ミライアカリ×斎藤滋×神田ジョン 鼎談で明かす音楽活動の可能性と第2章のスタート 「みんなと一緒に夢を叶えたい」

ミライアカリ×斎藤滋×神田ジョン鼎談

まさにアカリが伝えたい気持ちが音楽になった!

ーーどういう音楽ジャンルにするか、実際にアカリさんとはどんなお話を?

斎藤:具体的にどういう曲にしたいかとか、サウンドディレクションの領域までは、事前にはお話をしていませんでした。ただ、どういう方向性の音楽であるべきか?というのは事前に直接意見交換させていただきました。今どういう心境であるとか、気持ちの面でのお話を聞かせてもらいました。その時彼女は、「たくさんの人を笑顔にしたい」と言っていて。それは「前を向いた、ポジティブな気持ちを表現したい」というベクトルだと解釈しました。誰かに作用したり、みんなの気持ちをハッピーにしたいという気持ちを感じたので。

ミライアカリ:今、世界的に大変なことがたくさんあるじゃないですか。そういう人たちが、少しでもアカリのことを見て明るい気持ちになってくれたらいいなぁと思って。それで、そんなお話をさせていただいたんです。

ーーそういう方向性について神田さんは?

神田:僕は斎藤さんの考えに加えて、パンク精神と言うか、「ここから這い上がっていくぞ」みたいな気持ちもあるんじゃないかと感じましたね。

ーー這い上がる?

神田:最初はVTuber四天王の一人として注目され、その後に新しいVTuberがどんどん出てきて今すごく勢いがあって。それに負けじと這い上がっていくような力強さに、アーティスト性が見いだしていけるんじゃないかと。だから今回の曲でもそこはかなり強く、ほぼそれ一色というくらい意識して作っています。

斎藤:そうですね。彼女自身の持つ上昇志向にさらに勢いが付くような、さらに羽ばたくための発射台を作ってあげたかったんです。

ーーアカリさんは、そういう這い上がる精神についてはどんな気持ちですか?

ミライアカリ:VTuberとして活動する方が増えてきて、それもみんな素敵な人たちばかりなので、アカリ自身もたくさんの刺激を受けています! 実際にそのおかげで「アカリも負けてられない」って、前向きな気持ちになることができたし、もっともっと頑張りたいと思うことができました。

ーーそんなアカリさんの新曲「Fly to NEW WORLD」は、早口だったり細かいフレーズのパッセージだったり、トリッキーなサウンドでボカロ曲っぽいものも感じました。

神田:ボカロっぽさを意識したと言うよりも、今っぽさを意識した感じですね。源流は確かにボカロの様なアンダーグラウンドな音楽(今やボカロはアンダーグラウンドではないかとも思いますが)ですけど、ボカロPだった人たちが今はJ-POPというまた違う舞台でクリエイターとして活躍しているわけで、そこに対して意識した感じです。つまりバックグラウンドはサブカルやアンダーグラウンドだけど、意識しているのはメインストリームやオーバーグラウンド。でも、実際にこの早口が歌えるのか、そこは実際にやってみないと分からなかったので、挑戦ではあったけど……。どうでした?

ミライアカリ:最初は「ちょっと難しそうだな」って思ったりもしたのですが……(笑)。でも本当にすごく格好いい楽曲なので、それ以上に「歌いたい!」という気持ちが強かったので、少しでも上手に歌えるようにと思って、たくさん練習したんです。

神田:実はこの曲、2回レコーディングしているんです。最初のレコーディングは、アカリちゃんはめちゃめちゃ緊張していて。

ミライアカリ:はい。

神田:改めて2回目のレコーディングをした時は、めちゃめちゃ感動しましたよ。と言うのも、当日の本番前に少し声出しをしてもらったら一節目で、死ぬほど歌い込んで練習してきたのが伝わってきて。だから2回目の時は、1回目とは比べものにならないくらい、有機的ですごく良い歌が録れたんです。

ミライアカリ:ありがとうございます。1回目のレコーディングは緊張もあって、思うように歌えなくて、すごく悔しかったのを覚えています。2回目のレコーディングまでは少し時間があったので、そこで何度も歌って練習したんですけど、たくさん歌っているうちに、歌詞に自分の感情を乗せたり、気持ちを込めて歌えるようになってきた実感があったんですね。だからレコーディングのあとにジョンくんから、今みたいに褒めていただいたんですけど、その時は本当に嬉しかったです!

ーー斎藤さんはアカリさんの歌声を実際に聴いて、どんなところに魅力を感じましたか?

斎藤:曲を発注する前に、これまでに彼女が歌ってきた楽曲を聴かせてもらいました。いろんな声質があった中で、明るく元気を込めて歌っている時が、一番輝いているなと思いました。みんなが動画で見ているアカリちゃんの明るさが、やっぱり魅力的なんだと。

ミライアカリ:アカリ自身、歌うことは大好きなのですが、自分の歌声についてはまだまだだなって思っていたんです。なので、しげちゃんから「魅力的だ」と言っていただけたのはすごく嬉しいです。これからも、もっともっとたくさん練習して、もっと魅力的と言っていただけるように頑張りたいです!

ーー「Fly to NEW WORLD」は、曲調からもそうですが、歌詞からも、始まり感や新しい世界に対する好奇心が溢れていますね。

神田:「ミライアカリの第2章の始まり」というイメージです。曲の発注段階で、斎藤さんからそういう内容の長文メールをいただいて、「アツいなあ〜」って(笑)。僕はアツいものやエモいものが好きなので、すごくやる気が出ました。コンペだったんですけど、曲ができた瞬間「これは100%通るな」って。「この曲以上にミライアカリを活かせる曲はない」って、確信がありました。あとで聞いたら満場一致でこの曲に決まったということで、僕の思いが全員に伝わったんだと感じて、それはめちゃめちゃ嬉しかったです。

ミライアカリ:最初にデモを聴いたときから、しげちゃんやジョンくんが熱い思いで作ってくださったということが、すごく伝わってきました。柔らかく歌うパートもあれば、力強く歌う部分もある楽曲で、「まさにアカリが伝えたい気持ちが音楽になった!」という感じでしたね。実際に歌うのは先ほどお話ししたように、すごく難しかったんですけど、難しいから簡単に歌えるように曲を修正するのではなく、「難しいかもしれないけどチャレンジしてみよう」って言ってくださったのが、本当に嬉しかったです。

ーー神田さんはギタリストなので、もちろんギターもふんだんに入っていますが、ピアノがメインになっているのが印象的でした。

神田:今回はピアノが肝です。ギターはチャカチャカした重くないカッティング系で、基本的に旋律はピアノで作りたくて。曲を作る最初の段階から、イントロの変わった音階のピアノは考えていましたね。

ミライアカリ:上手く言葉で表現できないのですが、すごくオシャレなサウンドだなって思いました。印象的なピアノがあって、ギターも何本も鳴っていて、「これがプロのサウンドか!」って(笑)。

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