米津玄師、宮本浩次、BTS、三代目JSB……6月16日リリースより新譜4作をレビュー

　グループの成熟期といえる、2017年以降の約4年半における日本での音楽活動を集約。BTSのベストアルバム『BTS, THE BEST』は、“自分たちの音楽を守りたい”という想いの下に集った気骨ある若者たちが、国境を超えて認知され、世界から愛されるトップスターとして輝かしい歩みを進めていった軌跡を辿る一枚に。新曲として、back numberとの共作曲「Film out」や、代表曲「FAKE LOVE」「Boy With Luv」など、多くの楽曲が日本語歌唱されているラインナップを見るに、彼らがこれほど成功を収めた今でも、日本のファンに言語の壁を超えて想いを届けたいと願っていることが伝わってくる。まさに、日本のARMYとの絆と歴史の物語を収めた一枚だ。（一条）

 

　今年でデビュー10周年を迎える三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEの新曲「100 SEASONS」は、とにかく肩の力が抜けた一曲だ。特に、今市隆二と登坂広臣によるボーカルは、ファルセットまではテンションを上げ切らないところで、スムースな響きを最後まで意識しており、清涼な風が吹き抜けるように届いてくる。“こんな日々がいつまでも続けばいいのに”と、何気ない毎日のなかで願うような楽曲だ。また、ELLY/CrazyBoyプロデュースのR&Bナンバー「TONIGHT」では、2人の歌声は氷が溶けるような湿度の高いセクシーさを発揮。ELLYの程よく情熱的なラップとのコントラストからも、この10年間の経験がもたらした大人な余裕を感じる。（一条）

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

■一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも選ばれしシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter（@kota_ichijo）