DJ RYOW × 般若が語り合う、時代の変化と作品をリリースし続ける意味

DJ RYOW × 般若対談

「今の世代の子たちは、まずスタジオで作ることに集中」(DJ RYOW)

ーー今回はJP THE WAVY、Cz TIGER、BAD HOPの面々、唾奇といった若い世代のアーティストも起用しています。いざ一緒に作ってみて、世代間によっての違いなど、印象に残ってることはありますか?

DJ RYOW:アルバムには毎回初めて一緒にやるアーティストの楽曲を入れているんですけど、スタジオに入った感想でいえば、新鮮だなと思ったり、こんな作り方がありなんだと思うことはありましたね。僕もずっとやっているんで、こう作りたいとか、こうあるべきという自分の中の固定観念みたいなのがあるんですけど、そういうことを言いだしてたら今回は多分作れなかったです。

ーー具体的に何が新鮮で、どういう作業が違うんですか?

DJ RYOW:例えばヴァースを二小節ずつ録っていくとか(笑)。

般若:ホントそんな感じっぽいよね。

DJ RYOW:昔はこう……一本で録るのがカッコイイみたいな感覚があって、今も僕個人で言えばそう思ってるんですけど。

般若:それしかできねぇよ、俺(苦笑)。

DJ RYOW:(笑)。ライブのことを考えたらそういう録り方ってなかなかできないと思うんですけど、今の世代の子たちは、まずスタジオで作ることに集中している気がしました。色んな人がいるなと思いながら、今回は結構それぞれのアーティストのやり方を見て僕らが寄せていった感じでしたね。期日的にはマジでギリギリでしたが(笑)、基本的には作品としての完成度に問題がなければ何があっても良いと思って作っていました。

般若:ラッパーなんてどいつもこいつも人のいうことを聞かねぇヤツばっかだからね(笑)。時間の概念すらないような……。ねぇ? それをまとめてきっちり出していくのは並大抵のことじゃない。DJで10枚アルバムを出すのって、世界的に見てもすごいことだと思うよ。

ーーいま般若さんからも出ましたが、アルバムのタイトル『NEW X CLASSIC』の“X”は10枚目の作品ということですね。

DJ RYOW:今回10枚目ということと、アルバムタイトルに関しては新しいクラシックを生むという意味、世代をつなげる意味も含めですね。あとはTOKONA-Xの1st アルバム『トウカイXテイオー」の“X”にちなんだ意味もあります。

般若:『トウカイXテイオー』は衝撃的だった。TOKONA-Xとは1stアルバムが同時期に出るとわかって、「曲やるか」みたいな話になっていたんですよ。でも1stアルバム出してお互いの名前広めた後にやらないと、となって結局実現することができなかったんです。それ以来よほどのことがない限りオファーを断るのはやめて、やりたい人とはやっていこう、と思いました。彼は越すことができない人ですね。

ーー『NEW X CLASSIC』はここまで伺ったお話が集約されたタイトルなんですね。そして、“X”はもちろんTOKONA-Xの“X”でもある。そして、この記念すべき10作目のタイミングで、般若さんも10枚目のオリジナルアルバム『話半分』のリリースを控えているという……。

DJ RYOW:般若君のアルバムはほぼ客演なしで、それを10枚続けられるというのがまず凄い。自分はラッパーじゃないんで何とも言えないんですが、僕の周りでも、みんな頑張って曲を作ってはいるんですけど……それでも実際アルバムの完成まではなかなかいかないですよね。例えば「新しいビートを聴きたい」と言われたら、僕らはどんどん渡すわけですけど、そうやってアルバム2、3枚分のビートを渡しても普通は1枚作ることもできない。

般若:客演なしということに関して言うと、一応みんなにオファーしたけど断られたっていう建前があるんだけど(笑)。

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