IVE、“ガルプラ”発Kep1er、JYP新グループ Xdinary Heroes……K-POPシーンで存在感示すメンバー人数は“3の倍数”?
ここで言及したいのが、EVERGLOW、STAYC、IVEといった今年活躍したガールズグループだ。まずは、上記に挙げた中で最もキャリアの長いEVERGLOWのパフォーマンスだが、実は後列と前列のセンターが重なるフォーメーションがかなり多い。ガールクラッシュコンセプトで人気があるEVERGLOWだが、積極的なバックダンサーの起用や個人の表現力にフォーカスしたパフォーマンスなどで、その魅力を強固にしているのも特徴的だろう。そんなEVERGLOWの最新曲「Pirate」では、終盤でのメンバー全員横並びのパフォーマンスが印象的だ。同楽曲ではそれまで6人を平等に見られるフォーメーションがないからこそ、最後に集合した6人の迫力に圧倒されるのだ。
新人グループのIVEは、デビュー曲「ELEVEN」での序盤の全員でのシンクロダンスやサビ前のラップなど“見せ場”がある印象が強い。前者は6人でしか実現し得ないピラミット型であるが、後者は音楽番組などでカメラに抜かれるキラーパートだ。その他の場面では、EVERGLOWと同様、センターと重なる状態も少なくない。IVEのパフォーマンスは、緩急がはっきりした飽きさせないパフォーマンスだと言えるだろう。
“中堅事務所からの下克上”として周知されているSTAYCは、必要に迫られた時にしかセンターと重なるポジションを作ることがなかった。「ASAP」のサビでは印象的なダンスに加え、3対3のフォーメーションでセンター不在の中、半分のメンバーが後ろを向いて踊るといったミラーのようなパフォーマンスによる斬新さで目を引くきっかけにもなった。
6人組のグループは、5人組のフォーメーションをベースに、6人だからこそできるパフォーマンスを随所に入れることで、その唯一無二さを生かしているように見える。このような6人でのパフォーマンスは、大人数グループによる群舞のパフォーマンスに劣らないほど、“フォーメーションで魅せる“ことも可能なのだ。
K-POPグループ志望者が多い中でのメンバーの少人数化は、個人のレベルがさらに高くなることを予感させる。2022年はJYPエンターテインメントやHYBEなどの大手事務所からも新人グループがデビュー予定だ。メンバーの人数やサウンドなど、流行次第では2020年代のK-POPは数年前とはガラリと変わるかもしれない。