたいに思っていたんですよ。

鍵本:ストリーミングのランキングだからこそ、普段Leadの曲を聴かないような方も再生してくれる曲となればタイアップものやカバーが上位に来るのはわかってはいたんですけど、そこに「君は何かができる」がくるとは!

――シングル表題曲を含めると、「STAND UP!」(2008年 ※アニメ『家庭教師ヒットマンREBORN!』エンディングテーマ)や「Be the NAKED」(2019年 ※アニメ『火ノ丸相撲』オープニングテーマ)はダントツの再生回数だと思います。あとスムルースのカバーの「冬色ガール」とか。

鍵本:「STAND UP!」はアニメタイアップにしては全然キャッチーさがなかったんですよね。トラックだけで言ったらめちゃめちゃヒップホップですし。

【PV】STAND UP! / Lead

古屋:海外のアニメファンの方が聴いてくれているパターンも多いみたいで、それも意外と言えば意外でした。

谷内:「冬色ガール」が1位というのもびっくりしましたけど。

――ライブの定番曲といえる「With U」「ANTHEM」が入っているのは順当な感じでしょうか。比較的甘いイメージで聴きやすい楽曲がそろっている気がします。

古屋:たしかに。ファンの方が考えている「こういうLeadが好き」という気持ちを感じました。

鍵本:観てくれたライブとか、その人の思い出をひっくるめた選曲でもあるかもしれないですよね。これもある意味、僕達にとっても「導標」というか、求められているのはここなんだなと思える指標ではあります。

――BEST LIVE SELLECTIONのDVDについては選曲基準を聞けたらと思っていましたが、ほとんどがそのライブの1曲目なんですね。

鍵本:3人で選んでいるんですが、1曲目を入れたいというのは僕の案ですね。ライブのオープニングはそのライブの命を懸けている部分、一番大事にしたいところなので、それをあえて全部まとめて見てもらえたらと。その時期ごとのLeadの推し曲というか「今年はこの曲で見せきってやる」という熱量がライブの1曲目に全部表れているので、そういうものを感じ取ってもらえたらいいなと。

――あと恒例のダンスコーナーでは暗転したステージで蛍光のグローブをはめて踊ったり、芝居仕立てだったりといろんなチャレンジをやってこられたと思うんですが、その中で『Leap』(2013年)のダンスコーナーをピックアップしたのは?

谷内:これは僕のチョイスですね。久しぶりに全ツアーのDVDを見てみたんですけど、この年は我ながらかっこいいものができたと思っていて。その時はレコーディングと並行してライブも作っていて、時間が限られている中で「ダンスだけであっと言わせたい」という気持ちがすごく強かったのが蘇ってきて、これは絶対に入れようと思いました。

――映像を見直したら確かにキレッキレでした。あとコロナ禍に入ってからのオンラインライブでの楽曲も2曲入っていますが、3人のシンクロ率が高くて驚きました。

Lead

古屋:ダンサーなしで僕らだけですし、もう20年一緒に踊っているので、自然に揃っちゃうんですよ。

鍵本:生でライブができなくてここでしか自分たちの表現ができなかったというのもありますけど、映像になるとどうしても伝えられるパワーが半減するので、そこをどうにかして補っていこうと思うと、自分たちの熱量と精度を上げていくしかない! という気持ちもあったと思います。

――個人的に、LL BROTHERSがプロデュースした「Baby what turns you on」(2008年のツアー『Feel The Vibes』より)は、音源もそうでしたがパフォーマンスも段違いで大人っぽくなった印象があります。

谷内:LLさんは「ダンス甲子園」(※バラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で行われていたダンスコンテスト)の出身でダンスが軸にありながら自分たちで楽曲プロデュースもされていて、そういうバックグラウンドも含めて憧れていた方々です。レコーディングのボーカルディレクションでもそれまで自分たちが出したことがない発声の仕方や細かいフェイクを教えていただいて、恵比寿のスタジオで頭を抱えながら歌ったこととか、すごく印象に残っています。

鍵本:ライブにまつわる素敵な思い出もたくさんあるんですけど「なんでこれをやったんだろうな?」っていう思い出でもいいですか? 1stツアーの『BRAND NEW ERA』(2004年)で僕、コンガを叩いたんですよね。アテネオリンピックの年でアテネ神殿をイメージしたセットやギリシャ戦士風の衣装だったんですけど。僕らが高校生で、観に来てくれていたファンの方々もたぶん同世代くらいと考えると、チョイスが渋すぎません? 当時はかくし芸が流行っていたのでチャレンジすることに意義があるみたいな趣旨だったんですよね。否定はしないですけど、今思えば頑張るとこ、そこじゃなかった(笑)!

