乃木坂46、5期生にも影響与えるグループのブランド力 現役&卒業メンバーが築いてきた信頼とオリジナリティ
乃木坂46の5期生が熱狂的な盛り上がりを見せている。
新メンバー11人のうち、8人のお披露目動画が2月2日よりYouTubeチャンネル『乃木坂配信中』で公開され、連日にわたって“#乃木坂5期生”のハッシュタグがSNSにてトレンド入り。100万回再生超えの動画も多くある状態だ。「この世界の、未完成は美しい。」ーーそんなキャッチフレーズのもと募集された新メンバーオーディションには、日本のグループアイドルオーディション史上最多となる8万7852人の応募が集まり、7987倍という驚きの倍率となった。今月23日にはデビュー10周年を記念して行われる『乃木坂46時間TV』内で『5期生お見立て会』が開催。3月以降には学業の都合により未公開となっている残る3名の新メンバーの発表も控えており、この5期生ブームはさらに加熱していくことだろう。その先の5月には、グループ史上最大のキャパシティを誇る日産スタジアムでの2DAYSライブが予定されており、乃木坂46は10周年にして一つの絶頂を迎えていると言える。
5期生についてはお披露目動画に続き、手書きのプロフィールとドキュメンタリー映像が公開になっているが、まだまだその多くがベールに包まれている状態である。本当の意味で彼女たちの素顔が見られるのは『お見立て会』、果ては乃木坂46において登竜門となっている『プリンシパル』シリーズだろうか。かつて4期生は初めて与えられた期別曲「4番目の光」で〈エンブレムに相応しい未来 汚さぬように頑張るしかない〉と歌っているが、特に3期生・4期生が初めてのお披露目の機会で日本武道館、5期生が幕張メッセ 幕張イベントホールのステージを踏めるということは、先輩らが築いてきた信頼という礎のもとで成り立っている。
2期生の場合、1期生とグループの黎明期をともに走り抜いてきた戦友というニュアンスが強くあるが、3期生からはそのほとんどのメンバーが先輩に憧れて加入してきたという点で、2期生と3期生との間には明確な違いがある。3期生オーディションがスタートしたのは、2016年夏。グループとして前年の2015年に「君の名は希望」で念願だった『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への初出場を果たし、そのままの勢いで(当時としては)怒涛とも言えるスケジュールを送っていた。初のドキュメンタリー映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』の公開、MV集『ALL MV COLLECTION〜あの時の彼女たち〜』のリリースなど、3期生募集へとつながるこの2015年が、一つの大きな節目だったと振り返ることができる。グループが持つ物語性とクリエイティブをパッケージングしながら、この年に乃木坂46が歩みを進めていたのがモデル業だった。2016年1月に公開された今野義雄氏のインタビューは当時の空気感を思い出す貴重な資料である(※1)。
「(齋藤)飛鳥は雑誌『CUTiE』『SWEET』のモデルや、ANNA SUIの2015年秋冬のアジア圏ビジュアルモデルにもなりました」「それはもう、びっくりしましたよ。『いいんですか!?』っていうのが僕の第一声でした(笑)」
「ファッション誌の中でも革命的な存在になった『LARME』さんのイメージリーダーとして白石(麻衣)が起用されて、反響もすごく良かった。専属モデルになった『Ray』でも、当時最年少で入って並み居る先輩たちがいる中で時間をかけてトップに近くなってきた。白石の功績は大きいです」
後に白石麻衣の2nd写真集『パスポート』が大ヒットし、女性人気が顕在化するのは2017年2月以降だが、そこに至るまでの補助線を白石だけでなく、齋藤飛鳥や西野七瀬といったメンバーが引いていたのが2015年から2016年にかけてである。白石がいなければ今の自分はないと多くの場面で語ってきた3期生の梅澤美波は、その影響をダイレクトに受けた申し子と言えよう。