『僕らの夢』インタビュー

ANFiNYが語る、2人で歌うからこそ表現できる“温かさ” 路上ライブの日々から、メジャーデビュー作『僕らの夢』に至るまで

 これまで500本以上の路上ライブを行い、2019年5月のワンマンライブでは約700名を動員。そして、11月25日についにメジャーデビューという夢を掴んだ2人組男性ボーカルユニット・ANFiNY。甘いボイスを持つSHOYAと、表情豊かな声のKAZUKIが織りなす歌は、爽やかで前向きな曲調にぴったりだ。さらに、歌だけでなく正反対の個性も彼らの魅力。待望のメジャーデビューを前に、彼らは今どんな心境なのか。ANFiNYの過去、現在、未来、そして歌やファンに対する思いまでたっぷり語ってもらった。(高橋梓)

二人の出会いからANFiNY結成、お互いの印象まで

SHOYA

ーーリアルサウンドにご登場いただくのは初めてですので、簡単に自己紹介をお願いします。

SHOYA:かれこれ6年くらい髪の毛が明るい、金髪担当のSHOYAです。健康オタクで、カロリーや塩分なんかの成分表まで見ながら食べ物を買っています。「これを食べたらどうなるかな」って考えながら生きているので、数年後に期待してください!

KAZUKI:反対に暗い髪色が多いKAZUKIです。最近は『鬼滅の刃』にハマっていて、映画も3回見ました。3回とも号泣です。あとは料理が好きで、時間がある時にはオーブンを使った料理やお菓子を作ったりしています。

ーー個性豊かな自己紹介ありがとうございます。お二人が歌を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

SHOYA:僕は母親がもともと音楽業界で働いていたこともあって、高校卒業のタイミングでオーディションを受けることを勧められました。それがたまたま最終審査まで進むことができて、練習生のような感じで契約することになって上京。実は歌が特別やりたくて始めたわけではなくて、やりたいことが他になかったので成り行きで……(笑)。三重県で生まれ育ったので、東京に対する憧れが人並み以上にあったんですよ。「東京に行けるならアリかな、ラッキー」と思って上京してきました。

ーーそれまでは音楽をやってはいなかったんですか?

SHOYA:歌うことは嫌いではなかったですね。友達に誘われて、コピーバンドのボーカルとして文化祭で歌ったこともあります。でも、音楽活動は1回もしたことがなかったです。

ーーでは、オーディションで練習生になってから歌を本格的に始められた、と。

SHOYA:そうですね。でも、それも半年で辞めちゃったんです。その後活動もあまりしていなくて。歌がうまくなりたいという気持ちはあったのでボイストレーニングには通っていましたが、ライブもしていないですし、SNSもやっていませんでした。たまにあるオーディションを受けに行くくらいで、基本的にアルバイト生活。何もしていなかったです。本当に東京に対する憧れだけだったので、上京しただけで満足していた部分はありました。休日も練習するわけでもなく、東京タワーに観光しに行ったりとか(笑)。

KAZUKI:東京を満喫しに来たんだ(笑)。僕のきっかけは部活の先輩です。小さいころからテレビでアーティストを見て「カッコいいな」とは思っていたんですが、ただの憧れで目指そうとは思っていなくて。というのも、大学も推薦で入学するくらい、野球にのめり込んでいたんです。でも、歌は好きでした。母がフィリピン人なので洋楽にも触れていたし、EXILEさんの曲を聴いてカラオケで歌ったり。大学2年生のころに大きなオーディションがあったんですが、部活の先輩が「もう応募したけん」って勝手に応募していたんです。それだったらもう大学も野球も辞めて、歌に集中しようって思って。

KAZUKI

ーー思い切りがいいですね。

KAZUKI:父に相談したら、「まだオーディションも受かってないのに、大学辞めるのは待ってくれ」って言われて(笑)。「でも野球は辞めてもいいよ」と言ってもらえたので、野球だけ辞めてオーディションに臨みました。結果、特待生のような形で受かって、結局大学も辞めてスクールに通うことにしたんです。でも、SHOYAと同じく半年で辞めてしまって(笑)。それからは1人で路上ライブをしていました。

ーーお二人の出会いはどこだったのでしょう?

