声優 畠中祐、最新シングルで見せた類い希なる表現力&歌唱スキル マルチな才能生かした、さらなる飛躍への期待

声優、歌、ダンスーーマルチな才能にも注目

 一方、本業である声優での注目度も高い。これまでに『甲鉄城のカバネリ』(フジテレビ系)の生駒、『バジリスク 〜桜花忍法帖〜』(TOKYO MXほか)の甲賀八郎、『うしおととら』(TOKYO MXほか)の蒼月潮といった主人公を演じているほか、『僕のヒーローアカデミア』(読売テレビ・日本テレビ系)では上鳴電気、『星合の空 -ほしあいのそら-』(TBS、SBSほか)の新城柊真、さらに実写吹き替えでも『ナルニア国物語』の次男 エドマンド・ペベンシーなど、数多くの作品でメインどころを演じている。

 現在放送中の特撮ドラマ『ウルトラマンZ』(テレビ東京系)では、ウルトラマンZの声を担当。幼少時代は『ウルトラマンティガ』にハマり、ウルトラマンは憧れだったという。そんな彼が演じるウルトラマンZは実に現代的で、ウルトラマンZに変身する主人公のハルキとの会話は、時に漫才のようなかけ合いもあるなど、どこか憎めないユーモラスさを感じさせる。実際の畠中も、おしゃべりと食べることが大好きな明るい性格で、ウルトラマンZのキャラクターとも通じる部分があるようだ。

 畠中は『ウルトラマンZ』の後期エンディングテーマ「Promise for the future」(11月25日リリース)も歌っている。エレキギターが鳴り響く熱いロックチューンの同曲は、畠中がこれまで歌ってきたダンスチューンとも「DYING WISH」とも一線を画す、ストレートな楽曲で、ヒーロー然とした強さと熱さは聴き応えがある。聴く者を鼓舞するような高揚感と共に、歌詞のメッセージが真っすぐ飛び込んでくる。おそらくそれは、畠中の癖のない耳馴染みの良い声質と、しっかりと地に足付いたパワフルなボーカルによるものだろう。

 声優、演技、歌、ダンス、作詞とマルチに才能を発揮し人気を集めている畠中祐。ウルトラマンZの師匠であるウルトラマンゼロの声を担当する宮野真守のような、世代やジャンルを越えたオールジャンルでの活躍が期待されている。

■榑林史章
「山椒は小粒でピリリと辛い」がモットー。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP’s、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLS他、広告媒体等。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

関連記事