AAA、「BAD LOVE」で奥深き表現力を発揮 『奪い愛、夏』や「MAGIC」との関連性を読む

 対や韻の表現も、もちろん秀逸だ。“本能と本性”や“冷静と冷血”などで文脈を見せると同時に、“Change your sideとBlack or White”など音の面でもまとまりを生み出す。極めつけは、最後のフレーズに登場する〈this is Bad Love〉。それまでのサビでは、〈Is this “Bad love” ⁉〉と疑問形だった“Bad love”が、肯定される形で結ばれるのだ。

 日高光啓がリリックを担当するラップパートは〈Uno, dos, tres, cuatro〉というスペイン語のカウントが印象的で、〈3,夢と現実が交差 2,甘い香りの魔法さ 1,君と僕だけのShow time 0,さぁ共に溺れようか〉という「MAGIC」の冒頭を彷彿させる。

 また、首と指、目に重点をおいた色っぽい表現も類似点のひとつ。「MAGIC」の〈首筋に指の跡〉〈次に目があったなら最後〉と「BAD LOVE」の〈クビの筋に指を突き〉〈目と目が絡まったら 待ったなんかは聞いちゃらんない〉は呼応しているよう。クレバーなリリシストならではの伏線である。

 MVの演出は、2色の対比で見せるという点では近しいものの、色味などが真逆の作品となった。「MAGIC」は黒をベースに赤を指し色としており、真っ黒に染まった自分のなか(黒)で沸々と燃え続ける愛の炎(赤)を連想させる。対して「BAD LOVE」は、赤と青の対比で魅せていく。ラストシーンで青いペンキが目から零れることを考えると、青は哀の感情。一方で、赤は愛の象徴というところだろうか。真っ白な背景や衣装が赤と青のペンキにまみれていく様は、ピュアに大切な人を想えていた自分(白)が愛(赤)と哀(青)により歪んでいく『奪い愛、夏』の登場人物たちを想起させる。まさしくドロキュン恋愛ドラマの主題歌にぴったりなMVに仕上がった。

AAA / 「MAGIC」Music Video
AAA / 「BAD LOVE」Music Video

 『奪い愛、夏』をさらに盛り上げる1曲となった「BAD LOVE」。ドラマは終わってしまったが、曲とのリンクを連想しつつもう一度見直してみるのも秋の一興かもしれない。

■坂井彩花
ライター/キュレーター。1991年生まれ。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。Rolling Stone Japan Web、EMTGマガジン、ferrerなどで執筆。Twitter

AAA『BAD LOVE』

■リリース情報
AAA『BAD LOVE』
10月30日(水)発売

【CD + DVD + スマプラ】 AVCD-94627/B
価格:¥1,900(税抜)※初回盤:スリーブ仕様

【CD + スマプラ】 AVCD-94628
価格:¥1,100(税抜)※初回盤:スリーブ仕様

【CD + GOODS +スマプラ】 AVC1-94629
価格:¥3,000(税抜)ファクラブ限定商品 数量限定生産盤(数量未定)
オリジナルバスソルト&ボディタオル同梱

<CD収録内容>
1.BAD LOVE
2.BAD LOVE(Instrumental)
3.恋音と雨空 (Jazzy Rain REMIX)
4.PARTY IT UP (CITY SUMMER PARTY REMIX)
<DVD収録内容>
01 BAD LOVE(Music Clip)
02 BAD LOVE(Music Clip Making)

■ライブ情報
『AAA DOME TOUR 2019 +PLUS』
2019年11月16日(土)京セラドーム大阪
2019年11月17日(日)京セラドーム大阪
2019年11月30日(土)ナゴヤドーム
2019年12月1日(日)ナゴヤドーム
2019年12月6日(金)東京ドーム
2019年12月7日(土)東京ドーム
2019年12月8日(日)東京ドーム
2019年12月21日(土)福岡ヤフオク!ドーム
2019年12月22日(日)福岡ヤフオク!ドーム

■関連リンク
AAAオフィシャルサイト

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