佐藤結衣の『ラジオdeジャニログ』

Hey! Say! JUMPは優しいファミリーだ 岡本圭人活動休止に寄せて

 9歳で親元を離れて5年間イギリスへ留学。そして、帰国してすぐにHey! Say! JUMPに抜擢された岡本はデビュー当時、歌もダンスも日本語でのトークもままならないアイドルの“赤ちゃん”だった。幼いころからジャニーズJr.としてキャリアを積んできていたメンバーと共にデビューとなれば、未熟な部分は隠しきれない。そんな岡本をイチから育てたのはHey! Say! JUMPのメンバーだった。八乙女光が父親のように叱咤し、薮宏太は母親のように代わりに叱られた。高木雄也と伊野尾慧は年上の兄のように成長を信じて静かに見守り、有岡大貴と中島裕翔は年の近い兄のように同じ趣味を共有した。愛されキャラの知念侑李はペットのように距離を縮め、そして山田涼介は双子のようにプライベートでもほぼ一緒に過ごした。

 岡本圭人は優しい。だが、それ以上にHey! Say! JUMPは優しいファミリーだ。デビューから10年を経て、岡本は家族に甘えて過ごしてばかりではいられない、ともがいているのだろう。グループに守られる立場から貢献できる存在へ。そして留学を決めた岡本に、メンバーは「戻る場所はないというぐらいの覚悟を持って、学んできてほしい」と激励した。それは家を飛び出す息子に、家族が贈る愛ある喝に近い。山田がラジオで「圭人がドSに? それは無理だよ。そういうのは僕の方が合ってるでしょうね」と話したように、これこそベストなドSアドバイス。岡本が作曲し、9人で作詞した楽曲「H.our Time」には、こんな一節がある。〈未来の僕らは 変わらず親しい仲で/誇りをもてる 君がいるから〉。岡本のこの決断が、彼らの誇れる未来への一歩となることを心から願い、そして応援したい。

※高木雄也の「高」はハシゴダカが正式表記。

(文=佐藤結衣)

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