『DEAD RHYTHM EASTER FEST』レポート

北欧最大級パンクフェスで世界各国のバンドが共演 DEATH SIDE ISHIYAによる現地レポート

(写真=Henry Lugo)

 そうしたフェスで、最終日のトリを飾るバンドとして4年間のイベントに終止符を打つ大役を担った我々DEATH SIDEであるが、初日から客席をうろうろしていると「最終日は楽しみにしているぞ」と、様々な国の人間から声をかけられ期待の高さを日々感じていた。

 以前チェコやイギリスに観にきていた観客も多く、最終日には用意したTシャツも完売するなど、ヨーロッパでの評価の高さにびっくりしたのも事実である。

 ライブ前に、企画者であるローニーに「本当に今回でこのフェスは終わってしまうのか?」と尋ねたところ「そうだ。その最後をDEATH SIDEで締めることができるのは光栄なことだ。その意味がわかるか?」と言われ、ここまで様々なタイプのバンドが出演する中で、世界に影響を与えた日本のハードコア・パンクの評価をも背負う形にも思え、非常に気合の入るライブとなったが、アンコールを用意していないにもかかわらず2回も激しいアンコールがかかるなど、大盛況のライブを行うことができたように思う。

2018-04-01 DEATH SIDE @ Slaktkyrkan, Stockholm (Dead Rhythm Easter Fest)

 こうした世界のバンドが集まるフェスに、日本のバンドとして出演できたことを誇りに思うとともに、世界のハードコアシーンの中での日本の評価の高さも実感できる素晴らしい経験をさせてもらった。世界は広く、人生は一度きりだ。世界に飛び出し様々な体験をすることは、バンドにとっても自分の人生においても素晴らしい経験となるだろう。日本には多くの素晴らしいハードコア・パンクバンドがいる。そうしたバンドたちにも、ぜひ日本のハードコアの素晴らしさを世界に伝えていってほしいと心から願う。

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

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