『何人(なんびと)も』インタビュー

ラストアイドル 阿部菜々実&西村歩乃果&池松愛理&篠原望『何人(なんびと)も』インタビュー 殺陣と下克上で越えた“新たな壁”

 ラストアイドルが11月4日に9thシングル『何人(なんびと)も』をリリースする。

 前作『愛を知る』から約7カ月ぶりに届けられるニューシングルは、パフォーマンスに殺陣を取り入れた楽曲に仕上がった。MVでは選抜メンバー21人が殺陣と剣舞による激しいパフォーマンスで敵を相手に舞い踊る。燃え盛る炎をバックにした、センター阿部菜々実の一騎打ちは監督を務めた東市篤憲も認めるクライマックスの一つ。振付は「青春トレイン」から3作連続となるakaneが務め、フォーメーションダンスなどこれまで培ってきた経験が活かされている。

 冠番組『ラスアイ、よろしく!』(テレビ朝日)では、アクション監督の田渕景也による指導のもと、彼女たちが殺陣に挑戦するひたむきな姿が映し出された。中でも話題になったのは、「愛を知る」の選抜メンバーと非選抜メンバーが今回の選抜ポジションを争う下克上バトル。選抜3名、非選抜3名の息を呑む殺陣は、田渕が異例の全員合格を下すほどに圧倒的なパフォーマンスであり、ラストアイドルがまた新たな壁を越えた瞬間だった。

 今回、リアルサウンドでは「何人(なんびと)も」のセンターを飾り、田渕からの審査でA判定を受けた阿部菜々実、同じく阿部とともに中心メンバーを務める西村歩乃果、さらに下克上バトルに参加した池松愛理と篠原望の4名にインタビュー。それぞれ異なる立場から、「何人(なんびと)も」での挑戦の日々を振り返る。また、今年10月で番組MC担当から1年を迎える霜降り明星との関係性、年末に記念コンサートの開催も発表されたデビュー3周年を前にした思いを聞いた。(渡辺彰浩)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】

『ラスアイ、よろしく!』リモート家庭訪問を振り返って

ーー「何人(なんびと)も」の話題に入る前に、『ラスアイ、よろしく!』(テレビ朝日)で放送していたリモート家庭訪問についても聞かせてください。阿部さんは妹2人と一緒に前作の「愛を知る」を踊っていましたよね。

阿部菜々実(以下、阿部):踊りました。妹たちもラストアイドルが好きで、歌ったりよくしているので、番組に出られてすごく嬉しそうでした。

ーーライブにも来たことはあるんですか?

阿部:あります。1周年とか2周年の節目の時は家族で来ます。

ーー阿部さんの両親はアイドル好きということで、妹2人がアイドルになる可能性も?

阿部:いやぁ……ないかな。私が小さい頃からアイドルをやっているので、妹たちには違う道に進んで欲しいなと思っています。最近はあんまり会えていないので分かんないですけど、一番下の子はアイドルになりたいって言ってるので、妹たちがやりたいって言ったらって感じです。

ーー西村さんはお姉さんが強烈なキャラで霜降り明星の2人にもハマっていました。

西村歩乃果:うちのお姉ちゃんは対象的に違くて。私、丸顔でキュッとしてるタイプなんですけど、お姉ちゃんが縦長なので。粗品さんとせいやさんって言われます。

ーー性格は似ている?

西村:似てるかもしれないですね。適当な感じが。姉が意固地で、羽振りが悪くて。私がいつもおごってます。

ーー池松さんはプロモーションビデオグランプリの企画で、マツダのロードスターに乗っていました。

池松愛理:あれに関してはたくさんの文句があります!(笑)

ーー文句?

池松:8時間くらい回したんですけど、使われたのが3分くらいで(笑)。

ーー自宅でのルーティーンの映像をほとんど収録できていなかった西村さんとは対象的じゃないですか。

西村:私的にはこの2人(阿部、池松)は羨ましかったです。私なんてゲーム画面を収録するキャプチャーボードを渡されただけで。撮影もしてくださってるし、面白く編集してくれてたから、「めっちゃいいじゃん!」って思います。

池松:たしかに。

ーーロードスターは仕事にも乗っていったりするんですか?

池松:福岡の実家にあるんです。こっちで撮影する時は、借りて乗っています。

ーーメンバーを乗せたりは?

池松:メンバーはないかな。福岡に来てくれるなら全然、一緒にドライブに行きます。

ーー篠原さんは1分クッキングと風呂上がりのルーティーン。せいやさんに「大好き」と言っていたのは結局……。

篠原望:ふふふ……(笑)。

ーー台本だった?

篠原:なんか……あの……自分で考えてくださいっていう感じです。

ーー察します(笑)。メンバーの親子さん同士って交流はあるんですか?

池松:ラスアイはないよね。

西村:うん。

池松:地方組が多いのもあって、ないんだと思います。

西村:うちの親は辞めちゃったメンバーの親とかとは仲良いんですけど、今いるメンバーとは聞いたことないかもしれない。

篠原:私のお母さんと畑美紗起ちゃんのお母さんとで、ご飯に行ったりしています。

選抜と非選抜、下克上バトルでのそれぞれの過酷さ

西村歩乃果

ーー今回のシングルでは「歩く芸術」「最高難度ダンス」に続いての殺陣への挑戦です。今までは持久力やセンスが問われるものでしたが、それで言うと殺陣には何が必要でしたか?

