シングル「Kirakira」インタビュー

藤原さくら、生活の充実がもたらしたポジティブなモード 「未来を待ち遠しく感じられる自分でありたい」

自分で自分を大切にしてあげること

ーー〈明日 過去は変えとくから 悲しいままでいいのさ 痛み味わっちゃうくらいの余裕〉というラインは、今の生活が充実しているさくらさんだからこそ書けたのかなと思いました。

藤原:嬉しいです。生きていれば悲しいことも勿論あるけど、未来が楽しく待ち遠しいものになれば、辛かった過去も「これだけ楽しく生きられるようになるまでの、必要な経験だったのだな」と思えることもあるじゃないですか。失敗を、「かえって勉強になったな」と思うこともあるように、いつかプラスに変えられる日が絶対にくると思っていて。そういう感情が、太陽の光を浴びることによって芽生えるようになったんですよね(笑)。

ーー太陽の光、本当に大事ですね(笑)。

藤原:コロナ禍で「前が見えない感じ」とか、いろいろなことが途中で止まってしまって「これからどうなるんだろう」という不安な気持ちは私も去年感じていたし、誰もが多かれ少なかれ、同じような気持ちだったと思う。でも、そこで苦しい思いをしたからこそ、それまで思いもよらなかった場所へたどり着くことだってあるわけだし、それはもう本当に捉え方次第だなって。そう考えた方が、生きていて楽しいじゃないですか。

ーー過去そのものは変えられなくても、その捉え方は「今の自分」が自由に決められるわけですからね。

藤原:本当にそう思います。今回、中野サンプラザホールで新曲をやろうということになって、それなら今自分が思っているこの感情を、みんなに曲で伝えられたら一番いいなと思ったんです。それが歌詞を書く時のモチベーションでもありましたね。

ーーさくらさんの「楽しい」は、何か特別な出来事やモノではなくて、何気ない日常の中にあるものなのですね。

藤原:そうなんですよ! 太陽の光を浴びただけでも、こんなに幸せな気持ちになれるわけですから(笑)。きっとそれも、家からずっと出られない日々が続いたからこそ、そこにある「楽しさ」に気づけた部分も大きいのかもしれないです。そういう意味では環境を変えるってすごく大事なのかも。人によっては転職や卒業など、環境の変化にはいろいろな形があるけど、今まで「これがないと生きていけない」と思い込んでいたものが、手放してみるとそうでもなかったりするじゃないですか。自分というものがまっすぐあれば、違う場所でもまた同じ志を持った人、協力したいと思ってくれる人に出会えるはずなんですよね。

ーー〈一番大事にされてたいわ 誰でもなく自分に〉も素敵なフレーズです。

藤原:最近、本当にそう思うんですよ。「誰かに大事にされたい」「誰かにこうしてほしいみたい」みたいに、他者からの行為を期待するだけの考え方はナンセンスだって(笑)。それよりも自分で自分を大切にしてあげていれば、人にも優しくなれるし、それが巡りめぐって自分にも返ってくると思うんです。

 今までは、自分で自分に鞭を打つような生き方をしてきたし、他人に対しても「なんでこれ、やってくれないんだろう」なんて思ったこともありました。けど、「それは違うな」と。そこに気づけたのは、やっぱり一人でいる時間が長かったからだと思うんですよね。しかも『SUPERMARKET』を作りながら、自分の内面としっかり向き合えたのもとても大切な時間だったのだなと改めて感じます。

ーーそうやって自分と向き合う作業をしたからこそ、太陽の大切さに気づけるようになったのかもしれないですよね。

藤原:あ、そうかもしれない。そうだと思います、本当に。あとやっぱり、ライブが出来なかったことが自分は本当に辛かったみたいです。今までで一番、リハーサルに入るのが楽しみなんですよね。コロナ前はリハーサルの先には必ず本番があって、そういう意味では当たり前のようにこなしていたところはあったんですけど、コロナ禍になって、いくらリハーサルをやっても本番が無事にできるとは限らない。本当に焦らしに焦らされている感じで(笑)。そうなってくると、もうリハーサルそのものが楽しみで仕方なくなりました(笑)。

 これからもっと、普通に音楽を楽しめるようになったらいいなと心から思うし、未来を待ち遠しく感じられる自分でありたい。アルバムでは暗い曲をたくさん書いたので(笑)、今はハッピーでいたいですね。

ーー東京、大阪、福岡での公演まであと少しです。見どころを聞かせてもらえますか?

藤原:今までで一番練習している公演だと思います(笑)。ライブっていつもツアーがあって、最初に「久しぶり」みたいな感じでアルバムの曲たちと再会して、少しずつ仲良しになって最終公演で「完成した!」みたいな流れがあったんですよ。今回は3公演しかないけど、もうだいぶ曲たちとは顔馴染みになっているので。

ーーだいぶ仕上がった演奏を聴かせてくれそうですね。『SUPERMARKET』の曲たち、そして今回の新曲がどんな形で披露されるのか楽しみです。

藤原:今回、楽器を持たずに歌う曲もあるんですよね。『SUPERMARKET』というアルバム自体、自分が楽器を持つということにそんなにこだわらずに作ったので。でも、ハンドマイクでどんなふうに動いて歌ったらいいのか分からない……どうしよう、ステージをねり歩いたりしたらいいのかな(笑)。

■リリース情報
「Kirakira」
2021年4月9日配信リリース
配信はこちら

■『Sakura Fujiwara Live 2021 "SUPERMARKET"』
4月9日(金)東京・中野サンプラザ
<追加公演>
Sakura Fujiwara Live 2021 “SUPERMARKET” at Fukuoka
4月18日(日)福岡・Zepp Fukuoka

Sakura Fujiwara Live 2021 “SUPERMARKET” at Osaka
4月19日(月)大阪・なんばHatch

オフィシャルサイト

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