加山雄三に聞く、レジェンドから新世代まで様々なミュージシャンとの交流と人生を楽しむ秘訣

加山雄三から学ぶ、“自分”と上手く付き合う術

ーー逆に、この60年で辛かった時期はありますか?

加山:まあ、人生は山あり谷ありで、まさかと思うような出来事もたくさんあったけどね。どれか一つ取り上げろと言われても思いつかないな。特に音楽活動ではそんなにないんだよ。スランプとか感じたこともないし。音楽なんて勝手に盛り上がったり廃れたりを繰り返していて、それは自分の意思とは関係ないところで動いているところもあるしさ。

ーー加山さんが「山あり谷あり」というと、説得力が違いますね。

加山:そうかい?(笑)。まあ、長いスパンで考えることが大事なんじゃないかな。僕なんか良い時期も悪い時期も両方味わっているから。みんなが眉間にシワを寄せて、「世の中は不景気だ」「おしまいだ」なんて言っていたと思ったら急に景気が良くなって、すると今度は不景気だった時代のことは忘れてしまう。そんな様子を客観的に見てきているからさ、いっときの不景気で大騒ぎしている方がおかしいと思うんだよ(笑)。「そんな思い悩むことないだろ。いいときはいいし、悪いときは悪くなるんだから、しょうがねえわな」って、そんな気持ちになっちゃうんだよな。

ーー落ち込んでいる時って周りの物事が見えなくなってしまいがちです。「もうおしまいだ」って。

加山:それはもう愚の骨頂だと思うよ。辛い時は誰にでもある。人のせいにしたり他人の物差しで考えたりせず「なぜ辛いんだろう?」って自問自答して克服していけばいいじゃないか。そういう気持ちで全部乗り越えていきたいよね。自分は自分から離れるわけにいかない、ずっと付き合っていかなきゃならないなら、色々勉強しなきゃダメだと思う。

ーーずっと若々しくいられる秘訣も教えてもらえますか?

加山:まず暴飲暴食はしなくなったね。酒とタバコもやらない。酒をやめたのは64歳で、タバコをやめたのは52歳。健康のためにもなるし、若さにもつながると思うんだ。タバコをやめたら肺の調子がめちゃめちゃ良くなってね。運動も、程々にすること。これくらいの年になると、あんまり極端な行動は体に堪えるからね。だんだんバランスを取って生きるようになっていくものだと思う。いつまでも、何も考えず無謀な行動をしていると「馬鹿だな」と言われるだけだし(笑)。

ーー日々の生活の中で楽しんでいることは?

加山:かみさんとの会話だったり、子供達と一緒にご飯を食べたり。楽しみなんて、探せばいくらでもあるよね。最近はやらなくなっちゃったけど、『バイオハザード』や『鬼武者』のようなゲームにハマったこともある。一時期ゲームを全て持ち歩いていたから、マネージャーは大変だっただろうね(笑)。

ーー今もコンスタントに曲作りはしているのですか?

加山:そうだね。ギターやピアノで作ったり、コンピュータのシンセサイザーを使ったり。メロディだけが思い浮かぶこともあるけど、大抵は曲のイメージ、空気感から思いつくことが多い。ストリングスのトップノートから考えたり、ハワイアンっぽくしたければウクレレ使ったり。最近は締め切りがないと、なかなか腰が上がらなくてね(笑)。今はコンサートでみなさんに音楽を届けることを楽しんでいるところです。

■リリース情報
『Forever with you~永遠の愛の歌~』
配信はこちら
CD 1,320円(税込)

1「 Forever with you~永遠の愛の歌~」/加山雄三&The Rock Chippers
2「 Forever with you~永遠の愛の歌~ 」(谷村新司、南こうせつフィーチャリングver.)
3「 Forever with you~永遠の愛の歌~ 」(森山良子、THE ALFEEフィーチャリングver.)
4「 Forever with you~永遠の愛の歌~ 」(さだまさし、高見沢俊彦フィーチャリングver.)
5「座・ロンリーハーツ親父バンド」/加山雄三とザ・ヤンチャーズ
<ボーナストラック>「加山雄三&The Rock Chippersスタジオトーク」

加山雄三 & The Rock Chippers ユニバーサル ミュージック

■加山雄三ツアー情報
『加山雄三コンサートツアー2019~20 “START”』
2月23日(日)愛知県芸術劇場(愛知県)
2月28日(金)オリンパスホール八王子(東京都)
3月7日(土)千葉県文化会館(千葉県)
3月15日(日)高崎芸術劇場(群馬県)
3月24日(火)札幌文化芸術劇場(北海道)
3月29日(日)コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)(山梨県)
4月5日(日)横須賀芸術劇場(神奈川県)
4月11日(土)中野サンプラザ(東京都)

加山雄三 オフィシャルサイト

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