辰巳ゆうと、“第2の故郷”赤羽にて1stコンサート開催 「おとこの純情」など万感の思いで披露

 ここでステージのスクリーンに1歳からデビュー前までの辰巳の成長過程の写真を紹介するVTRが放送。8カ月から始まり、5年生で初めて袴を履いてカラオケ大会に出た写真、野球部だった中学生時代のレアな写真などが映し出される度に「かわいい!」という声が上がっていたが、VTRが終わり、ステージ上に登場したのは袴姿の辰巳。披露されたのはなんと三波春夫の「俵星玄蕃」。長編歌謡浪曲の代表曲で、歌謡曲、浪曲の「啖呵」と「フシ」を歌い分けなくてはならない難曲であるが、これを堂々と見事に歌いきり、会場からは万雷の拍手が湧き起こった。

 クライマックスは辰巳ゆうとオリジナル楽曲が会場を彩っていく。「北へ帰ろう」「恋し雨」「夕焼け人情商店街」「稲荷町恋唄」のように、街の景色や風景から人情や絆を描いた曲で、心の鏡であるかのように、聴衆の記憶を映し出す。本編ラスト曲は自身のキャッチコピーをタイトルに冠した「力いっぱい演歌です」と、アンコールで歌唱された「赤羽ものがたり」。赤羽を舞台にしたこの曲がこの日この場所で響き渡ることで、街への感謝だけでなく、ここまで成長させてくれた「第2の故郷」への想いも感じた。アンコール直前で来年3月の2ndコンサートの発表を受け、歌唱途中で涙ぐむ場面もあったが客席からの温かい声援が彼を後押ししていた。その声や繋がりは彼の「歌」に込められた力に変わっていくのだろう。最後に歌唱された、この日2回目の「おとこの純情」が、その未来を物語っているように思えた。

(取材・文=石川雅文)

■セットリスト
1.おとこの純情
2.下町純情
3.別れの波止場
4.奥飛騨慕情
5.桜坂
6.夜桜お七
7.踊り子
8.アメリカ橋
9.TRUE LOVE
10.恋のダイヤル6700
11.空に太陽がある限り
12.TOKIO
13.俵星玄蕃
14.北へ帰ろう
15.恋し雨
16.夕焼け人情商店街
17.稲荷町恋唄
18.力いっぱい演歌です

E.C
赤羽ものがたり
おとこの純情

辰巳ゆうと ビクターエンタテインメント公式サイト

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