a flood of circleの大樹のごとき陽性エナジー ロックンロールの花咲き乱れた自主企画を見て

 「ロックシーンにドデケエ穴あけたろうぜ!!!!」(杉野泰誠/Vo&Gt)と煽り、歴戦の猛者たちに真っ向勝負を挑んだclimbgrow。マイナースイングを基盤に、動きは静謐、音でぶん殴るタイプのギター、ピックも指もお手の物な図太いベース、上半身は正統派ながらキックでフックを生み出すドラム、そして暴風雨のごときボーカルが渾然一体となり、その場の空気を飲み込んでいく。闇が深まれば光も濃くなるという極限のカウンターが、聴く者の人生を丸ごと揺さぶる熱演。観客の心のなか、そこに何かのスイッチがあるならば、パチンと動く音が確かに耳へ届いた。

climbgrow

 そこから結成30周年イヤーをひた走るthe pillowsへ。「Rebroadcast」、「About A Rock'n Roll Band」、「ハイブリッド レインボウ」……the pillowsは歌う、すべてのルーザーと、それでも今を闘い抜く人のために。the pillowsは演る、すべてのバンドと、ロックに夢とロマンを抱き続ける人のために。それがどんな時間であったのか。その答えは、なんとも言えない表情を浮かべながらベースを弾く、有江嘉典の顔が物語っていた。

the pillows

 佐々木亮介のラブコールに応え、復活を果たしたDOES。オンステージ後、何も語らぬまま響き渡ったのは、「明日は来るのか」だった。デビューシングルにして、活動休止前ラストライブの最終楽曲でもある。その後も畳み掛けられるはち切れんばかりの爆演。彼らはいわゆる“4つ打ちブーム”につながる2拍3連の火付け役であり、谷川俊太郎ばりに人間世界の深淵を綴る言葉と、もののあはれを宿すメロディは、時代をひょいっと越えて今なお輝きを放っている。プレイ中、氏原ワタル(Vo,&Gt)はこうもらした。「あれだな、バンドっていいな」と。

DOES

 満を持して真打登場。6組の汗に濡れる襷を受け取ったa flood of circleは、いつにも増してドーン! と爆発。新アルバムのリリース直後ということもあり、アドレナリン全開で狂騒をスパークさせていく。「Dancing Zombiez」で佐々木はフレットの限界を飛び越えるロイ・ブキャナンばりのソロを披露。「Sweet Home Battle Field」ではHISAYO(Ba)の美声も轟く。「いいバンド呼びすぎたな。今日ここにいる人、マジで世界中に自慢したいよ」と佐々木。この男は歌詞も大切にしてきたわけだが、いま最も言いたいのは、「もうウキウキしちゃうよ、生きてんのサイコー」ということ。実にでっかい、そして明るい。その大樹のごとき陽性エナジーを旗印に、バンド陣も、オーディエンスたちも、すべての人が集い、万感の絶景が現れたのである。アンコールで「プリティ(長谷川プリティ敬祐/go!go!vanillas)を待ってる」と未来へ向けた誓いを残し、祭典の幕は降ろされたのだった。

a flood of circle

(取材・文=秋摩竜太郎/写真=新保勇樹)

■セットリスト
<爆弾ジョニー>
M1 終わりなき日々の冒険者
M2 KEN・KYO・NI・ORA・TUKE
M3 アメリカンマッスル
M4 キミハキミドリ
M5 HOPE
M6 MELODY
M7 メドレー(123 356~緑~賛歌)
M8 悲しみのない場所へ
M9 イミナシ!

<THE KEBABS>
M1 THE KEBABSのテーマ
M2 すごいやばい
M3 メリージェーン知らない
M4 Bad rock'n roll show
M5 ピアノのある部屋で
M6 Cocktail PartyAnthem
M7 台風ブンブン
M8 ガソリン

<THE BAWDIES>
M1 NO WAY
M2 SING YOUR SONG
M3 YOU GOTTA DANCE
M4 EMOTION POTION
M5 HOT DOG
M6 IT'S TOO LATE
M7 JUST BE COOL
M8 TWISTIN' ANNIE

<climbgrow>
M1 LILY
M2 RAIN
M3 SCALET
M4 mold Hi
M5 ラスガノ
M6 風夜更け

<the pillows>
M1 REBROADCAST
M2 Blues Drive Monster
M3 MY FOOT
M4 About A Rock'n Roll Band
M5 Funny Bunny
M6 この世の果てまで
M7 サード アイ
M8 ハイブリッド レインボウ
M9 Locomotion,more!more!

<DOES>
M1 明日は来るのか
M2 曇天
M3 KNOW KNOW KNOW
M4 三月
M5 レイジ―・ベイビー
M6 修羅
M7 バクチ・ダンサー

<a flood of circle>
M1 Flyer’s Waltz
M2 ミッドナイトクルーラー
M3 Dancing Zombiez
M4 Sweet Home Battle Field
M5 Honey Moon Song
M6 The Key
M7 The Beautiful Monkeys
M8 ハイテンションソング
M9 美しい悪夢
EN1 Center Of The Earth
EN2 シーガル

■関連リンク
a flood of circle オフィシャルサイト

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