YOSHIKI、X JAPANの新作アルバムと自身の近況を報告「レコーディングは完了しました」
質疑応答では、YOSHIKIの音楽にスピリチュアルなものを感じるという記者が、「その音楽はどこから来てるんですか」と質問。「曲を作る時に楽器は作らない。ペンと紙があればできる。レコーディングする段階で、どの曲にするか決める。ベートーベンのように何百年も経った後でも聞いてもらえる音楽を作りたい。メロディは何か書かなきゃという義務感と、ふっと降ってくるような時とある。父のようなことがあり、僕に音楽がなかったらと感じると、僕の音楽はどこから来てるのかと聞かれたら、痛みと悲しみからきてる」と回答し、創作の秘密に触れた。
また、「息子がドラムをやってます」という記者の一言について「息子さん、首を痛めないよう気をつけてください」と返したり、「お正月の番組でお菓子を食べている姿が、チャーミングだったけど、ロックレジェンドには似つかわしくないようにも見えた。普段の食生活は?」という質問に、「おかきを食べていたのはお腹が空いていたから。あの番組は6時間も収録していて、あの時はカメラがあるとわかっていたけど、あまりにもお腹が空いていた。ニュースになったおかげでCMに出させてもらえた」とユーモアで会場を沸かせる姿も。
先日引退した小室哲哉の業績についてと今後への希望は? という最後の質問に対して、「翌日に彼に電話しました。『アーティストが引退するのは死ぬ時なのに、生きてるうちにするなんてないだろ』と思いました。生きてるうちに何処かで線引きすること必要だと思う人もいるかもしれないけど、どんな仕事だって辛い。僕も25年前にアメリカに渡って、もう駄目だなと思ったら日本に帰ってこようと思っていたけど、まだ残ってるし、頑張っている。これは自分だけのためではなく、みんなのためにやっていること。それはバンドであってもジャーナリストであっても変わらないと思う。いつやめるというのはわからないが、前進し続けるのが人生だと思うし、やめるときは死ぬ時。はっきりと答えになってるかは分からないが。もういいや、帰って寝たいと思うけど頑張ってるのは、地図を塗り替えたいと思っているから。メンバーも亡くなったけど、アメリカで成功するというのが彼らの夢でもあった。僕にはその責任がある。父も死んでしまったけど、僕はそれは正しくないと思う。だから僕は進んで生きたいと思っています」と力強く言い切って、この日の会見は終了した。
(取材・文=石川雅文)