アンジュルム リーダー竹内朱莉から見た新メンバーの特徴は? 川名凜、松本わかな、為永幸音の加入で生まれる新たな化学反応
昨年11月、アンジュルムに3人の新メンバーが加わった。新メンバーオーディション「アンジュルム ONLY ONEオーディション~私を創るのは私~」で約4000人の応募者から選ばれた川名凜と松本わかな、さらにハロプロ研修生からの昇格という形で為永幸音が加入。現在は10人組グループとして活動中だ。
その後、今年6月に笠原桃奈がグループ卒業を表明し、翌7月にはアンジュルムの新メンバー募集も含む「ハロー!プロジェクト 新メンバーオーディション2021」の開催がアナウンスされた。このオーディションは8月19日まで応募を受け付けているが、初代リーダー・和田彩花の卒業以来、激動が続いているアンジュルムにおいて、新メンバー3人はどんな役割を担っていくのだろうか。
リアルサウンドでは、川名、為永、松本の“三色団子”トリオに加え、リーダーの竹内朱莉を交えた計4人にインタビューを行ない、新メンバー3人の魅力や特徴について、じっくりと話を聞いた。(ナカニシキュウ)
不安要素は全然ありませんでした
ーー竹内さんから見て、新メンバー3人はどんな人たちですか?
竹内朱莉(以下、竹内):なりんちゃん(川名)はすごく不思議な子で、いい意味で感性がズレている感じです(笑)。どんな発言が飛んでくるか予想がつかないので、話せば話すほど魅力が増してくる子ですね。
川名凜(以下、川名):ズレている自覚はあります(笑)。ブログでも、私は思ったことを普通に書いているだけなのに、ファンの方からコメントでツッコまれたりするので。ただ、そんなに大きく人とズレているわけでもないとは思うんですけど……。
為永幸音(以下、為永):なりんちゃんって、ゆで卵を自分の頭で割って食べたりするんですよ。普通、机で割るじゃないですか。なのに、机があっても……。
松本わかな(以下、松本):頭でカーンって。
竹内:(笑)。でも、すごいがんばり屋さんで。一般オーディションで入ってきたので、最初は覚えることも多くて本当に大変だったはずなのに、難しい曲も含めてしっかり覚えてくる。春の『ハロコン』(ハロー!プロジェクトの全メンバーを4チームに分割して行われた『Hello! Project 2021 春「花鳥風月」』)では同じチームで回ったんですけど、先輩メンバーの足を引っ張るような感じはまったくなかったんです。必死に食らいついて、目に見えて成長していく姿には感動しましたね。
川名:本当に最初は慣れないことばかりで大変だったんですけど、先輩方に囲まれてのライブを重ねていくなかで、学ぶものがたくさんあって。今、すごく変われているんじゃないかなって思います。
竹内:そして、しおんちゃん(為永)は“ポンコツ”(笑)。しゃべればしゃべるほどバグが発生する感じで、今までのアンジュルムにはいなかったタイプですね。ラジオとかでもトークが急におかしな方向へ突っ走り始めたり、「何を言ってるんだ、この子は?」みたいなことがよくあります。
為永:今まであまり人から「ポンコツ」とは言われてこなかったんですけど、アンジュルムに入って急にそう言われるようになって。でも、思えば人と話していて変な空気にしちゃうようなことは小さい頃からよくあったので、「自分は“ポンコツ”なんだな」と自覚しました(笑)。
竹内:逆に、パフォーマンスに関しては最初から完成度が高かったです。研修生時代から目を引く存在ではあったんですけど、アンジュルムに入って先輩メンバーに混じっても、全然引けを取らない。新メンバーの段階でこんなにできる子は初めて見ました。
為永:いやいやいや! ただ、表現することはすごく好きなんですけど、自分では「ちょっとやりすぎかな?」と思うこともあったんです。そんなときに竹内さんが「もっと自分を貫いていいんだよ」と言ってくださったので、「やりすぎるくらいでちょうどいいんだ」と思って今はがんばっています。
松本:ためちゃん(為永)は初めて会ったときから「表現力が本当にすごいなあ」と思って見ていて、今もそれは変わらないです。でも、最近はさっき言ってたような“ポンコツ”の部分が出てくるようになって(笑)。同期の3人でしゃべるときもツッコミを入れ合いながら楽しくやれていますね。
川名:だいたいツッコミ役はわかなちゃんですけどね(笑)。
竹内:そのわかなちゃんは、加入当初からずっと「しっかりした子だな」という印象がありました。ただ最近は楽屋でも誰よりも笑っていて、「やっぱり年相応の女の子なんだ」という面を見せるようになってきたので、ちょっとホッとしています。
松本:先輩方と年が離れているので、最初はなかなかはっちゃけたりもできなかったんです。でも最近は、とくに橋迫(鈴)さんと話す機会が増えたことで、ちょっとずつほかの先輩たちともお話ができるようになってきました。
竹内:わかなちゃんは最初から歌がすごく注目されていて、パフォーマンスに関しては3人とも不安要素が全然ありませんでした。まだまだ成長していくと思うので、今後が楽しみだなと思える3人ですね。
3人がアンジュルムに対して抱いていたイメージは?
