藤井隆と及川光博、多方面で活躍するエイジレスな魅力 再評価される両者の共通点とは?
1990年代からずっと変わらず、キラキラとした輝きを放っている藤井隆と及川光博。2022年に入ってからも、さまざまな話題でファンを楽しませている両者。ともに50代だが勢いは増すばかりで、良い意味で円熟の域ではなく、いつまで経ってもフレッシュである。そしてなにより、世代問わず愛され続けている。そこで今回は、彼らの人気の背景を探ってみたい。
クレイジーさとクリーンな面をあわせ持つ藤井隆
藤井、及川に共通している魅力は「多面性」である。場面、場所、そして視聴者などのターゲット層に合わせてどんなキャラクターにも変化できるし、いろんな表情を見せることもできる。そこが強みではないだろうか。
藤井の出自は、お笑い芸人である。吉本新喜劇の一員として舞台に上がるようになり、1990年代中盤にブレイク。「体の一部がホット!ホット!」と下半身から火を吹かせるような仕草のギャグで注目を浴びた。2021年4月21日放送『あちこちオードリー』(テレビ東京系)に出演した際、MCのオードリー・若林正恭は藤井に対して「ヤバい人が現れたと思った」と当時の驚きを口にしていた。現在では、司会をつとめるバラエティ番組『発展!仰天!!プレミアもん!!!土曜はダメよ!』(読売テレビ)で、そういったクレイジーな一面を見ることができる。
一方で近年の藤井は、クリーンなイメージも定着している。特に好感を呼んでいるのが、妻・乙葉との仲睦まじさ。レギュラー出演したテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(2016年)の最終回には、乙葉が実生活同様に劇中の藤井の妻役で出演。そのほかCMでも共演し、デュエットなども披露。温かい家庭の様子を感じさせるところが、タレントとして良い印象につながっている。
ダウンタウンもあ然、ミッチーワールド
及川光博は俳優、ミュージシャンとして1990年代よりキャリアをスタートさせている。ブレイクスルーとなったのは音楽バラエティ番組『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)への出演だろう。
宝塚歌劇を彷彿とさせる衣装をまとい、「やぁ、僕、ミッチー!」と挨拶するその姿に、司会のダウンタウンもあ然。1997年12月15日放送回では、登場するやいなやバラに口づけをして客席へ投げ、さらに投げキッスで声援に応えた。浜田雅功に「T.M.Revolutionと仲が良いの?」と尋ねられると、及川は「彼が『愛の天使』と言い張るなら、僕は『愛の堕天使』です」とキザに言い、松本人志から「僕は日本語を喋れるけど、君とは喋りたくない」と呆れられるほど、ミッチーワールド全開で視聴者を楽しませた。
ファンのことを「ベイベー」と呼ぶなど、今風に言えば「クセがすごい」である。しかしチョケている様子は一切ない。涼しい表情とあの流し目で淡々とそういったことを口にし、実にミステリアスであった。あと、どんなことがあっても王子様キャラを崩さなかった。徹底して及川光博像を作り上げていたのだ。