19歳になったSASUKEが語る、これまでの自分とこれからへの意欲 「音楽をやりたいだけではなく音楽でやりたいことが出てきた」
『クックルン』『オオカミちゃん』などへの参加で得たこと
ーーその後フリーになって、昨年4月から『ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン』(NHK Eテレ)の音楽を担当されていますが、親世代や子供からの反響はいかがでしょう。
SASUKE:音楽を気に入ってくださっているということは感じていて、安心しています。オファーの話をいただいた時、これまで通りの子供番組らしい音楽を求めて僕に依頼してくださっているわけではないように思ったので、そこを意識して作りました。もしかしたら全然子供が振り向いてくれない可能性もあったと思うんですが、家で踊っているとか、番組が始まるとテレビの方を振り向くといったお話を聞くと、とても嬉しいです。
ーー曲作りで特に意識されたことはありましたか?
SASUKE:初期は、物語の設定をすごく意識しました。「島に住んでいる」という部分から、サーフィンやロックな感じをイメージして作りましたね。OPやEDはそのテーマに寄り添って、その後は歌詞の内容や、制作の方からいただいた音楽ジャンルのイメージなどを入れつつ作っています。画とのマッチや、子供たちの歌が入って完成した時に一番ハマるような音像になるように意識していて。さらに納品した音楽が実際にどうやって使われているかを見て、音感や音数を調整したりもしています。少しずつですが、『クックルン』という作品に寄り添ってこれたなという感覚です。
ーー作家としての音楽制作と、自身の楽曲リリースを並行していく上で苦労もあると思いますが、先々までスケジュールを計画していますか?
SASUKE:昔から、あまり先を見据えて計画するということはないですね。世の中の状況も変わるので、その時その時の判断でやっています。リリースする場合も自分での手続きになるので、これまで以上に自分の出したい時に出している感じです。
ーー5月にリリースした「プレ・ロマンス」(DÉ DÉ MOUSEとの共作)の制作はどのように進行したのですか?
SASUKE:僕は幼稚園の頃からDÉ DÉ MOUSEさんが大好きだったんですけど、あるイベントでお会いすることができて、DÉ DÉさんも僕に興味を持ってくださって、少しずつ仲良くさせていただいていました。何か一緒にやろうよという話が出たのは2021年頃で、そこから色々と作ってはいたんですけど、一度テーマをシティポップに設定して作っていったのが「プレ・ロマンス」です。最初はオンラインで画面共有しながらベースを作って、そのあとはメールでデータのやりとりを重ねて作っていきました。最初に好きなシティポップを送りあったりしてイメージを共有していたこともあって、スムーズでしたね。
“止まった時間”の中で考えた、自分がやりたい表現
ーー現在、音楽に限らず仕事を選択していく上で重要視していること、譲れないことはありますか?
SASUKE:自分がやりたいことをオーダーに添いつつやる、ということを大事にしたいと思っています。年齢が若い段階からプロとしてやらせていただいていたので、とても勉強になっているんですけど、これまでは自分のやりたい要素どころではなくて、まずはオーダーに応えたいという思いでした。でも、ちゃんと自分のやりたい要素をコントロールしながらやらないと、僕に頼んでくださる意味がなくなると思って。これまでの経験のおかげで、色々なジャンルの引き出しを持っていると思うので。
ーー「自分のやりたい要素」に自覚的になってきたのでしょうか。
SASUKE:はい。振り返った時に、全部自分で良いと納得して聴けるものを作りたいと思っています。それが自分というアーティストの方向性にも関わってくる。これまでは、音楽を作れていればそれでよかったんですが、少しずつ自分がやりたい表現が見つかってきたので、意識が変わりましたね。
ーー音楽制作に対するスタンスが変わりましたか?
SASUKE:昔も今も、やりたいことをやってるというのは変わっていないんですが、「やりたいこと」が変わってきていますね。昔はあまり自分のことを音楽で表現するのが得意ではなかった気がします。歌詞も、自分から見た風景や世間といったものが多くて、自分自身のことはあまり言ってこなかった。音楽をやりたいだけではなく、音楽でやりたいことが出てきたというか。
ーーそういう考え方に変わってきたのはいつからでしょう。何かきっかけはあったのでしょうか。
SASUKE:ここ二、三年です。コロナ禍でのステイホーム期間もあって。僕はあまり生活スタイルとして影響を受けなかった方なんですが、逆に、思い出に残ることや、人生の中でイベントと言えるようなことが起こらなくなった。何かポンと思い出す時は、大体2019年あたりで止まっているんです。“止まった時間”ができたので、強制的に自分のことを考えざるを得なくなって。これまではいい意味で何も考えずにやりたい音楽をやっていて。ありがたいことに音楽をやる場所はあったので、そこで与えられたものに応えていくだけだったんですけど……考える内に、良くも悪くも自分のことがわかってきて。
ーーどういうことがわかったのでしょうか?
SASUKE:あまり、強く思っていることがないなって。それまでは子供だったこともあって、あまり中身を考えてこなかったかもしれなくて。それはきっと、音楽をやっている自分に自信があったので、心配したりすることがなかったんだと思います。音楽は一生作り続けると思うけど、それ以外で自分のやりたいことがはっきりしない時期がありました。音楽を言葉で語ることも得意ではなかったし、本当に色々と考えました。
ーー自分に対して問題点を出していって、整理していった?
SASUKE:そうですね。その中でやりたいことなども決まっていったり。なのでフリーになってからリリースした曲は、自分のやりたい音楽に近いです。
ーー『彼とオオカミちゃんには騙されない』(ABEMA)への出演を決めたこともそういった気持ちが背景にあったのでしょうか?
SASUKE:絶対にそれまでの自分がやらないようなことをやってみよう、という思いがあって。こう見えてすごく強いメンタルで出たんですよ(笑)。とにかく進みたいという気持ちで、普通では考えられないことを経験することで何かを見つけたいという思いでした。
ーー実際に経験していかがでしたか?
SASUKE:ちゃんと見つかりました。面白い場所に辿り着けた気がします。またここからどうしていくか考えられるのでよかったです。
ーー最後に、SASUKEさんが今後表現者として目指す未来について聞かせてください。
SASUKE:自分が今、予想できるようなものになっていたら少し悲しいなって思うんです。未来には想像つかないところにいっていてほしい、という気持ちはあります。今後もアーティストとしてやりたいこと、作家としてやるべきことをバランスよくやっていけたらと思います。
■ライブ情報
『人間旅行2022』
日程:7月17日(日)15:30開場 / 16:00開演
会場:高松MONSTER
出演:SASUKE、崎山蒼志
■SASUKE 関連リンク
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Instagram:https://www.instagram.com/sasukeharaguchi/?hl=ja
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCYVOyO4eHSkdLMJvBIU89IA
サイン入りチェキプレゼント
SASUKEのサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。
応募方法
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<締切:6月19日(日)>