愛美×水瀬いのり 特別対談 声優と音楽の仕事、仲良し二人組がお互いの共通点を語り合う

水瀬いのりと愛美が選ぶ、『現国』第一部の好きなシーン

ーーあははは。末路ではないですよ。夢を見すぎずに、現実を知ることは時には辛い行為でもありますが、それは作品とも通ずるテーマですよね。改めて、『現実主義勇者の王国再建記』第一部を振り返っていただけますか。

水瀬:ソーマ(・カズヤ)という少年がエルフリーデン王国の暫定国王になって。他国とのコミュニケーション以前に、自国が抱えている悩みや問題を解消して、国民を豊かにできるかというところに奮闘した第一部だったと思います。内側で起こっていることにスポットを当てて、苦しんでいる人を救うような場面があった中で私が演じたリーシア(・エルフリーデン)自身も、自分の国で起こっていることに気づかされ、学ばされました。第二部では、リーシア自らが行動を起こして、変化をするような展開が待っていると思うので、これからまたどんどん成長していく彼らを見られるのはすごく楽しみです。

愛美:私が演じるカルラ(・バルガス)は第一部ではソーマから見たら敵というか、戦う側だったんですね。後半で戦いに負けて、隷属の首輪をつけられたのに、ソーマと一緒に行動することが多くなり、一対一で話す機会もありました。第二部では、ソーマとの距離もなぜかもうちょっと近くなるという。リーシアと親友ということもあり、カルラ的にもかなりの変化が訪れるので、早く皆さんに見て欲しいですね。

ーーよかったです。二人の親友らしいシーンを見る前に、カルラが反逆罪で処刑されてしまうのではないかと心配していたので。

愛美:第二部では裁かれる身としてのカルラの覚悟も描かれているし、カルラの色んな面を見られます。

水瀬:カルラの女の子としての等身大の可愛さに結構、キュンとくると思います。第二部でかなりの好感度が上がるんじゃないかな。私たち二人の距離もグッと縮まるし、一緒に掛け合いをする機会もあったので、そこは楽しみに待っていて欲しいですね。

ーー普段も仲の良いお二人が劇中でも親友役をやることはどう感じてますか。

水瀬:嬉しいですね。しかも、なかなか体験できない親友ポジション。お互いの属性や身分とは関係なく心で繋がっていて、すごくいい関係性だなと思います。

愛美:うんうん、争いの中にも現代と変わらない友情とか、人を思う気持ちがあって。当たり前にどの時代にもあるんだなって考えさせられましたね。

水瀬:みんな精神年齢が高い人たちばかりだし、物語の展開は深刻でシリアスですが、その中でもちゃんと、この子達の幼少期が描かれていて。育ってきた環境がわかるシーンもあるので、それぞれのキャラクターにより親しみが湧く気がしましたね。

ーー第一部での好きなシーンを教えてください。

水瀬:私はリーシアが髪を切るシーンが印象的ですね。長く伸ばした髪の毛を自ら断髪する。彼女が女の子であるからこそ、すごく大きな選択であり、覚悟を表したシーンだなと思って。あんなに綺麗に伸ばした髪をショートにして、自分の決意を知らしめるというのは、同性としてもカッコいいと思いました。

愛美:私はカルラが空を飛んでソーマと戦う父のもとに向かう時かな。勇ましくて、カッコいいカルラが見せられたなと思っていて。軍隊を率いて先導する姿勢はすごくカッコよかったし、尊敬しました。あと、ソーマと対峙して、ソーマが自分でも気づいていなかった本音に気づいて吐露するんですけど、ソーマがカルラにさらけ出してくれたのは、嬉しかったです。

ーーお互いに声優としてはどう見えてますか。

愛美:アフレコどうだった?

水瀬:リーシアは勇ましい女性かと思いきや、本来は普通の女の子で、ソーマと出会って恋心に気づいて。恋心だけじゃなく尊敬や憧れ、目標であるソーマと出会ったからこそ、第二部では、女性らしさや、女の子としての恥じらいみたいなところも彼女の魅力になってくると思うんですね。だから、第二部を見た上で、もう一度、第一部の第1話に戻ってもらうと、だいぶ変化を感じるキャラクターになっているんじゃないかなと思います。

愛美:確かに、頑張ってる時のリーシアと、素のリーシアが出た時のギャップにすごく掴まれるよね。

ーーやきもち焼いたりしますもんね。

水瀬:そうですね。意外と表情がコロコロ変わる子だから、演じていて面白かったです。

愛美:ずっと可愛かった。勇ましいのに可愛いってすごいなって思ったし、いのりんが演じるリーシア、大好きです。

ーー愛美さん演じるカルラはどうでしたか。

水瀬:間違いなく私では演じられないキャラクターですし、すごくカッコよかったです。カルラはすごく難しい役どころだと思うんですよね。敵対するキャラクターとして登場するけど、憎しみや憎悪みたいな、変えられない敵意をもっているわけではなくて。悪役ではないキャラクターだから、彼女の中にあるピュアな気持ちがしっかり残っていないといけない。嫌われ者になりすぎない敵意みたいなものが、あいみんの声で表現されているように感じました。ボーイッシュの中にある、もしかしたら弱い子なのかもっていう紙一重さが、お芝居にも出ていて、魅力的だったなと思います。第二部ではさらにカルラのいろいろな面が見えてくるので、ぜひ皆さんにも見ていただきたいですね。

愛美:カルラは悪役というわけではないんですよね。信念に基づいて、お父様(カストール・バルガス)を信じて行動している。それに、敵なんだけど、それはリーシアのことを思ってのことでもあって。自分が信じるものがあるから、真っ直ぐに突き進んじゃう子だった。そこが伝わればいいなと思って演じていたので、いのりんが今、言ってくれて嬉しかったです。

水瀬:伝わっています!

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