ROVIN × Buddyが語る、コラボのきっかけとヒップホップシーンに対する思い「ネットにも自分たちなりのストリートがある」
2人から見た「ヒップホップシーン」
ーー2曲目の「Piece of Cake」の制作はどのように?
ROVIN:「Piece of Cake」は完成形のイメージが僕の中にあったんですけど、いざラップを入れてみると、そのイメージにちゃんと近付くのかが分からない、想像していたところに追いつかないかもしれない、みたいな感じが生まれてしまって。それでちょっとモヤモヤしながらRECしてた時に、プロデューサーのPARKGOLFがスタジオに来て、「多分あまり言葉とか入れないで、音として聞かせた方がいいんじゃないの?」みたいなディレクションから、モヤが晴れていったというか。そこからは超スムーズでしたね。
Buddy:僕としては一番時間がかかりましたよね。この3曲の中で、歌詞的には1番自分についての部分にフォーカスして歌ってるんですけど、トラックのいびつさにも寄せないとバランスが悪くなっちゃうんで、そのさじ加減が難しかったというか。
ROVIN:そうだね、それはでかかったね。
Buddy:この言葉を入れたいんだけど、トラックには合っていないし……みたいな。でも、それくらいの威力があるトラックだったし、それとしっかり向き合ったからこそ、いい曲ができたんじゃないかなと思います。あと「ラップなんて朝飯前だよ」っていうメッセージ性もドーンと出てる曲なんで、フロウに対するプレッシャーみたいなのはありましたよね(笑)。下手に乗せたら、そのメッセージがホントにダサくなっちゃうんで。言うからにはちゃんと決めないとなっていう、そういうプレッシャーも大きな作品でしたね。
ROVIN:あとプレッシャーといえば、この曲を録ったスタジオのエンジニアさんの横にいた女の子いたじゃん。アシスタントの。
Buddy:いた!
ROVIN:エンジニアさんは乗ってくれてるんだけど、でも、そのアシスタントの子はずっと助手のスタンスでいるから、全然乗ってくれなくて、「この子、首振んないけど大丈夫かな……?」って(笑)。
Buddy:確かに! 「この曲……嫌い?」って(笑)。
ROVIN:もしかしたら「Piece of Cake」はお互いピリピリしてたのかな? って、後でそれを思い出して考えた(笑)。
ーーそして3曲目の「I’m just me !!」ですが。
ROVIN:制作はこの曲からスタートでしたね。歌詞とかフックで言ってる通りなんですけど、「俺ら2人でこういう曲作りたいよね」って話から始まって。個人的にはJAY-Zの『Black Album』みたいな、トラックは2000年ぐらいのサンプリングなのにゴージャス感ある感じで、ラップはめっちゃスピットするみたいな方向をやりたかったんですよね。
多分、Buddyも俺もそのスタイルがすごい合うしって話をTSUBAMEさんにしたら、抜群のトラックがTSUBAMEさんから来て、「これっす!」みたいな。最初に出来た曲ではあるんだけど、ラストに持ってくる事によって、この曲の意味合いがさらに深くなるというか、なってくれたら嬉しいですね。
Buddy:この曲でお互いに感覚を掴んだ感じはありましたね。
ROVIN:お互いどんな風にレコーディングするか、どんな歌詞の書き方をするは知らなかったんで、お互いに手の内を読む感じでもあったんですけど、実際に始めたら、まあやりやすくて。例えば、このフックは掛け合いにしたくて、ある程度の雛形を作ってから「こう入れたいんだよね」ってBuddyに提案したんですけど、ラップを乗った瞬間に「全然いけるわ!」って思って。それぐらい話が早かった。
Buddy:リリック自体も空気感が似てたり、RECのスピード感も似てて。あと一番合ってたのは声質ですかね。REC終わってからめっちゃ話をしましたもんね、「マジやりやすかったわ!」って。
ーーあんまり言うと本来やっているグループに不満があるみたいに聞こえるけど(笑)。
ROVIN:それは不満はあります!(笑)。
Buddy:なかったら1人でやんない!(笑)。
ーー一同笑
ROVIN:本当の真ん中にある根本みたいなものは変わりはしないんですけど、曲に対するアプローチみたいなのはガラッと変わってると思います。JABBAでやってないことも満載になったと思います。結構経験値は積めたっすね。
ーー観念的な質問になりますが、いわゆる「ヒップホップシーン」というものは、2人からはどういう風に見えていますか? 2人共、いわゆるヒップホップ的な「ストリート性」は強くないし、ブームになってるようなMCバトルに出場するわけでもない。その意味では、いわゆるクラブを中心にした「現場」ではなく、「ポップフィールド」や「YouTube」をお2人は基盤にされているわけで、そういう人たちからは、いわゆる「シーン」というものはどう見えているんだろうな、と。
ROVIN:すごく難しいですよね。正直、「シーンなんて関係ねえわ」っていう気持ちも、無くはないです。それはJABBAをやっていて、だんだんシーンに対するこだわりというか、目配りというのはどうでも良くなっていってて、それよりも普段遊びに来てくれる子たちとか、聞いてくれる子たちがいれば良いって考えのほうが強くなってきてるんで。そして、その子たちがヒップホップヘッズなのか、バンドヘッズなのか、ポップスリスナーなのかとかも、関係ない。なので「リスナー」としては、シーンをめちゃくちゃ楽しんでますし、昔から聞いていますけど、「プレイヤー」としては、いまはそこからの評価とか、その輪に入りたいとかは、イマイチ気にしないというところがあります。
Buddy:聞いている人はヒップホップであろうと、ロックであろうと、「いいものであれば聞く」という流れはきていると思ってて。今ある不良の文化といわれるヒップホップシーンも僕個人としてはすごく好きだし、そういう人たちの曲も聞くし、マインドもわかるんですけど、僕自体、ヤンキーな訳でもないし、僕がヒップホップのシーンに入ったところで、「リアル」は歌えないなと思っているんですね。
だから、別にその枠組みの中でやらなくても、新しい枠組み自体を僕自身で作っちゃえば楽だし、その方がかっこいいかなって思ってるので、正直気にしてないですね。ヒップホップシーンの人でも頭の柔らかい人というか、僕の活動を理解してくれる人もいると思うし、それよりももっと単純に言えば、もっともっと勉強して、いい曲が書けるようになれば、何かが変えていけるのかなって。
ROVIN:だから、そういうことを気にしないで、気の向くままに楽しんでやれたらいいなと思う第一歩が、お互いこの作品だと思うんですよね。
Buddy:路上じゃなくても、ネットにも自分たちなりのストリートがあると思ってるんで。
ROVIN:今の太文字っすよ(笑)。
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<応募締切>
2020年3月6日(金)まで
■リリース情報
ROVIN × Buddy『The Outer World』
配信日:2020年2月19日(水)
配信はこちらから
<収録内容>
1. Have a Good Time(Produced by JIGG)
2. Piece of Cake(Produced by PARK GOLF)
3. I’m just me !!(Produced by TSUBAME)
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