ゴールデンボンバーがファンの心を掴み続ける理由 SSA演出なし&ツアーファイナル全貌から考察

金爆、ファンの心を掴み続ける理由

そして『ロボヒップ』結末へ

 アンコールでは鬼龍院、喜矢武、歌広場、そして「樽美酒はお腹を抑えてトイレに行った」ということで、ロボヒップが登場。「かっこいいな英語って」では、クイズ番組出演経験も多い歌広場に埼玉のご当地クイズが出題される。しかし全問不正解していまい、罰ゲームとしてロボヒップの尻を押し付けられてしまう。その感触で歌広場は「こんなのお尻じゃない!」と言うと、目が冷めたかのように、「これまで続けてこれたのは研二さんのお尻のぬくもりがあったから、こんなお尻では良いリアクションはできません!」と他のメンバーにも呼びかける。ここでロボヒップに下剤を盛られたという樽美酒が登場し、ロボヒップと乱闘に。スクリーンには樽美酒を大気圏へ連れていき抹殺しようとするロボヒップが映し出されるも、冒頭の映像内で鬼龍院のパソコンで違法ダウンロードサイトを利用していたことが原因で、ウィルスに感染していたことが発覚、動作不能になり墜落してしまう。東京上空から落下してロボヒップは粉砕。あわや樽美酒も……と思いきや、日頃の筋トレの成果が発揮され東京スカイツリーにつかまり九死に一生を得たのであった。

 生還を喜ぶ3人に「本物のゴールデンボンバーをみせてやろうぜ!」という樽美酒の声から始まった「イヤホン」で、『ロボヒップ』の物語は幕を閉じたのであった。

まさかの樽美酒熱唱、SNOWで加工の歌広場

 ここで唐突に告知映像が流れ、樽美酒が作詞、作曲、そしてボーカルをつとめたというシングル『タツオ…嫁を俺にくれ』がリリースされることが発表されると、客席からは驚きと喜びの混じった声があがり、そのままCDジャケットの衣装で樽美酒が登場し、「タツオ…嫁を俺にくれ」を熱唱。ちなみにタイトルにある「タツオ」とはゴールデンボンバーのアレンジ等を手がけるtatsuo氏のことであり、樽美酒とは先輩後輩の関係であることも知られている。「(曲を作ってる間は)ちゃんと愛した!」と宣言する樽美酒にツッコミを入れるメンバー。「クリーンなバンドなので安心してください」と鬼龍院。

 今回のツアーは構成を詰めすぎて、MCをする時間がなかった、とメンバーひとりひとりにコメントを求める鬼龍院。

「ライブ終わって帰ってシャワー浴びて寝るんでしょう。どんなに楽しい夢をみても、今日のライブよりきっと楽しくないと思います。そのくらい楽しかったです!」(歌広場)

「最近思ったんだけど、毎年大きな会場で当たり前のようにやらせてもらってますけど、皆さんのおかげだなと思っております。ハハッ。次のツアーも決まってないですけど、また遊びに来ていただけたら。僕もテレビゲームでもしながら待ちたいな」(喜矢武)

「これは一生忘れられない、皆もそうかな? 今日は素敵なライブでした!」(樽美酒)

「ゴールデンボンバーの“ブーム”は、落ち着いたと思うんです。これだけ集まってくれるなんて、まだまだ行けると感じました。このツアーに力をすげえ注いだので、もう一回やれと言われたらキツイ。でも、皆がひっぱりあげてくれたらやりますんで、求めてください」(鬼龍院)

 感動的な空気になったところで、「進化しているのはメンバーだけじゃない、とくに映像スタッフが進化している」として、あみだくじで選ばれたメンバーひとりがその場でメイクを落とすことに。カメラアプリ・SNOWで加工された顔がスクリーンに映し出されるため、スッピンでも大丈夫という仕組みだ。なお、この日の犠牲者(?)は歌広場。自分だとネタ的に美味しくないとガックリする彼をメンバー全員が励まし、「ultra PHANTOM」ではガッツリSNOWで加工された歌広場がスクリーンにアップになった。

 最後の記念撮影では、開演前の占いサイトの結果が「大凶」のお客さんが、スマホのライトを照らすと、客席から文字が浮かび上がるというギミックを用意していた。ちなみに前回のツアーでも同様の試みが行われていたが、「皆が意外とサイトにアクセスしてなかった」という理由で失敗に終わったのだが、今回はまさかのサイト側のトラブルによって再び失敗に終わった。

20180726-gbrobo5
20180726-gbrobo6
20180726-gbrobo8
20180726-gbrobo10
20180726-gbrobot1
20180726-gbrobot2
20180726-gbrobot3
20180726-gbrobot4
20180726-gbrobot5
20180726-gbrobot6
previous arrow
next arrow
20180726-gbrobo5
20180726-gbrobo6
20180726-gbrobo8
20180726-gbrobo10
20180726-gbrobot1
20180726-gbrobot2
20180726-gbrobot3
20180726-gbrobot4
20180726-gbrobot5
20180726-gbrobot6
previous arrow
next arrow
 

 最初から最後まで過剰なほどにネタを詰め込んで、奇跡的なバランスを保っていたゴールデンボンバーのワンマンライブ。“ブーム”が落ち着いてもファンの心を掴みつづけている理由は、常に前例のないことに挑戦しているフロンティア精神と、常に観客を楽しませようとするエンターテイメント精神を両立させているからかもしれない。次のツアーを心待ちにしていたい。

■藤谷千明
ライター。ブロガーあがりのバンギャル崩れ。8月6日に市川哲史氏との共著「すべての道はV系へ通ず。」(シンコーミュージック)を上梓。Twitter

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる