乃木坂46 与田祐希が持つ色気と無垢さの二面性 “妹キャラ”から後輩メンバーに憧れられる存在へ

 一方、「ざぶんざざぶん」のMVで映し出されているのが、筒井の手を取るお姉さんとしての与田の姿だ。4期生が乃木坂46に加入して約2年半。その間、3期生も先輩メンバーとして一人ひとりが飛躍を遂げてきた。与田はシングル表題曲で「インフルエンサー」のダブルセンターを山下美月とともに継承し、昨年はグループを離れ映画『ぐらんぶる』でキュートな一面を見せながらメンチを切ったりする“クーデレ”美少女を熱演。さらに2nd写真集『無口な時間』は累計発行部数20万部を突破するなど個人としての活躍も目覚ましい。

乃木坂46『ざぶんざざぶん』

 その『無口な時間』のおまけBook『おしゃべりな時間』のインタビューで語っているのが、「柴田柚菜ちゃんや掛橋沙耶香ちゃんに『憧れています』と言ってもらえるようになって、嬉しくなると同時に、先輩としての自覚が芽生えてきたような気がします。しっかりと先輩感を出せているかはわからないですが、自分が先輩からしてもらって嬉しかったことを後輩に伝えていきたいです」という思い。『B.L.T.2021年4月号』においても、清宮レイから「与田さんって、かっこいいですね!」と言われたと明かしており、4期生からの尊敬度がうかがえる。

乃木坂46 27th 与田祐希 個人PV「ヨダユキ」予告編

 『おしゃべりな時間』にも思い出の写真として載っているが、与田といえば憧れの先輩である西野七瀬にくっつく姿が印象深い。そこから西野や白石麻衣といった先輩の卒業を経験し、自分がそのポジションを担う存在になった。そして先月5月5日には21歳に。年齢的にも徐々にお姉さんメンバーの仲間入りを果たしてきている。

 『ごめんねFingers crossed』に収録される与田の個人PV「ヨダユキ」は、そんな大人と子供の狭間を行き来するような作品だ。艶っぽい歌声からは色気のある雰囲気を、合間の朗らかな笑顔からはいまだ幼い与田の一面が垣間見える。そんな二面性が自然に同居しているのが、今の与田の魅力と言えるだろう。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

関連記事