ドラマ『あなたの番です』手塚翔太本人が歌うからこそ届く「会いたいよ」に映される愛
原田知世と田中圭のダブル主演で4月からスタートしたドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)。謎が謎を呼ぶミステリー、役者たちの名演など話題に事欠かない今作だが、田中圭演じる手塚翔太が歌う「会いたいよ」も注目すべきポイントのひとつだろう。
何を隠そう『あなたの番です-反撃編-』(日本テレビ系)は、翔太の〈会いたいよ〉という印象的なセリフで幕を開ける。それだけ、この作品において“会いたい”という言葉や感情は重要なセンテンスになるというわけだ。
「会いたいよ」が用いられるのは、大切な人を思う回想シーン。ベッドで翔太が奈菜へ思いを馳せる第11話を皮切りに、いろいろな人の心中を代弁する楽曲として使用されている。
なかでも多くの人の涙を誘ったのは、第16話ではないだろうか。第15話までは翔太から奈菜、児嶋俊明(坪倉由幸)から児嶋佳世(片岡礼子)、二階堂忍(横浜流星)から黒島沙和と、恋愛としての“会いたい”のみが重ねられていた。しかし第16話では、妹尾あいり(大友花恋)が浮田啓輔(田中要次)、水城洋司(皆川猿時)が神谷将人(浅香航大)を思う描写を重ね“会いたい”という気持ちの幅を広げている。父親(のような人)を慕う愛、部下を思う愛。複雑なミステリーの裏には、誰かを思う愛があるということを示唆しているような演出になっているのだ。