BTS、TWICE、THE BOYZ、IZ…韓国音楽アワード『SOBA』に見る、2018年K-POPシーンの潮流

今後のK-POPを担う“ルーキー賞”に注目

 このようなアワードで注目して欲しいのは新人に贈られる賞だ。なぜなら、彼らが今後のK-POPを担っていくかもしれないからだ。SOBAでは“ルーキー賞”がその位置になるだろう。今年のルーキー賞はTHE BOYZ、Stray Kids、 NATURE、IZの4グループが受賞した。

[MV] THE BOYZ(더보이즈) _ Boy(소년)

 筆者が特に注目したいのは、今年日本デビューしたTHE BOYZという12人組のボーイズグループだ。彼らは設立されたばかりの事務所・Cre.ker エンターテインメントがデビューさせたグループで、SMエンターテインメントで開発担当をしていた人物が選抜したということもあり、ビジュアルやパフォーマンスの能力が非常に高い。また楽曲にも恵まれており、彼らに対する事務所の強い思いを感じることができる。

[MV] IZ(아이즈) _ ANGEL

 また、IZは今年5月にリリースした曲「Angel」をBTSの生みの親であるパン・シヒョクがプロデュースしたことで話題になった4人組のボーイズバンド。「Angel」は、バンドサウンドにラップを取り入れたりと、「パン・シヒョク色」がしっかり出ている楽曲に仕上がっている。デビュー当時メンバー全員が10代だったが、デビューまでに100回以上のライブをこなしてきたという実力の持ち主であるところにも注目したい。

SOBAに見る現在のK-POP

 他の賞はやはり音源が強いグループやアーティストが受賞したといったところだろう。例えば、音源を出せば音源チャートを総なめにするMAMAMOOや、赤頬思春期(BOL4)がいい例だ。彼らは自分たちのファンダムだけでなく、一般層にちゃんと受け入れられているからこそ、音源チャートにおけるロングヒットを飛ばせるグループとなった。

 大賞がBTSというのは前述したように、“予想通り”と言った感じだが、数年前の賞レースと比べると、受賞するメンツは多種多様になったように思える。ちょっと前まではEXOが総なめといった感じだった。実際、前回のSOBAではEXOが大賞を含め3つを受賞したが、今年のSOBAでは“ネチズン人気賞”のみを受賞した。その様相はだいぶ変化し、世代交代を感じさせる。ちなみにBTSは前回、“アーティスト賞”のみの受賞だった。

 しかし、受賞者一覧を見て気になる部分もある。それは今年の音源チャートを賑わしたであろうBLACKPINKや(G)I-DLE、PENTAGONといったグループが入っていないことだ。そういう意味では偏りを感じる結果にもなった。

 これから年末に向けて様々なアワードが開催される。アジア最大の『MAMA(Mnet Asia Music Award)』などもあり、日本でも開催されることが決定した。アワードによって受賞メンツの違いも出てくるが、2018年のK-POP界を振り返る良い機会になるだろう。

■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等
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『2018 SORIBADA BEST K-MUSIC AWARDS』受賞者一覧

 SORIBADA大賞

BTS(防弾少年団)

 音源大賞

TWICE

本賞

BTS(防弾少年団)
WANNA ONE
MAMAMOO
NCT127
赤頬思春期(BOL4)
TWICE
NU’EST W
MONSTA X
MOMOLAND
AOA
Red Velvet

新韓流特別賞

ワールド・ソーシャル・アーティスト賞:BTS(防弾少年団)
男子人気賞:WANNA ONE
女性人気賞:MAMAMOO
OST賞:チョン・セウン
アーティスト賞:Red Velvet、MONSTA X
ネチズン人気賞:EXO
海外エンターテイナー賞:7SENSES
ミュージック・スター賞:チョンハ、UNB
R&Bアーティスト賞:Crush
ホットスター賞:ヒョンソプ X ウィウン、YDPP
アイコン賞:NU’EST W
クイーン・オブ・トレンド賞:ソ・イニョン
ヒップホップアーティスト賞:ソン・ミノ(WINNER)
ソーシャル・ボイス賞:ソジェイ
ボイス賞:フィソン、GB9
トロットスター賞:テ・ジンア、ホン・ジニョン
パフォーマンス賞:Samuel、DIA
トロットルーキー賞:カンナム、ソル・ハユン
ルーキー賞:THE BOYZ、Stray Kids、 NATURE、IZ
ミュージックビデオ監督賞:ホン・ウォンギ

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