谷内:そういうのなら衣装で言うと、1stツアーのもそうでしたけど、2005年の『UPTURN 2005』で着た宇宙服みたいなのはどう考えても暑かったですね。なんで着たんだろう?

鍵本:当時のアメリカのアイドルの衣装をイメージしていたかもね。ライブ当時の時代を反映している部分もあると思います。

――この流れで、お気に入りのツアー衣装を聞いてもいいですか?

古屋:僕はさっき話に出た1stツアーの衣装、結構好きでしたね。マントと鎧で戦士! みたいな。コスプレ要素のある衣装、好きなんですよね。だってテンション上がりません? だから舞台も楽しいのかもしれない。

鍵本:そういうコンセプトものという観点でいくと僕は『Master Plan』(2015年)のアーミーテイストの衣装が好きでしたね。

DVD/Blu-ray 「Lead Upturn 2015 Master Plan」12月16日発売!

古屋:Show-heyくん(RADIO FISH)に振付してもらったツアーで、映像もかっこいいんです。

谷内:僕は『THE SHOWCASE』(2016年)の「志~KO.KO.RO.ZA.SHI.~」とかを歌ったブロックで着た革ジャンの衣装が、無骨な感じで好きでした。和柄の裏地とか、こだわって作ってもらったものなんです。

DVD/Blu-ray「Lead Upturn 2016 〜THE SHOWCASE〜」ダイジェスト

――なるほど。いろいろ掘り下げたいところですが、もうすぐ開催の『Lead 20th Anniversary Live~感今導祭~』と夏ツアー『Lead 20th Anniversary Live~導標~』についても聞かせてください。

Lead

鍵本:『感今導祭』で披露する楽曲についてはファン投票企画をさせてもらったのですが、新旧問わずなるべく曲数をやりたいというのもあるので、お祭りっぽさもありつつ、ダンスで魅せていきたいというコンセプトで作っています。最初はあんまりアニバーサリー感がなかったんですけど、敬多が「もっとシングル入れたいっちゃ!」って言うのでシングル曲を増やして、それですごく雰囲気が『感今導祭』らしい感じになりました。

――2017年の『感今導祭』ともかなり雰囲気が違うものになりますか?

古屋:そうですね。あの時はノンストップで全シングルをやって体力的には本当にしんどかったので(笑)、今回はもっとライブっぽく起承転結のある感じで。あと僕たちだけじゃなくみんなが思い出に浸れるように、できるだけみんなが聴きたいと思っているであろう曲を優先して選んでいます。

鍵本:あとはこの20年の間にアレンジが変わったり、ライブをやるごとに進化した曲をいったんゼロベースに戻してオリジナルでやろう! ということにもこだわっていますね。

谷内:ダンサーが入ってのライブは2019年ぶりになるので、昔を振り返りつつもこの先を感じてもらえるセットリストで、よりダイナミックな演出で見せられるんじゃないかなと。

――夏ツアーのタイトルには、いつもの“Upturn”は入らないんですか?

鍵本:入れないです。AnniversaryとUpturnを組み合わせると横文字が長いし思いがガチャガチャするので(笑)、ここはシンプルにみんなでアニバーサリーで盛り上がりたい! ということで、何度か話し合ったんですけどこのタイトルにしました。

古屋:でも“Upturn”はLeadにとってはずっと大事なキーワードだし、そこは変わらないですね。

――『感今導祭』とは切り口も変えて。

谷内:そうですね。アニバーサリー感はありつつも『感今導祭』とは違った部分、この先のLeadをより感じてもらえるアグレッシブなものにしたいなと思っています。

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