宮野真守、梶原岳人、小野友樹、白井悠介……カバー動画を通して楽しむ、男性声優らの多彩なエンターテインメント
白井悠介によるトレンドとスキルを掛け合わせた必見動画
『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』の飴村乱数役も務める白井悠介は、TERIYAKI BOYZの「TOKYO DRIFT」をビートジャックした動画「しらいむTOKYO 声優 DRIFT FREESTYLE」を発表。リリックはもちろん、監督・演出・スタイリスト・出演もすべて自らが担当し、自身のパーソナルな部分も織り交ぜたユニークな作品に仕上げた。もちろんフロウのクオリティも高く、キャラクターを演じることで身につけたスキルを別の舞台で活かすという、表現者としてのプラスの循環も感じられた。
カバーにも滲む“宮野真守流エンターテインメント”
初ドーム公演の中止などを受けて、6月末から動画配信プログラム「Road to LIVING!」をスタートさせた宮野真守。そのうち#16・17の2回では、ひとりカラオケを敢行している。そのなかで、モノマネ混じりの和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」やコンテンポラリーダンスを織り交ぜた米津玄師「Lemon」などでは“遊び”を加えてはいるが、前者では圧倒的なパワフルさ、後者ではスピンを交えたとは思えない歌声のブレのなさと高い歌唱力がパフォーマンスに説得力を与えていることがわかる。上質さと楽しさがギュッと詰まった、宮野らしいエンターテインメントの片鱗を感じられる動画になっている。
今回ご紹介した4人以外にも、カバー動画をアップしている声優は男女問わず数多く存在。また来月には『VOICE~声優たちが歌う松田聖子ソング~』といったカバーアルバムが、男性編・女性編の計2作発売される予定。これからも往年の名曲が、声優ならではの豊かな声の表現をもって彩られていくことに、大いに期待したい。
■須永兼次(すなが・けんじ)
アニメソング・声優アーティスト関係を中心に活動するフリーライター。大学の卒論でアニソンの歌詞をテーマにするほど、昔からのアニソン好き。現在は『リスアニ!』『月刊ニュータイプ』や『TV Bros.』等に寄稿。