『まめジャー!』インタビュー
豆柴の大群、全メンバー個別インタビュー 初の全国ツアー&新アルバム『まめジャー!』を経た課題と成長を語る
ナオ・オブ・ナオ「体力がないことが一番の課題だった」
ーーまずは昭和女子大学でのワンマンライブから振り返っていきたいです。
ナオ・オブ・ナオ(以下、ナオ):たくさんの豆粒に会うことができて、嬉しかったです。本当は5月にやる予定だったのが、延期になって中止になって、10月にやることが出来たので、まずは開催できたことがすごく嬉しくて、私たちを待っていてくれた豆粒のみんなへの感謝の気持ちでいっぱいでした。
ーーステージに出て、豆粒の顔が見れた時は。
ナオ:初っ端から泣きそうになっちゃって。WACK(所属事務所)のツアー(『WACK TOUR 2020 "WACK FUCKiN’PARTY"』)を回らせていただいたことはあったんですけど、豆柴の大群のファンだけではないですし、リリイベで会うことはあっても、あんなにたくさんの豆粒と会うことはなかったので、すごく感動しました。
ーー1部の1曲目の「りスタート」で豆粒の顔を見て涙ぐむみなさんの表情が印象的でした。
ナオ:ヤバかったですね。堪えながら頑張りました。
ーー1部と2部では、セットリストの構成もガラッと変わっていましたよね。
ナオ:今まであんなに大量の曲をやったことがなかったので、一つのセットリストを覚えるだけでも大変だったんですけど、いろんな方に観ていただけるライブだったので、楽しんでもらおうって気持ちで頑張りました。
ーー1部と2部では、心の持ちようも違いましたか?
ナオ:1部は緊張感の方が大きかったかもしれないですね。やっていくうちに段々と楽しい気持ちになっていって。1部と2部は来てくれている方が全員一緒ではないので、2回とも新鮮な気持ちで挑めました。違うセトリだったので異なるライブとして楽しく出来たかなと思います。
ーー『まめジャー!』を手に取った方に向けて、ナオさんがワンマンライブの映像でここを観て欲しいというポイントはありますか?
ナオ:セットが豪華で、レーザーとかの演出もすごいので、視覚的にも楽しめるライブになってるんじゃないかなと。ワンマンライブで前回のアルバム(『スタート』)曲の振付も分かるので、注目して見てほしいです。
ーーワンマンライブの後、ツアーに向けてスタッフの方と話し合いも行われていたんですか?
ナオ:良かったところと、これから磨いていけばいいところのアドバイスをいただいて、体力がないことが一番の課題だったかなと思います。ワンマンはアドレナリンでなんとか出来ていた部分もあって、練習を通しでやると私も貧血で倒れることもあったので、「体力的にこれから頑張っていきましょう」っていう話をした後に、ツアーの発表をして。しかも『実力をしっかりとつけるツアー』だったので、本当にそのまま私たちの課題がここで試されるんだなと思いました。
ーーツアーは1日3公演ですもんね。
ナオ:最初、絶対に出来ないと思って(笑)。体力もヤバイかもなと思いながら、公演を重ねていくうちに少しずつ成長はできているんじゃないかなと思いました。
ーー初日の札幌公演は残念ながら延期になり、大阪が最初の公演となりました。3公演をやってみていかがでしたか?
ナオ:激しすぎない、ちゃんと波があるセトリで、体力的には大丈夫だったんですけど、パフォーマンス面で、新曲の振付の練習期間が短かったのもあってダンスが揃わなかったり、歌声の部分でも音を外しちゃったりで、課題がどんどん見えてきて。次に披露する時はここは気をつけようとか、公演を重ねる中で自分なりに修正点を見つけることができたかなと思います。
ーー全国を巡って感じたことは?
ナオ:初めての豆柴単独のツアーで、全国の豆粒に会えるっていうのは嬉しかったですし、セトリも全部違うので、面白いなって思いました。この状況でも複数の地方の公演を観に来てくれる方もいて、すごく嬉しかったです。
ーー初めてのツアーで、ナオさんが実力をつけられた部分は?
ナオ:一番は体力だと思います。あとは対応力が試されているなと思いました。ツアーでは各地にアルバムから披露していく新曲があって、振付を作る期間が本当に短くって。ギリギリの状態で前日に出来上がるっていうこともあり、大変だったなって思いましたけど。今まではそういうのも出来なかったんじゃないかなと思うので、間に合わせる力が付いたのかなとは思います。
ーーアルバム『まめジャー!』についても聞かせてください。これは失礼を承知で聞きますが、ナオさんの作詞の曲が……。
ナオ:ないんですよね。これは私の実力不足だと思います。今回もアルバム曲は全員が作詞をして、提出をして良かったものが選ばれるっていうシステムなので、私の作詞力が乏しかったんだなと思います。
ーー「MOTiON」は「豆柴の大群」として5人で作詞を担当した楽曲ですよね。
ナオ:この曲もほかの曲と一緒で、それぞれ一人ひとりが歌詞を考えて提出して、スタッフさんが5人それぞれの歌詞から採用してミックスしてくれたんです。初めて「MOTiON」をいただいた時に、作詞が「豆柴の大群」になっていて、「どういうことだろう」と思ったらメンバーそれぞれの歌詞が入っていて。その中に自分が書いた歌詞も入っていたので嬉しかったです。
ーーナオさんが書いた部分は?
