関西Jr.の躍進、SixTONESとSnow Man同時デビュー、新体制の関ジャニ∞、25周年のV6……2020年、ジャニーズ活躍への期待

中堅〜ベテラン組は東京オリンピック/パラリンピックと合わせて活躍?(佐藤)

 今年は、活動休止に向けて走り抜けていく嵐、25周年という大きな節目を迎えるV6を中心に、中堅・ベテラン組がより飛躍の年を迎えるのではないでしょうか。特に、2020年は待ちに待った東京オリンピック/パラリンピックが控えています。もともとジャニーズ事務所のスタートも野球チームだったことからも、スポーツの祭典とジャニーズの相性の良さは言うまでもありません。ジャニーズ事務所としても、国際色豊かなメンバーを積極的に迎え入れたり、ジャニーズJr.でスペシャルユニット「2020(トゥエンティ・トゥエンティ)」を結成したりと、盛大に盛り上げていく姿勢を見せていました。ジャニーさんが亡くなられても、その想いは受け継がれているはずです。実際に、TOKIOは東京オリンピックのスペシャルアンバサダーになっていますし、嵐はNHK2020ソング「カイト」を発表。KAT-TUNの亀梨和也さんとHey! Say! JUMPの八乙女光さんがオリンピック聖火ランナーに決定しています。また、中居正広さんや嵐・櫻井翔さんなどキャスターとして大きな大会を盛り上げてきたメンバーもいますし、ジャニーズアイドルの魅力を全世界に広めていく最大のチャンスと言えるかもしれません。

 海外からの注目を集める年という意味では、山下智久さんの語学力も大きな強みになると思います。英会話スキルが高いのはもちろんのこと、Instagramでは流暢なスペイン語を披露して大きな話題になりました。また、山下さんは2018年6月に中国のSNS「Weibo」でアカウントを開設、すでに174万人超(1月4日現在)のフォロワー数を誇ります。中国語で挨拶をする動画もアップするなど、勤勉な姿勢には頭が下がります。

 また、Weiboといえば、木村拓哉さんもフォロワー数185万人超(1月4日現在)と、こちらも大人気。木村さんも、中国語を用いて頻繁にアップしています。また、数々の作品を通じてファンになった方はもちろんのこと、SNSで親しみを持った方も少なくないのではないでしょうか。ソロアルバムをリリースしたり、新春ドラマ『教場』(フジテレビ系)では白髪・義眼の鬼教官というミステリアスな役柄に挑んだりと、チャレンジを続けている印象。ジャニーズアイドルのレジェンド自ら、今度は世界を見据えて型を破り続けていくことを期待しています。

新体制の関ジャニ∞と25周年のV6にとって重要な1年に(佐藤)

 関ジャニ∞は新体制となり47都道府県ツアーを開催し、コンセプチュアルな作品とライブで魅了するNEWSはついにツアー『NEWS LIVE TOUR 2020 STORY』へ。KAT-TUNは上田竜也さんがKinKi Kids・堂本光一さんが主演を務める舞台『Endless SHOCK』に17年ぶりに参加するなど、これまでのキャリアを踏まえて、新たな章へのページをめくろうというグループが多く感じます。その中でも、個人的に注目しているのは関ジャニ∞の大倉忠義さん。ラジオ『大倉くんと高橋くん』ではグループへの想いを率直に語っていて、胸を打つものがありました。がむしゃらに泥臭く、それでいてアイドルという華やかさも忘れない。そんな関ジャニ∞の絶妙なバランスを保っているのは大倉さんの持つ熱さとどこか冷静に自分たちを見つめるバランス感覚の良さ。また、関ジャニ∞としてだけでなく、ジャニーズの中堅として関西ジャニーズJr.たちにもスポットライトが当たるように奔走していたのも印象的でした。この新体制のスタートダッシュ以降も、バランサーとしての持ち味が光ってくるのではないかと期待しています。

 また新たな一歩を踏み出すグループが多くある一方で、CDデビュー25周年というV6だからこそできた偉業にも大きな拍手を送りたい気持ちでいっぱいです。1人ひとりがソロでの活動もプライベートも充実させながら、6人集まったときの大家族を思わせる絶妙な距離感は、現代の大人の理想的な姿とも言えるかもしれません。最近では、スペシャル番組『V6の愛なんだ』で一般視聴者を巻き込みながらお茶の間を楽しませてくれますが、6人だけの閉ざされたやりとりもそろそろ見たいところ。メンバーのみの旅番組や、小さなお題についてあーだこーだ言い合っていた『ミッションV6』のような番組を求めているファンも少なくないのでは。ファンが待ち望んでいるといえば、もちろんアニバーサリーコンサートも。25周年で全員バク転が現役という伝説を作ってほしいところです。

創りながら残す時代へ そこから見える“ジャニーズらしさ”(佐藤)

 ジャニーズの本格デジタル参入元年ともいえる2019年の中でも、嵐がYouTubeで過去の楽曲のMVを公開したのが、とても画期的だと感じました。ジャニーズの魅力が、より多くの人に伝わりやすくなったと思います。言わずもがなジャニーズには多くの名曲があり、舞台の収録やドラマなど映像作品を含めれば、その次代の文化財とも言える貴重なもの。ぜひ、そのデータをアーカイブ化していってほしいと思います。令和生まれの子どもたちが、光GENJIや少年隊、SMAPのコンサートや、KinKi Kidsの名作学園ドラマにあこがれてジャニーズ入りするということがあってもいいのではないでしょうか。また、デジタルコンテンツが充実すると、よりリアルに対する貴重度が高まっていくはず。

 舞台から、テレビ、そしてネットへ。それは、目の前にいる人から、全国へ、そして全世界へと発信できる力が広がっていったことを意味します。その中で、ジャニーズは歌って踊るだけではないアイドル像も開拓していきました。俳優、キャスター、バラエティ……今では日本のエンターテインメントを網羅するほど。「ジャニーズなのに」「ジャニーズらしからぬ」といった言葉も、今や使われなくなるほど、彼らはマルチに活躍してきた結果、今一度“ジャニーズらしさ”が問われるタイミングに来ているのかもしれません。個人的にはジャニーズアイドルは、育っていく姿そのものを応援できることが最大の魅力ではないかと思っています。だからこそ、中堅・ベテラン組が後輩たちを育てていく姿、逆に若手組に中堅・ベテラン組が学ぶ姿を発信してほしいとも思います。それこそ、これほど層が厚いジャニーズファミリーだからできること。創りながら残す、教えながら学ぶ。何歳でも、誰からでも人は吸収できるし、教えることでまた人は成長していく。そんな「世代を超えたコミュニケーション」が、これからの時代のキーワードになるような気がします。

(構成=編集部)

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