西村:歩く芸術の団体行動は、運動神経とかセンスはあまり必要なかったのかなって思います。今回の殺陣は完全に運動神経とセンス、一番は筋肉が必要な企画だったので、一番楽しくて一番大変でした。

阿部:殺陣をやりますって聞いた時は、今までの企画の中で一番楽しみにしていたし、やる気もありました。ずっとアクションに興味があって、自粛期間だったのでやっと何かが出来るという楽しみな部分もあって。最初の練習は楽しかったんですけど、楽しいだけじゃ続かなくって、途中にモチベーションが下がったりもしました。でも、今はもうすぐ本番(10月17日開催の『B.LEAGUE』で披露するライブパフォーマンス)が近づいて来ていて、すごく楽しいなって思っています。

ーー映画『がっこうぐらし』の出演でアクションに目覚め始めたんですよね。

阿部:その時はシャベルだったんですけど、敵をやっつけるカッコイイ役に憧れていて、すごく楽しかったので、またやりたいなとそこで思いました。

ーー田渕監督も、殺陣というよりかは演技と言っていますよね。池松さんは殺陣への挑戦に関してはどういった思いでしたか?

池松:今までのダンス企画では最初から差が開いていたんですけど、今回は全員がほぼやったことない企画だったので、そこが面白いなって思いました。この人が上手いっていうのがなかったから、どういう風になっていくんだろうと個人的には楽しみでしたね。

篠原:私は殺陣自体にはそんなに嫌な気持ちはなかったんですけど、「入れ替わりがあります」と言われたので、そこが不安でした。しかも、割と短期間だと聞いて、私は不器用な方なので気持ちが沈んだままやってる感じで大変でした。

篠原望

ーー篠原さんが言っていた通りに、今回は選抜メンバーと非選抜メンバーによる下克上の入れ替えバトルが、前回の選抜制ともまた一つ違うポイントだと思います。選抜の方は追われる立場、非選抜の方は追う立場のモチベーションがあると思うんですけど、そこに関してはそれぞれどう感じていましたか?

阿部:私はあまり入れ替え制だとか自分の立ち位置は気にせず、自分が後悔しないようにひたすら出来ることを頑張ろうと思っていました。でも、追われる立場となると守らないといけないから、非選抜の子たちはものすごい気持ちでくると思うし、その気持ちに勝てる自信がなくって。頑張ろうと思ってるけど、ちょっと不安もありました。

ーー池松さんは残念ながら前回のシングルで非選抜になってしまいました。

池松:私たちの場合は選抜に上がるしかなかった。落ちるっていうのがもうなかったので、怖いというよりもやるぞっていう気持ちの方が強かったです。

ーー阿部さんは田渕監督からAランクと言われ、自分が「引っ張っていく立場」にあるとも話していました。

阿部:田渕先生から「引っ張っていく立場で頑張ってね」っていうニュアンスのことを言われて、それで自分の感想で「頑張ります」って言ったんです。その時は練習2回目とかで楽しいだけで、向上心しかなかった感じでした。

ーーその後、意識的に変えた部分はありましたか?

阿部:引っ張っていくとは言え、全員のスタートが一緒だし、今もですけど差がなくって。みんな練習する度に上手くなってると思ったので、私も人一倍頑張ろうという思いでやっていました。

阿部菜々実

ーー西村さんはランク分けでBになり、涙を流す場面もありました。

西村:普段の練習稽古でも、田渕先生に「西村先生」って呼ばれることが多くって。素振りの巻打ちも得意で、速く下に振り下ろせるタイプだったんですね。だから、自分でも勝手に上手いんだろうなって思っていて。それが結果Bで。期待していた分、結果がついてこなかったことにショックで、悔しくてそれをバネにもっと上に行ってやろうという気持ちが強くなりました。

ーーなぜBだったんでしょう?

西村:理由は「西村はすばしっこい担当で、行きたいからB」みたいなニュアンスで言われて、あんまりダメなことは言われなかったんですよ。納得できなかったので、その後にあった面談で先生に聞いたんです。その時に言っていたのは「全部がバランスがいいから、バランスがいい人は基本的にB」なんだって。「バランスがいいからちょっと練習をしただけで一気にAの人を抜かす力を持ってる」って先生に言われました。

ーー西村さんはラストアイドルの中でも、自分が中途半端なポジションにいると悩んでいましたよね。

西村:はい。前回の「愛を知る」が7番だったので。今回は入れ替え制があるって聞いていましけど、私も自分が入れ替わるとか下に下がるとかは何も考えてなくて。とにかく上に上がるしかないって思っていて。今まで基本的に1列目が多かったので、2列目になってしまった時にこれじゃダメだなっていう思いがあったので、絶対次は1列目に行ってやろうという気持ちでやっていました。

池松愛理

ーー池松さんと篠原さんは下克上バトルを経験した2人ですが、まず本番はどんな空気だったんですか?

池松:面と向かってメンバー同士がバトルをやるっていうのは本当に久しぶりだったから、その感覚を思い出しました。もう空気が重たすぎて、メンバーもみんなお互い必要以上のことを喋らないし、挨拶すらありませんでした。

ーー1stバトルに近い感じ?

池松:そうですね。表題曲バトルとかもあんな感じだったなと懐かしくなりました。

篠原:メンバーの奥村優希ちゃんとか岡村茉奈ちゃんがスタッフさんと一緒に練習しようって言ってくれて、畑美紗起ちゃんと山本愛梨さんと行くことになったんですけど、分からないけど涙が止まらなくて、練習出来る状態じゃなかったので、何もせずに帰ってしまったんです。後日に本番があって、とにかく涙が出る感じで、あんまりこと細かくその日のことは覚えてなくって。放送を観て、自分ってこんな感じだったんだなって。

ーー「感情が迷子になってた」って言ってましたもんね。

篠原:そうですね。自分に技術がないことは一番分かっていたので、その場にいた6人が全員合格したってことは本当に嬉しいことだったんですけど、これから自分がここにいてラストアイドルのためになれるのかなって不安になりました。

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