KinKi Kidsはリアルな姿を楽しませてくれる いつも以上に自由な『どんなもんヤ!』放送回を聞いて

 「なんか僕のイメージでは、もうちょっと遠目をぴょんぴょん跳んでてほしいから。近くの目の前の石垣とか走られても、ちょっとおもんないっていうか、屋根をタタタタタ、ぴょん、タタタタタ、ぴょん、シュッ、タタタタタ、ヒュッ……で、トンネル入ったとしても、その遠くで飛んでるみたいなのが想像できたら、“あれ? どこいった? どこいった?……ああ、いたいた!”みたいなのできるから。ちょっと1回やってみてほしい、誰か」と、電車と共に走る何者かの脳内再生が止まらない。

 さらに、“うろ覚えでせんとくんを描くとひどい結果になる”という話題になると、「いやーちょっとね、奈良人でもね、むずかしいんじゃないかな……せんとくんてどんなんやった? いやー、もう違うね……いやー、やっぱちょっとちがうねぇ……でも、初見にしては悪くないと思うねんけど、ちょっと見せて、せんとくん。全然違うっ! 嘘や!」と、リスナー置いてけぼりのお絵かきタイムに突入。

 「目はなんか、そう? まず、角が……」と検証し始めると、いよいよスタッフも頭を抱えたのか早送りで対応。独特な高音ボイスになりながらも「仏さんっぽい耳になってんねや」「こう丸くいって、このへんで……」と懸命にポイントを捉えようとしているのが、なんともシュールだ。そして、ようやく通常の再生速度に戻ると「もう描けるね!」と満足そうな剛の声が実に微笑ましかった。

 以前、光一が「素の部分を聴けるっていうのが、この番組としての大きな部分だと思うんですよね」と語っていたように、異なる個性を楽しめるソロ回も、夫婦漫才のような掛け合いが楽しいふたり回も、いつだってリアルなKinKi Kidsで楽しませてくれる。作った自分を出さなくていいこと、思うままに行動すること、それができるのは長い付き合いの番組スタッフがいて、それを楽しむリスナーがいてこそだ。10月に25年目に突入するこの番組が、これからも自由な空間であることを願ってやまない。

(文=佐藤結衣)

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