『Since 2010〜』インタビュー
CANDY GO!GO!が語る、『Since 2010~』の新たな挑戦と“次なる10年”への想い「達成感に満足するんじゃなくその先に行きたい」
「日本一ロックな女性アーティストになろうと思ってる」
ーーそして「Love is self‐restraint」は宇野さんの曲で、作詞もご自身で担当されています。
宇野:そうなんですよ。初めていただいたリード曲で、作詞を自分でするか、ほかの人に頼むかどうするって言われて、日本語が苦手なので頼もうと思ってたんですけど、メンバー全員に「やりなよ!」って。
なぎさ:大ブーイング。
宇野:期限も1週間ないくらいだったので、もうやるしかないなと思って、初めて作詞しました。タイトルが先に決められていて、日本語訳すると「恋は自粛」とか「制限」っていう意味合いで、想いを伝えられない女の子と「制限」を掛けて、片想いしてる曲にしました。
ーーサビの〈restraint Unn〉は、もどかしい感情を表しているかのようですね。
宇野:そこ……実は「restraint」の発音が分からないまま作詞をしたんです。レコーディングの時に「実際これなんて発音するの?」って言われて、「リステリン」みたいなノリで言ってたら、それは意味が変わってくると(笑)。何かを足さないといけなくなって、「Yeah」だとハッピー過ぎるし、「Unn」を入れることに急遽決まりました......裏話です(笑)。
なぎさ:そこはもどかしいって思ってくれ。
宇野:もどかしいってことにしておきます(笑)。
ーー深読みし過ぎました(笑)。リードボーカルとしては初めての楽曲で。
宇野:「これからは宇野がリードね」という曲をいただいたことはあったんですけど、新曲でリードというのは初めてで、素直に嬉しいです。一人で歌う難しさを実感しますし、踊りながら感情を込めるのが難しいです。
ーーりんさんから見て、この楽曲は?
なぎさ:まず、「Love is self‐restraint」も「Deep Surrender」も、私じゃ絶対に歌えない曲なので、2人のよさが出てていいなと思います。宇野ちゃんはメンバー内でも可愛くて、ハッピーな子なんです。宇野みずきの見せたい姿が表現できる曲がやっとできて嬉しかったです。
ーーラストはりんさんが作詞を担当している「ひあそび」です。
なぎさ:私と夏井が2人で歌っています。
夏井:Bメロだけ夏井が。
なぎさ:この曲は大苦戦しまして。仮歌とバンドレコーディングが終わった時の曲調が全く違うものになっていて、歌詞を書き直しました。社長に歌詞を投げたら「重すぎる」と言われ、でも私が書きたいのは昼ドラのような重い曲だったんですよ。葛藤の中で、少しでもポップにするために、タイトルを「火遊び」からひらがなにしたんです。
ーー夏井さんはこの歌詞をどう受け取ったんですか?
夏井:歌詞を見て、仮歌を聴いても、本当に何にも分からなくって(笑)。りんさんに意味を全部説明してもらっても、それに対する感情が分からなかったんです。
磯野:人生経験がないんですよ。
夏井:ドロドロの感じが分からなくて、昼ドラをめちゃくちゃ観てレコーディングに臨んだんですけど、「声が全部お花畑」と言われて、結局分かってなかった……。
なぎさ:レコーディングが予定よりもオーバーして、録り直しに。
夏井:びっくりするくらい、りんさんがスタジオにこもって。4時間くらい。
なぎさ:レコーディングエンジニアさんも想いが強いから、「新しいなぎさりんの姿が見たい」と言ってくれて。私の中では無機質な感じでイメージをがっちり固めちゃってたので、分かんなくなって喧嘩になって……。その後、夏井が押した時間で録ったんですけど、夏井は夏井でお花畑だし、2人して帰りながら「分かんないよ」って言ってました。
夏井:「もう分かんないです……」って。
なぎさ:結局、自分たちがやりたいように、目指してたようにやりなさいと言われて、満足いく形にはなりました。
ーーそうやって切磋琢磨したことによって、2人の距離も縮まったんじゃないですか?
なぎさ:んんん……。
夏井:それ、絶対縮まってないじゃないですか!
なぎさ:夏井とのコミュニケーションは増えました。
夏井:距離は縮まってないってことですよね!
ーー(笑)。この12月で結成10周年のアニバーサリーイヤーは一旦幕を閉じるわけですが、この2020年は皆さんにとってどんな1年でしたか?
菜月:「挑戦」とか「進化」が合うかなと、私の中では思ってます。止まらずに進んできたという部分で。
なぎさ:私は改めて、CANDY GO!GO!でよかったなって思える1年でした。つらい時期があっても、音楽を伝え続けてきた。一番にお客さんのことを思えるいいグループだったので、本当にCANDY GO!GO!でよかったなと思いました。
永瀬:『STAY HOME GIGS』では、お客さんが本当にCANDYのライブを観たいんだというのが伝わって嬉しかったですね。全国のCANDYを求めてくれる人との絆が確認できました。
ーーまだ、延期になっているリキッドルームでのワンマンライブもありますもんね。
なぎさ:今までワンマンライブを開催してきたライブハウスを辿っていくツアーだったんですけど、閉店しちゃった場所も2カ所あるので。ほかにも新潟にワンマンをしに行く予定だったり、できなかった場所は来年以降しっかりやっていく予定です。
ーー来年からはCANDYにとって次の10年が始まります。こういった情勢ですが、未来に向けたビジョンを聞かせてください。
菜月:10周年で達成じゃなく、ここから11年、12年、13年に向けて、諦めずにやっていくことが大事になるのかなって。キリがいい数字ってどうしても達成感に満ち溢れちゃったりすると思うんですよ。そこで満足するんじゃなく、その先に行けたらなと思います。
杉本:まだまだ自分の中で「こう表現できるはず」という課題があるので、それを一つひとつ改善してCANDYの力になりたいなと思っています。
なぎさ:小慣れ感をCANDYは出さないように、常に初心でいたくて。10周年でやっとスタートラインに立って、また1年目の気持ちでやれたらいいなと思っています。フレッシュな気持ちで。
ーーりんさんは前回「55周年までやる」と言っていましたが。
なぎさ:絶対口だけだと思われてるんですけど、日本一ロックな女性アーティストになろうと思ってるので。55周年の時は74歳なんですよ。杖をついてでもやります!
ーー年代は違いますけど、それこそSHOW-YAのような。
なぎさ:カッコいいですよね。一度、テレビ収録でお会いしたことがあるんですけど、ああいった歳の重ね方をしたいなと思います。
【オリジナル動画】「この10年で大人になったこと!」
■リリース情報
CANDY GO!GO!『Since 2010〜』
TYPE A:¥1,091(税抜)
1.Since 2010〜
2.Love is self-restraint
3.Deep Surrender
TYPE B:¥1,091(税抜)
1.Since 2010〜
2.Love is self-restraint
3.ひあそび