Hi Cheers!、4人のハーモニーが豊かに描く物語 フラチナリズム、ゴホウビ迎えた幸福感たっぷりの夜

 バンドで並んだときの佇まいはどこか凸凹な感じだけれど、それぞれのボーカルに個性があって、音楽の中でハマったときはパワーが倍増する。MCでは、今日はいち観客となって2バンドのステージを楽しんだことや、泊まったところがお化けホテルだったという大阪公演の土産話を4人でわちゃわちゃと聞かせてくれたかと思うと、続くブロックでは「未来」からじっくりと曲を聴かせていく。月川からChie、高村から上野へとメロディを繋いで、バンドが生み出していくだろう物語をここに豊かに描いていく。そこからさらに月川とChieのボーカルがドラマティックな「monologue」に続く。前半のブロックのボリューム感のあるアンサンブルに対して、ここでは音数も抑えた演奏や歌になったが、心を優しくノックするような感覚もまたいい。そこから等身大の今を映した「青いまま」でキラキラとまばゆいエネルギーを迸らせると、フロアの手拍子が大きくなる。

 5月8日に会場限定EP『サヨナラ、ツナギ』をリリースし、昨年から着用してきた揃いのツナギも実はこの日のライブが見納め。寂しい気持ちはありつつも、11月にはHi Cheers!として2度目となるワンマンライブ『Hi Cheers!のONE MAN SHOW 集まろうぜ渋Yeah!!』の開催が決定しているとのことで、会場に張り出されたポスターでカラフルな新衣装もお披露目された。この先への期待を滲ませて最後に演奏したのは、ポップでちょっぴりアイロニックなパーティチューン「ABCがワカラナイ」、そして4人の音楽への純粋な思いを詰め込んだシンガロングアンセム「Music Goes Round」をプレイ。会場の一人ひとりにプレゼントを手渡すように、幸福感たっぷりのハーモニーを響かせた。

 出演バンドそれぞれの色があって、どんなライブになるのか? というラインナップだったが、終わってみればずっと笑顔が溢れていたなと思える対バンライブ『素敵なバンドをお招きしまShow!!』となった。

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