ーー加入前の3人がアンジュルムに対してどんなイメージを持っていたかも聞きたいんですが、松本さんは幼稚園の頃からずっとアンジュルムの大ファンだったそうですね。当時は改名前のスマイレージ時代だと思いますが。
松本:はい、そうです。
ーー当時のスマイレージと現在のアンジュルムは楽曲のテイストも含めて雰囲気が違うと思いますが、どういうところに惹かれたんですか?
松本:カッコいい曲もかわいい曲も歌っていて、曲によって「本当に同じ人なのかな?」というくらい表現が違うのがすごいなって。あと、普段の姿とパフォーマンスしているときで雰囲気が全然違って、そのギャップにも惹かれていました。グループ名が変わったり、曲の感じが変わっていったことも含めて、スマイレージ時代からずっと好きでしたね。
ーーなるほど。川名さんはどういうイメージを持ってオーディションを受けたんでしょうか。
川名:アンジュルムのイメージ的には「にぎやかな人たちだけど、パフォーマンスはカッコいい」みたいな、メリハリのあるグループという印象を持っていました。メンバー間の風通しがよさそうなイメージもあって、それが表にもすごく表れているところが魅力的だなと思っていましたね。
ーー為永さんは研修生として比較的近いところでアンジュルムを見ていたと思うんですけど、ほかのグループと比べてどんな特徴のあるグループだと感じていました?
為永:アンジュルムの特徴は、なんと言っても仲のよさだと思います。もちろんほかのグループも仲はいいんですけど、『ハロコン』などでいろんなグループの先輩方とご一緒すると、皆さん1人ひとりでステージを見ていたりすることが多いんです。でもアンジュルムは円になって話してていたりするので、「仲がいいなあ」と思って見てましたね。あとパフォーマンスに関しては、なりんちゃんと同じようにギャップがカッコいいなと思ってました。
ーー3人とも共通して“振り幅の広さ”に魅力を感じていたんですね。実際に入ってみて、イメージと違った部分は何かありましたか?
松本:ほぼイメージ通りで、私がファンとして見ていたアンジュルムがそのまま目の前にいるような感覚ですかね。「実際はこんなだったんだ!」と感じることはとくになかった気がします。
川名:私もそうですね。しいて言うなら、楽屋での仲のよさが想像以上だったのと(笑)、パフォーマンスについて話し合っているところを間近で見たときに「そんなに深いところまで話してるんだ?」という驚きがありました。
為永:研修生としてハロー!プロジェクトのグループを見ていた感覚で言うと、もっと上下関係が厳しいのかなと感じていたんですけど、アンジュルムはそれがあまりないというか。先輩・後輩関係なく仲がいいので、そういう面ではイメージとちょっと違いましたね。
竹内:一応上下関係はあるんですけど、たとえば差し入れとかお弁当を取る順番なんかは自由ですね。今までの先輩方が「食べたいものは人それぞれなんだから、加入順とか関係ないでしょ」みたいな人ばかりだったので(笑)、その文化は今も引き継がれています。
ーーなるほど。そして3人が加入して9カ月ほど経ちましたけど、竹内さんから見て戦力としての評価は現状どんな感じでしょうか。
竹内:単独ライブができていないので、まだ3人が入ったアンジュルムの“完全体”を見られてないんですよ。加入後すぐに日本武道館でふなちゃん(船木結)の卒コンがありましたけど、そのときは3人と一緒の曲をほとんどやっていなくて。『ハロコン』でそれぞれのパフォーマンスを見る機会はあっても、アンジュルムの一員としての3人を見る機会がまだほとんどないから……。
ーーとはいえ、今年6月に加入後初のシングル『はっきりしようぜ/泳げないMermaid/愛されルート A or B?』が出ましたよね。そのリリース前後は、アンジュルムとして全員で動くこともけっこうあったのでは?
竹内:それが意外とそうでもなくて。アンジュルムとして稼働したのは振り入れとミュージックビデオ撮影くらいで、リリースイベントとかもなかったですし。ちょうどいろんなスケジュールが重なってハードな時期だったこともあって、あんまりそのときの記憶がないんですよ(笑)。
ーーそうなんですね(笑)。じゃあ本当に評価をするには単独ライブが決まらないことには始まらないと。
竹内:そうですね。ただ、『ハロコン』を見る限りでは3人ともすごくのびのびやっているなと感じますし、どんどん成長していると思います。そこでしか得られないものもあるので、それをアンジュルムに持ち帰ったときには間違いなくいいものが作れるだろうなという確信はありますね。その上で、一番成長できる場というのはやっぱり単独ライブだと思うので、そこでどんな3人の姿が見られるのか、今から本当に楽しみです。