ナオ:1番のBメロの〈馬鹿にされても負けない いつだって 死ぬ気で生きていたいでしょ?〉と〈舐められたくないの 誰にだって 死ぬ気で生き抜いてやるんだ〉というところです。
ーー強いフレーズですね。
ナオ:ロック調だったので、自分の豆柴の大群としての意気込みを書いたんですけど。
ーーそれでは最初に曲があったんですか?
ナオ:そうです。松隈(ケンタ)さんが作ってくださった曲に仮歌が入っていて、そのメロディのまま歌詞を考える。テーマは決めずに、みんな個人で思ったことをバラバラに書いたんですけど、一つの歌詞になっていてすごいなと思いました。
ーー「馬鹿にされても負けない」とか「舐められたくない」っていうのは感じていることですか?
ナオ:そうですね。結成当初は、私たちに対するネガティブなコメントも多くて、「今はできないかもしれないけど、実力をつけて見返していきたいね」って話もしていたので、それを歌詞に込めました。
ーー曲調はデジタルハードコアで、ライブではレーザーが飛ぶ、ライブ映えする曲ですよね。
ナオ:このアルバムの中で、「MOTiON」が一番好きで、振付も私一人だけで作らせてほしいとお願いして、自分だけで作りました。
ーーほかのアルバム曲についても聞かせてください。「I need you」は初のラップ曲です。
ナオ:びっくりしました。初めてのラップだったので、レコーディングの時もどうやって歌い出していいか分からなくって。メンバーで一番最初にレコーディングしたんですよ。何も分からないまま挑んで、「ここはどうやって歌ったらいいんですか?」って松隈さんに聞きながら。この歌詞もみんなが挑戦していて、結果、渡辺(淳之介。WACK代表。クレジットは作詞家としての名義である「JxSxK」)さんが書いているんですけど、作詞のテーマはGReeeeNの「キセキ」でした。
ーーデジタルハードコアに、ラップと『まめジャー!』は様々な曲調の楽曲が収録されたアルバムになりましたが、ナオさんにとってはどのようなアルバムですか?
ナオ:今までは渡辺さんの作詞の曲が多かったんですけど、今回はメンバーの作詞曲が多く入っていて。作詞したメンバーにしか出せない色が出ている、メンバーの個性が強く出たアルバムなんじゃないかなと思います。
ーー結成から1年が経ってコロナ禍に見舞われながらも、メジャーデビュー、全国ツアーができているという豆柴の現状をナオさんはどう捉えていますか?
ナオ:再び緊急事態宣言があって、やるせない気持ちがあって。札幌公演も延期になってしまって出来ていない状況で。リスクがあるのにも関わらず、会いに来てくれる豆粒のみんなには感謝の気持ちでいっぱいだし、来てくれたからには私たちのパフォーマンスで元気になってもらいたいなっていう気持ちが強くあります。これから先もどうなるか分からないですけど、もしライブが出来るのだとしたら、来てくださったみなさんにはちゃんとパフォーマンスで返していけたらいいなって思います。
ーーこれから先、ライブでやってみたいことはありますか?
ナオ:今は難しいかもしれないですけど、お客さんと一緒に楽しめるものが出来たらいいなと思います。お客さんを巻き込んで。
ーーステージに上げてとか。
ナオ:そうですね。BiSHさんも昔やっていたので。
ーー最後に余談ですが、前回のインタビューに引き続きラーメントークを。DAISOの企画でラーメンを食べていましたよね。
ナオ:同行してくださったスタッフさんが「ここ美味しいらしいよ」って言ってくれて、一緒に行きました。私は大阪、奈良、三重の関西3府県の担当で、奈良にある「麺屋 K」というお店に行ったんです。数量限定の「鶏×魚ラーメン」を食べたんですよ。魚介の出汁がすごく美味しくて、しかもBGMが私の好きなバンドしか流れてなくって! 東京にあったら絶対に通ってるなって思いました。
ーー最近、ナオさんの中でヒットしたラーメンは?
ナオ:人形町にある「火の豚」。ラーメン二郎と蒙古タンメンで修行した人が店主で、二郎系のラーメンに麻婆餡がかかってる。こないだミユキと一緒に行って。めっちゃ美味しくて、アブラ別皿で頼んで。
ミユキ:火の豚~!
ナオ:美味しかったよね。
ーーあれからラーメンの取材は来ていないんですか?
ナオ:最近! ラーメンのお仕事を少しずつなんですけどさせてもらえるようになって。こうやって言ってると見つけてくれるんだなって。最高でした。これからもラーメンのお仕事お待ちしています!
ーーやってみたい企画はありますか?
ナオ:食べ歩き。札幌みたいにラーメンが有名じゃない都道府県もあるじゃないですか。主要じゃないいろんな地方のラーメンを食べに行って、良さを広めたいですね。