BTS、iKON、MAMAMOO、TWICE……世代のメッセンジャーとして伝えるもの 楽曲の歌詞から読み解く

 また、女性が思わず惚れてしまうかっこよさ=”ガールクラッシュ”という言葉がよく聞かれるようになったように、私たちの世代は”女性は~であるべき”とされる時代からも抜け出しつつある。

〈All I wanna be is 멋짐 / 내 마음대로 골라(ひたすらかっこよくいたい、思い通りに選ぶの )〉

 そんな強い決意から始まるのは、韓国の音楽グループ・MAMAMOOが昨年11月にリリースした2ndフルアルバム『reality in BLACK』リード曲「HIP」だ。この曲はメンバーの1人であるファサが作詞に参加しており、彼女からの強いメッセージはリリースと同時に多くの人々の視線を集めた。

[MV] ママム(MAMAMOO) - HIP

 ファサはファッションや容姿について批判を受けることがある。世間の勝手な「こうあるべき」という認識がそんな意見を生み出しているのかもしれない。かつてファサは「私が世間の美の基準に合わないのであれば、私が新しい基準になればいい」と言及した。そんな彼女だから書ける歌詞は、多くの人の背中を押してくれるだろう。

 “世界であなたは1人だけ、それなのにどうして私の顔に唾を吐くの?”

 自分を尊重していい、この曲はそんなことを教えてくれる。

 次に紹介したいのは、TWICEの「Breakthough」。“私の心をドキドキさせる”と歌うこの曲だが、歌詞を聞き進めていくと“私の名前で私が書くストーリー”“誰かがなんだかんだ言ってもただ私はgoing my way”と続いていく。この曲でドキドキさせているのは、ガールズグループの歌詞お決まりの“恋”ではなく自分の夢や未来、自分自身なのである。もちろんその夢が恋であっても構わない。自分自身の決めた道を力強く進んでいくのだ。

TWICE「Breakthrough」Music Video

 “光り輝く私の未来を世界が期待している”“say,don’t give up”

 TWICEが届けてくれる言葉たちが、前に進む私たちを応援してくれる。そして彼女たちの歌詞は、女性だけに向けた言葉ではない。性別など関係なく、みんな自分の好きなように、自分が望む道を思い通りに選ぶのだ。

 今や、アーティストが歌うのは“恋”や“愛”についてだけ、なんて時代ではなくなってきている。アーティストたちは、自分自身の心に向けたい言葉や、心の内を歌に乗せて伝えている。その言葉たちはリスナーである私たちが求めているものでもあり、心の中にあるけれど外に出せずにいる言葉でもあるのだ。

 彼らは私たちの世代の代弁者であり、同世代を救うスーパーヒーローだ。気づかないうちに忘れてしまっている当たり前のことを教えてくれるのは“推し”たちだ。たとえ違う言語だったしても、そのメッセージを受け取ってほしい。

■フルヤトモコ
1999年生まれの大学生。韓国のカルチャーと洋楽、本、映画など。
東京藝術大学 音楽環境創造科在籍。

関連記事