宇多田ヒカル、秦 基博、Perfumeらリリースへ アナログレコード需要増加の背景にある意外なもの

 サブスクリプションが当たり前になるほどに、アナログレコードは新鮮なメディアとして求められていくのでは、との見解を示したジェイ氏。一方で、CDの売り上げは低下傾向だ。では今後アナログレコードがCDの売り上げを上回ることはあるのだろうか。

「アナログレコードの需要は増えていますが、国内ではCDも売れているため、アナログレコードを売る代わりにCDを無くすということはまずないと思います。ただ、アナログレコードが欲しいと思う方が今後もっと増えてきた場合、販売できる流通網が少ないので、万人に届けることが難しい。また、アナログレコードのプレス工場が少ないなど生産体制の問題もあります。今後は効率的にプレスする機械や、少ない生産枚数であっても引き受けてくれる工場が増えるなど需要増加に伴った環境整備が行われれば、アナログレコードの需要はさらに伸びると思います」

 新たな音楽の聴き方/楽しみ方として再び求められているアナログレコード。しかし、レコードが一般に浸透していくには問題もまだある。2017年にソニーがアナログレコードの自社生産を再開するなど、需要に伴ってプレス環境にも変化が見えてきたように思えたが、依然として環境が整っているとは言い難いようだ。今後アナログレコードがどれほど伸びていくかは、流通網の増加や工場の設備向上が鍵を握るかもしれない。

(文=北村奈都樹)

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