TOMORROW X TOGETHER、JO1……“学生コンセプト”がもたらす親近感や共感性

 2015年のBTOBの「家に帰る道 (Way Back Home) 」。この作品のMVもまた制服姿で、コンセプトは「青春学園モノ」だ。MVの主人公はイルフンで、格闘技選手を目指す“ソンミン”という学生の彷徨う青春を表現していた。夢を追いかける若者の悩む姿は、同世代のファンにとって共感しやすい内容だ。

 そんな若者を優しく応援し包み込むような歌詞のこの曲は、MVの中の学生姿に同世代のファンが男女問わず自分を重ね、さらに深く心にしみる内容になっている。

BTOB(비투비) - 집으로 가는 길 (Way Back Home) Official Music Video

 学生コンセプトがもたらすのは、親近感や共感性なのではないだろうか。同世代のファンにとっては自分と同じ姿であり、下の世代にとっては憧れの先輩、そして上の世代にとっては自分の思い出と重ねる存在になるのではないかと思う。

 それによって歌詞や彼らの表現する世界にさらに入り込むことができるし、普段キラキラとした衣装に包まれた彼らが自分の世界に近づいてきたような印象を覚える。爽やかでフレッシュなだけではない学生コンセプト。彼らの姿を見ながら、しっかりと歌詞を感じてみると新たなメッセージを発見できるかもしれない。 

■フルヤトモコ
1999年生まれの大学生。韓国のカルチャーと洋楽、本、映画など。
東京藝術大学 音楽環境創造科在籍。

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