泣き虫、初ワンマンライブにも表れた“対”になるものが共存するスタンス

 本編が「ネモネア。」で優しく幕を閉じると、まもなくオーディエンスの手拍子に応えて泣き虫が再登場。「1人でアコギを弾いていたのが泣き虫のはじまり」と話すと、弾き語りで「寝れない電話のうた。」を歌い上げた。

 叙情的な泣き虫の歌声は、柔らかく響かせることもできれば毒を十分に帯びて吐き出すこともできる。ライブの構成に則って披露されることで、表現の幅が強調されていた。

 そうしてライブはクライマックスへ。泣き虫は再びステージに姿を表したバンドメンバーとともに「なあ?」を披露。ラストを飾ったのは一番愛されている楽曲こと「大迷惑星。」。〈大嫌い〉と〈大好き〉といった、対になるものが共存するスタンスは、本人が姿を表しながらも匿名性を保つ今回のライブのあり方や、優しさが溢れるものにも攻撃的にもなる泣き虫の歌声にも通じている。アウトロが終わらないうちに泣き虫はステージから立ち去り、1時間半弱のライブは余韻を残しながら幕を閉じた。

■村上麗奈
2000年生まれ。2019年、音楽系専門学校在学中に執筆活動を開始。卒業後、フリーランスとして活動を本格化する。
Twitter:@r_dorfer_

■セットリスト
泣き虫One-Man LIVE『rendez-vous』
4月2日(金)Shibuya WWW

1.君以外害。
2.くしゃくしゃ。
3.ケロケ論リー。
4.アルコール。
5.9
6.リスカ。
7.夢遊。
8.Shake It Now.
9.アイデンティティ。
10.からくりドール。
11.心配性。
12.カエル。
13.ネモネア。

En
14.「寝れない電話のうた。」(弾き語り)
15.なあ?
16.大迷惑星。

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