3rdシングル『花火と漫画とチョコと雨』インタビュー
はちみつロケット×松本花奈監督が語る、「花火と漫画とチョコと雨」MV制作秘話
松本監督が考えるアイドルを撮影する上でのポイント
ーーそんな彼女たちのキャラクターを考慮しつつ……。
松本:そうですね。あとは、さっき雨宮さんが言っていたように、今回の曲は恋愛ソングだから、恋愛要素をどういうふうに入れようかということは考えましたね。実際に男の子を出すのもどうかなと思って……。そこで、この曲は花火や夏の様子が描かれているから、映像では七夕をモチーフにしようと考えたんです。その流れから、天の川で恋愛要素を表せないかなって思ったんですよね。
ーーそういうコンセプトみたいなものは、現場で直接メンバーに伝えるんですか?
松本:最初にそういうことをいろいろ紙に書いて、まずはそれを読んでもらって……。
播磨:そう、最初に紙資料みたいなものをいただきました。
雨宮:台本みたいな感じになっていて……それを読みながら、「あ、こんな物語があるんだ」って、わかる感じでしたね。
松本:いちばん印象的なシーンとして、制服のままみんなでプールに飛び込むシーンがあるんですけど、あれが実は、天の川をモチーフにしていて。それを渡ることで、織姫と彦星じゃないですけど、好きな男の子に会いに行こうみたいな。実は、そういう流れになっているんです。
ーーそのプールのシーンをはじめ、浴衣のシーンや花火のシーン、さらには衣装で踊るダンスシーンなど、かなり見どころの多いMVになっていますよね。
松本:一応、裏設定としては、7人が普通に学校生活を送っている中で何か楽しいことがないか探すようなイメージです。ちょっとカーテンの裏で浴衣に着替えてみたりして、みんなで浴衣で歩いていたら、そこで播磨さんが偶然笹を見つけるっていう。
播磨:見つけます!
松本:(笑)。で、その笹に願いごとを書いたりして、最後に天の川をイメージしたプールをみんなで渡って、好きな男の子に会いに行く。そういう流れになっているんです。
ーーなるほど。実際に出演した、みなさんの感想は?
公野:1stと2ndのMVには、ドラマシーンがなかったんですけど、今回初めて演技をやってみて……ストーリー性があるので、めっちゃわかりやすかったです。
播磨:今までは歌うシーンがあって、踊りのカットがある、アイドルの王道的なMVだったんですけど、今回はひとつのドラマみたいな感じになっていて。だから今回は、ちょっと役作りを頑張りました(笑)。
松本:笹、見つけたもんね。
播磨:そう、「あ、これは私のカットだ!」って思って(笑)。
ーーリーダーは、どうでしたか?
雨宮:私は今回、結構ひとりのシーンが多かったんですよね。カレンダーをばらまいたりとか、浴衣でひとり待っているシーンだったりとか。なので、勝手に自分が主人公だと思い込んでやっていました(笑)。
ーー(笑)。
雨宮:これは、私の勝手な解釈なんですけど、思いを寄せる男の子に会いたいんだけど、結局7人でいるわけじゃないですか。で、これはこれで楽しいからいっか、みたいな感じがあって。最後のプールのシーンも、結局7人で入るわけで、それはそれですごく楽しかったから、こういう夏もありかなっていう。そんな感じの解釈をしていたんですよね。
松本:うんうん、恋よりも友情みたいな。でも、そういう意味で、友だち同士で過ごす夏感みたいなものは、ちょっと意識したかもしれないですね。
ーーアイドルを撮る上でのポイントみたいなものって何かあるんですか?
松本:ポイント……私、写真もたまに撮影するんですけど、女の子を撮るのが、めちゃくちゃ好きなんですよね。「あ、この角度が可愛い」とか「こっちから撮ったら可愛い」っていうのを見つけるのが、めちゃくちゃ好きというか……。
公野:えっ、知りたいかも……。
播磨:普通に知りたいよね(笑)。
松本:(笑)。やっぱり、人の顔って、左右対称じゃないじゃないですか。だから、その子のいちばん可愛い角度っていうのが、絶対あると思っていて。それを見つけるのが好きなんです。だから、アイドルさんのMVを撮るのは、すごい好きなんですよね。
公野:でも、今回のMVを観たら、確かに全員可愛かったかも。
播磨:確かに。みんなか可愛く撮られていて、「あれ?」みたいな。
雨宮:現場ではどんな風にすればいいかというイメージを伝えていただいていたんですけど、実際映像を観てみたら、すごい可愛くなっていて。こんな感じになるんだって、ビックリしました。
ーーメンバーと年齢が近いだけに、“可愛い”のイメージが一致するのかもしれないですね。
雨宮:それはあると思います。監督が可愛いと思うものと私たちが可愛いと思うものが多分一緒だから、自分たちで観ても可愛いなって思うんですよね。