菅野よう子らによる『カウボーイビバップ』の音楽は何が優れていた? 実写版配信を機に考察

音楽面こだわったアニメ作品の源流に

 前述した通り、「Tank!」を始めとする楽曲群は主にSEATBELTSによる生演奏で録音されている。すでに打ち込み文化が全盛だった90年代後半において、トッププレイヤーを招いて生演奏を録音するというのは、時間も手間もお金もかかる贅沢な手法だったはず。その点も、この作品にかける制作陣の“本気度”が垣間見えるポイントだ。今となっては音楽にこだわったアニメ作品も珍しくはなくなったが、もしかしたらそれも『カウボーイビバップ』あってこそのものなのかもしれない。

 実写版の配信が始まったばかりのタイミングで言うことではないかもしれないが、オリジナルのアニメ版を未視聴の人はオープニング映像だけでもぜひ一度鑑賞してみてほしい。2021年現在の感覚で観たとしても十分新鮮に映るだろうし、きっと「Tank!」の強烈なイントロだけで耳と心をすっかり奪われてしまうはずだ。

 ちなみに、アニメのサウンドトラックアルバムは昨年7月にサブスク解禁されており気軽に楽しむことができる。気になった人はぜひチェックを。

SEATBELTS『 COWBOY BEBOP SOUNDTRACK 1』

関連記事