和田彩花、“次世代担う存在”としての発信力 同じ立場でまなざす力がポイントに
SDGsやフェムテックなど社会問題を話題にするドラマバラエティ『ついていけない子さんを愛でる』(テレビ東京)に出演した際、和田は「ライフワークとしてジェンダーなどを勉強していて、社会問題を積極的に発信している」とはっきり明言した。日本において社会問題についてメディアで発信することは、想像するだけで勇気のいること。それでも彼女は「気がついた者」として、私たちに投げかける。それは、「根本的な問題の解決には“対話”が必要だと思う」(Quick Japan連載「未来を始める」)という、彼女の根幹にある考えから生まれたものだろう。怒りがおさまらなかったり考えが揺らいだりしながらも、彼女はフェアな視点を大切にする。自分がおかしいと思うことに対してはっきり意見を伝えるが、誰かを排除しようとはしない。そこには、一番大事な「多様性」があるように思うのだ。論調をひとつにまとめて正解を見出すことよりも、問題をテーブルの真ん中に置いて、意見を交わすこと。そこから、考えたり悩んだり、緩やかに変化しながら暮らしていくことが、彼女が願う「カラフルな世界」への一歩なのだと思う。彼女ひとりに背負わせることのないように、その問題提起を挟んであらゆる立場から言葉を交わしたい。
■羽佐田瑶子
ライター。映画会社、訪日外国人向け媒体などを経て、現在はフリーのライター、編集。関心事はガールズカルチャー全般。主な執筆媒体はQuick Japan、She is、テレビブロス、CINRA.NETなど。Twitter:https://mobile.twitter.com/yoko_hasada