イタリアのアーティスト Mahmood、ブレイクの背景 彼が掲げる“モロッコポップス”とは?

参照:https://charts.spotify.com/charts/view/regional-global-weekly/latest

 Spotifyの「トップ50(グローバル)」は、世界的に最もストリーミング再生された曲をランク付けしたチャート。本連載では、同チャートを1週間分集計した数値のデータを元に、グローバルな音楽シーンの潮流をお届けする。第20回となる今回は、2022年2月4日~2022年2月10日集計のチャートを見つつ、今注目すべきイタリアのアーティスト、Mahmood(マムード)を紹介したい。

イタリアの歌手、マムードとブランコの「Brividi」が9位に浮上

 今週はチャートに大きな変動はなく、1位から8位までが先週と同じ順位となった。リリースから1年半以上が経っているGlass Animalsの「Heat Waves」が再び1位を獲得。2位には17歳のシンガーソングライター ゲイルの「abcdefu」、そしてロングヒット中のザ・キッド・ラロイの「STAY」が3位をキープした。最も大きな変動となったのは、先週から95ポイントアップし、9位にランクインしたマムードとBLANCO(ブランコ)の「Brividi」。2人ともイタリアのアーティストであるが、今世界中のリスナーに注目されている。

GAYLE – abcdefu (Official Music Video)
Mahmood, BLANCO – Brividi (Sanremo 2022)

マムード、Måneskinと共通するサクセスストーリー

 イタリアで活動するシンガーソングライター、マムード。本名のMahmoudと、英語の「My Mood」をかけたアーティスト名である。彼は自身の音楽を「モロッコポップス」と形容しており、「他のアーティストと違うところは、中東のサウンドが所々で出現することだ」と語っている(※1)。

 マムードのサクセスストーリーは、同じくイタリア出身のバンド、Måneskinと共通点が多い。マムードは、Måneskinが2017年に出演したイタリア版『Xファクター』に2012年に出演しており、2019年には楽曲「Soldi」で、イタリア中が熱狂する『サンレモ音楽祭』にて優勝している(※2)。同年、テルアビブで行われた『ユーロビジョン・ソング・コンテスト2019』でも準優勝を果たしている(※3)。同コンテストは、「最長寿年度テレビ音楽コンペティション」として2015年にギネス世界記録に認定されており、数億人の視聴者がいるという見積もりもある(※4)。

Måneskin – I WANNA BE YOUR SLAVE (Official Video)
Mahmood – Soldi (Prod. Dardust & Charlie Charles)

 2019年にリリースしたデビューアルバム『Gioventù Bruciata』は、イタリア音楽産業協会のチャートで1位を獲得(※5)。デビューアルバムで1位を獲得し、2021年には2ndアルバム『Ghettolimpo』をリリースした後も、彼は止まることなく、2022年にも『サンレモ音楽祭』にて再度優勝。さらに2022年の3月には楽曲「Brividi」で『ユーロビジョン・ソング・コンテスト2022』にも再度出場予定となっている(※6)。

『Gioventù Bruciata』

 イタリアの19歳シンガー、ブランコとのコラボである「Brividi」。「Brividi」は日本語で「震え」という意味で、自分がどのように表現するべきかわからず、恋人との関係が悪化してしまうという内容となっている。「Brividi」はイタリアのSpotifyで、1日で最も再生された楽曲となり、今週のグローバルチャートでも9位に浮上している(※7)。すでに世界中に響いている同曲は、3月に開催される『ユーロビジョン・ソング・コンテスト2022』でさらに話題になるだろう。

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