『LIVE×ONLINE MAGINATION』

EXILE THE SECOND、パフォーマンスへの飽くなき挑戦 『LIVE×ONLINE IMAGINATION』に見た“新しいEXILEの可能性”

 LDHが仕掛ける有料配信ライブ『LIVE×ONLINE』は、会場でライブを体験するのとはまた違う新たなライブエンタテインメントに挑戦している。7月の7日連続配信に続き、現在第2弾の『LIVE×ONLINE IMAGINATION』がABEMA TVにて8夜連続で行われている。3日目に登場したEXILE THE SECONDの掲げるテーマは“EXILEの演目化”。メンバーの6人全員がEXILEにも所属するEXILE THE SECONDだからこそできるライブ構成が見どころだ。

 ライブが始まるとスウィング・ジャズのリズムに乗りながらバーカウンターに登場したEXILE SHOKICHIが、ボトルビールを片手に「がっちり盛り上がっていきましょう!」と視聴者を煽り、メンバー紹介を行った。

 EXILE NESMITHは満面の笑顔でダンスしマイクを受け取ると、肩を組みながら橘ケンチを紹介。ケンチは得意の流し目で決めた。続いてSHOKICHIに「教授」と呼び込まれたのはEXILE TETSUYA。黒木啓司はサングラス姿でダンスを披露。最後に“ミスターエグザイル”と紹介されたEXILE AKIRAは、女性ダンサーと並んで軽快なステップを決めた。

 揃いの衣装は濃いブルーのヒョウ柄のジャケットに黒の蝶ネクタイ、黒シャツ、黒パンツ。EXILE TRIBEの中でも活動初期から支えている彼らならではの大人の色気が強調されている。

 SHOKICHIが「It's Showtime!」とシャウトして始まった1曲目は「Route 66」。女性ダンサーらも加わり、ステージをダイナミックに使ってパフォーマンスを展開。目まぐるしく動くレーザービームなどライティング演出もオープニング曲を盛り上げた。

 続く「YEAH!! YEAH!! YEAH!!」はライブでも定番の夏のアッパーチューン。さらにテンポを上げ「CLAP YOUR HANDS」へ。激しく手を打ち鳴らすダンスや、女性ダンサーが柱の上で踊るパフォーマンス、NESMITHは激しいヘッドバンキングも見せた。

 「ASOBO! feat. Far East Movement」では通路を移動しながら、メンバーが自然体の表情や自由なダンスパフォーマンスを披露。SHOKICHIのハーモニカに合わせて、メンバー全員でステップを踏むダンスなどもあり、ライブを楽しむ表情がとても印象的だった。

 「HERE WE GO」では巨大な旗を掲げたフラッグ隊が登場。そこに本物の炎と、巨大なバックスクリーンに映し出されるグラフィックが合わさる。旗が左右にたなびく動きと、ステップが左右に動くダンスがシンクロし、現実と映像の境目がなくなるような感覚に陥る見事な演出であった。

 ステージが暗転し、登場したのは早着替えを終えたSHOKICHI。金の刺繍が施された衣装の背中には19の数字が輝く。真っ赤なグランドピアノを演奏しながら、来る9月27日にEXILEが20周年に突入することに触れ、「今夜はEXILEリスペクトスペシャルメドレーをお届けしたいと思います」と語った。

 スローテンポで歌詞を一つずつ噛み締めるように、ピアノの弾き語りでEXILEの楽曲「EXILE PRIDE~こんな世界を愛するため~」、「Someday」、「Rising Sun」を数小節ずつ歌い上げる。スクリーンにはEXILEのライブ写真が流れ、視聴者のコメント欄では「泣く」という声が殺到。SHOKICHIが声を震わせながら歌う瞬間もあった。

 ここからメンバー全員でEXILEメドレーへ。「WON'T BE LONG」はビートを強調しスローテンポにした色気あるアレンジを加え、メンバーが順番に女性ダンサーとのペアダンスをセクシーに踊る。サビ直前にはAKIRAが力強いブレイクダンスで締めた。

 「STAY」ではバーカウンターでメンバーやダンサーがテキーラを乾杯したり、思い思いにステップを踏むリラックスしたムードに。

 続く「Ti Amo」では、映像がモノクロに切り替わり、プロモーションビデオのようなパフォーマンスをライブで披露。橘ケンチが女性ダンサーに手首を縛られながら絡み合う、エロティックなストーリーを展開した。

 「ふたつの唇」のピアノ伴奏に合わせ、TETSUYAのタップダンスがスタート。脚さばきだけでなく表情でも緩急を加えるテクニックが光った。ダンスに合わせて壁が動いて狭い空間に追い詰められるなど、ライブとミュージックビデオが融合したような演出も印象的だった。

 SHOKICHIのアカペラで始まった「響~HIBIKI~」は、ライブではあまり披露されなかった楽曲だったこともあり、EXILEファンから喜びの声が上がる。ステージでもAKIRAがコンテンポラリーダンスを披露するという珍しい試みがなされた。スモークで幻想的な雰囲気の中、トランペットの響きに乗せて哀愁ある演技で魅了した。

 「STEP UP」のトラックをバックに、舞台裏を模した空間でメンバーやスタッフがライブ準備に忙しなく動き回る。SHOKICHIのドラム演奏、NESMITHとAKIRAのギターに合わせたダンスを決めた。

 11曲目からはEXILE THE SECONDの2019年の新曲「瞬間エターナル」へ。ピンクのスーツに着替えたメンバーが派手なライティングに照らされた。続く「SUPER FLY」の〈楽しんだもん勝ち〉という歌詞の通り、足裁きの軽快なダンスやコメント欄とのコール&レスポンスを楽しんだ。狭い舞台裏の通路でメンバーやダンサーがギャラリーとして煽る中、TETSUYA、ケンチ、AKIRA、啓司が順番にソロダンスも見せた。

 続く「POW!」は、ダンスホールレゲエのビートで重心が低い力強いダンスが特徴。LDHのサポートダンサーからデビューした男性8人組のPSYCHIC FEVERも加わり、ダンスバトルの演出も。

 『LIVE×ONLINE』では積極的にファンを巻き込んだパフォーマンスが取り入れられている。「Going Crazy」ではZoomでファンと画面を共有し、タオルを激しく振り回す。タブレットで絵文字の指示を飛ばすTETSUYAに、コメント欄は絵文字で埋め尽くされた。メンバーもステージ上でツアーTシャツに着替えたり、ツアーグッズのロゴ入りマスクを身につけファンとの一体感を味わっていた。

関連記事