SHOYA:まず、グループを作りたいっていうプロデューサーに僕がたまたまスカウトされたんです。「一緒にやってみたい人いないの?」って言われて、最初にSNSで発見したのがKAZUKIでした。

KAZUKI:その時の僕への声のかけ方がひどいんですよ。TwitterのDMで連絡をしてきたんですが、何の説明も自己紹介もなしに、「靴脱いだときの身長何cmですか?」だけ(笑)。

SHOYA:僕、説明とか省くタイプなんで……。

KAZUKI:早く結果教えろ、みたいな。

SHOYA:KAZUKIは身長175cmなんですが、動画で見たらとんでもなくデカそうに見えて。僕が173cmなのでデコボコ感が嫌だなと思って、まず身長から質問しました。

KAZUKI:でも、SHOYAのDMはスルーしました。だっておかしいでしょ! 自己紹介もなしにそんなこと聞いてくるやつ、信用できない(笑)。

SHOYA:しかも、僕は音楽活動をしていたわけじゃないので、SNSに自己紹介も活動内容も書いていなかったんですよ。毎日読売ジャイアンツのことしか書いていませんでした。

KAZUKI:返信するわけねえ(笑)。

SHOYA:流石にやりすぎたなって実感したので、プロデューサーにお願いして代わりに連絡してもらいました。

KAZUKI:ちゃんとした文面がきましたよ。それで、次の日くらいには東京に向かったんですよね。

ーーそこで対面したわけですね。お互いの歌を聴いたときはどんな印象だったのでしょう?

SHOYA:KAZUKIの歌は今はパワフル系ですが、昔は甘々系。自分とは違う色を持った人がいるなと感じました。

KAZUKI:僕とは違う低音ボイス系の甘さがある声質だったので、これは合うだろうな、と。見た目も違いますし、面白いなと感じました。

ーーその時と比べて今はさらに成長していると思うのですが、今のお互いの歌の魅力をお聞きしたいです。

SHOYA:KAZUKIは歌に対して器用なので、何でもサラッとできちゃいます。振り幅というか、引き出しはすごく多いですね。それと、こだわりも強いです。ここまでこだわりがある人は、あまりいないんじゃないでしょうか。

ーー最近SHOYAさんが感じたKAZUKIさんのこだわりといえば?

SHOYA:レコーディングです。僕は1〜2回歌ったら終わりなんですよ。ディレクターから「どうですか?」って聞かれるんですが、考えすぎるとダメなので「そっちが大丈夫なら大丈夫です」って言うんですよ。それで「いいと思うよ」って言われたらブース出ちゃうんですけど、KAZUKIは永遠ブースにいます。何回も戻って聴いて、歌い直してって何パターンもやっています。技がいっぱいあるから、全部試して聴いた上で選ぶのでこだわりがすごいですね。こういうタイプは納得することがないんです。

KAZUKI:どこかで落としどろこを見つけないと、ずっと終わらない。

SHOYA:歌って点数があるわけじゃないので、永遠に探求するタイプなんでしょうね。誰しも自分が好きなことに対するこだわりってあると思うんですが、KAZUKIはそれがたまたま歌で、仕事だった。だからより一層こだわりが出てるんです。

ーーお二人のバランスと対比が面白いです。KAZUKIさんから見たSHOYAさんの歌はどうですか?

KAZUKI:僕とは逆で、ストレートに歌うなって思います。引き出しが増えると何をしたらいいか迷ってわからなくなっちゃうタイプ。だから1〜2テイクですんなり歌うんですが、それが魅力的です。

SHOYA:確かに、あんまり情報を入れないですね。自分を大きく見せないようにしているというか。背伸びしない歌。……僕自身、自分で歌が上手だと思っていないんです。KAZUKIのおこぼれをいただいてANFiNYとして歌が上手いと言ってもらって、ラッキーなことにプロになれただけ。だからこそ背伸びしないように歌おうって心がけています。僕みたいなタイプが「自分は歌が上手い」と思ってテクニックに走ると、気持ち悪い歌になるんですよ。

KAZUKI:そこだけ浮いちゃったりね。

SHOYA:身についていないテクニックは、見せつける用になっちゃう。見せつけるんじゃなくて、自分に合った歌を歌うのがプロとアマチュアの差かなって思っています。