ZARD 坂井泉水出演、t.A.T.u.ドタキャン、2000年元旦SP……『Mステ』神回を振り返る

 大物海外アーティストの出演も『Mステ』ならではだ。2001年に出演したAerosmithは、「I Don’t Want to Miss a Thing」をスティーブン・タイラーが学ランを着てパフォーマンス。雑誌で共演した木村拓哉との和菓子トークを繰り広げる気さくな姿を見せたり、2006年に出演したU2は、タモリに23年ぶりに日本のテレビに出演することについて聞かれ、ボノは「This Country is Rock!」とにこやかに答えた。その後東京タワーをバックに、「Vertigo」と世界初披露の「Window In The Skies」をテレビ朝日の屋上で熱唱、パフォーマンスを終え、深くお辞儀する紳士な姿が印象的だった。今や『Mステ』常連のレディー・ガガは、2013年11月29日の4度目の出演の際、まぶたに目玉を描いたアニメ風メイクと、この日出演していたきゃりーぱみゅぱみゅ風の衣装で登場。日米ファッションリーダーの競演は強烈なインパクトをお茶の間に与えた。

 ほかにも日本のテレビ初出演となったRed Hot Chili Peppers、ももいろクローバーZとコラボしたKISS、Oasis、マライア・キャリー、スティービー・ワンダー、アヴリル・ラヴィーン、Underworld、Linkin Park、Coldplay、ジャスティン・ビーバー、ビリー・アイリッシュなど数多くの世界的アーティストが出演する中で、『Mステ』史上最大の事件として語り草となっているのが、2003年6月27日のt.A.T.u.のドタキャンだ。

 当時、世界中で大ヒットを記録していた女性音楽ユニットt.A.T.u.が、番組途中に姿を消し、40分過ぎになっても登場せず、タモリは「t.A.T.u.が出たくねぇと」と報告。そのピンチを救ったのが、この日が初出演のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTだった。最後まで登場しなかったt.A.T.u.に代わり急遽2曲目となる「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」を披露。ライブバンドだからこそできる対応力で、ハプニングにより生まれた一体感も相まってか、出演者たちは大盛り上がり。テレビ番組に出演するのは珍しかったこともあり、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTの存在感を世間に知らしめる伝説の一夜となった。

 ほかにも、2018年末に休養していた欅坂46の平手友梨奈が半年ぶりに復帰し、新曲「黒い羊」をテレビ初披露。その圧倒的なパフォーマンスが大きな話題となるなど、アーティストにとっても特別な場所となった『Mステ』。出演者の数だけ、視聴者の思い出の数だけ、数多くの伝説を残してきたが、これからの放送ではどんな伝説が生まれるのだろうか。
期待して見守りたい。

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