森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.143

back number、Suchmos、ユニコーン、SCANDAL、日向坂46……“新章”に突入した新作

SCANDAL『マスターピース / まばたき』(通常盤)

 プライベートレーベル<her>の第一弾リリースは、SCANDAL史上初となる両A面シングル『マスターピース / まばたき』。「マスターピース」(作詞:RINA/作曲:MAMI)は、エッジの効いたギターリフ、生々しい疾走感をたたえたバンドグルーヴが響き渡るロックチューン。〈どこまでも続いていく 旅路の向こうへ〉というフレーズに象徴される、新たなスタートを鮮やかに告げるナンバーだ。「まばたき」(作詞・作曲RINA)は、エレクトロのテイストを取り入れたダンサブルなポップナンバー。〈あといっかいの瞬きで/溢れてしまいそう〉という恋心を映し出す歌詞を含めて、ガーリーな魅力に溢れている。両極端の魅力を映し出すこのシングルによって、SCANDALは新しいフェーズに進むことになりそうだ。

SCANDAL - 「マスターピース」 / Masterpiece - Music Video

日向坂46『キュン』(通常盤)

 “けやき坂46”改め“日向坂46”の1stシングルの表題曲「キュン」(歌詞:秋元康/作曲・編曲:野村陽一郎)は、歌謡曲のエッセンスを感じさせるサウンド、切なさと愛らしさを内包したメロディ、〈キュン〉を連発するサビのフレーズ、そして、〈僕にできることは何でもしよう 君のためなら何でもできる〉というファンの琴線に触れる歌詞がひとつになった楽曲。センターに抜擢された小坂菜緒を中心に、言葉を丁寧に伝えるボーカルワークも好感が持てる。全タイプのカップリングには、恋が始まったばかりの魔法のような時間を描き出す「JOYFUL LOVE」(作詞:秋元康/作曲:前迫潤哉、Dr. Lilcom)を収録。愛らしさ、初々しさ、素朴さをたっぷり感じられるデビュー作だ。

日向坂46「キュン」MV

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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